1.船出
「自分とはなにか」についての正答を得ることはないだろう。このたび、その答えを探す旅を始めたい。
ある日のこと。中学生のときのこと。僕は漠然と自分の将来のことを考え始めた。そのきっかけというのはなにであろうか。ひとつ、将来についてただならぬ嫌悪感を抱いたのは、高校になるとずっと勉強をしないといけない、特に高3になると、ということだ。決して、今は勉強だけをしているわけではないのだが。そして、大学生は遊ぶことは不可能ではないだろうが良い企業に入るためには勉強は欠かせない。そして、優良企業に入ることができたとしても、上に行くためにはまた一層、研鑽が必要である。定年までそれが続き、老後になるとお金と時間はあるが、体力がない。好きなことはできなくなる。こんな虚しい人生はあるだろうか。ただ、どこかの時点でその軌跡の上から外れるとどうだろうか、失敗の危険性が非常に高い。少なくとも17年生きてきた私は、自身に過大な勇気がないことは知っている。
「蒼昊」は青空のことだ。いずれかが私の名前の一字だ。大きな心を持つように、と名付けてくれた。
「自分とは」
おそらく、すべての人間が持つ問い。別に、僕みたいに小説家だったり、哲学者を名乗っている人だけが考えている問いではないだろう。それでも、人間にだけ許された特権。
要するに、今まで漠然として考えてこなかった自らの本質と、将来について考えたいと思って筆を取ったというわけだ。では、また。
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