第77話 お宝探し開始
本日のお昼ご飯はサンドイッチ。
ピタパンを使った異国風のものではなく、食パンを使ったホットサンドに似たものだ。
使っているパンそのものはいつもの少し黄みがかったもの。
でも薄く切ることでサンドイッチ用食パンっぽくなっている。
「このタイプのサンドイッチははじめてだよね。あとどうやってこのパン、薄く切ったの?」
「魔法で軽く凍らせてから切るんです。あと最近は
単に新しいレシピを求めてなのだろうか。
私に合わせてなのだろうか。
それとも
カリーナちゃんにとって、マイナス方向の意思や意識という可能性はないのだろうか。
今の私にはわからない。
「ところでミヤさん、レベルはどれくらいですか」
カリーナちゃんの言葉で思考を切り替える。
さっきオブクラリスを倒してレベルが上がった。
だからパスポートを見なくても答えられる。
でもラッキー君のレベルを確認したいし、パスポートを見ておこうか。
「私がレベル35で、ラッキーが37」
今のオブクラリス戦でラッキー君に追いつけたと思ったのだが、そうではなかったようだ。
確かにラッキー君、ちまちま出てきた五線ヘビやスライムといった小物を倒しまくっている。
その積み重ねが追いつけないレベル差なのだろう。
まあラッキー君が強いのはいい事だ。
だから問題はまったくない。
「なら
ただ折角ですから遺跡を少し調べていきませんか。まだ時間はありますし、オブクラリスは一度倒すと同じクエスト内では出てきませんから。
勿論今から帰るというのも正しいと思います。今ここを出ればケルキラの家に明るいうちに帰れますから」
確かに家に帰るという選択肢もあるなとは思う。
でも折角遺跡探索なんてゲームっぽい事が出来るのだ。
ここはやはり楽しむべきだろう。
「なら探索したいな。今晩も私たちがカリーナちゃんの家に泊まっていいなら」
「もちろんそれは大丈夫です。なら16時ころまで探索してみましょう」
探索、決定だ。
お昼ご飯を食べ、ラッキー君の首筋に
そしてさっき逃げてきた道をもう一度遺跡へ。
オブクラリスの死骸は消えているが戦闘で荒れた地面や路面の石畳はそのままだ。
「この辺りは補修が入るのかな」
「私たちがここのクエストを終了して報告した後、補修するという設定です。実際はシステムがもとの状態に戻すだけですけれど」
このあたりはやはり
カリーナちゃんがそう意識して言ったのかはわからないけれど。
壊れて門扉がない街門から遺跡の中へ。
「アイテムが見つかりそうな場所ってどの辺かな」
「最初は神殿の中を調べてみます。レアアイテムが見つかる可能性が一番高いのが神殿ですから。
他には神殿近くの周囲より大きな家3軒。神殿ほどのレアアイテムはありませんがそこそこいい武器が出たというWeb報告があります。
他の家や商店では出ても普通の武器かそこそこの
「既に探し尽くされていてアイテムは出てこないって事は無い?」
「アイテムはクエストが入るたびに運営が新規追加しているようです。ですから全く無いという事はありません。
ただ今回はすぐ前に別のパーティが入っていたようです。だからそのパーティが探し尽くして、という可能性もあります。今回はその心配はしなくていいと思いますけれど」
「何故?」
そう聞いたところでラッキー君が前からダッシュでもどってきた。
スケルトンソルジャーかスケルトンイエーガーか。
どちらにせよ既に怖い敵では無い。
出てきたタイミングに合わせて
スケルトンイエーガーはあっさり経験値と魔石に変わる。
「私達が遺跡に入ってすぐ、オブクラリスが出現したからです。おそらくあのオブクラリスは前のパーティが出現させたものでしょう。そして倒さずに逃げ切った。なら遺跡内で十分な探索を出来る時間はなかった可能性が高いですから」
なるほど。
荒れた石畳の通りを歩いて行くとオブクラリスから逃げる前に見た神殿が見えてきた。
まっすぐ先へ建物2階分くらい伸びる階段、その先に見える柱と屋根だけの建物、そして階段の左右にある2階建ての白い石造りの建物。
壮大な神殿、という規模ではない。
「それではまず左側の建物から入ります。地上2階地下1階で、全部の部屋を見て回るつもりです。中はスケルトン類の他にゴースト類が出てきます」
「ゴーストか。久しぶりだね」
使える技を結構覚えたのでちょうどいい。
多分
武器はこの戦斧だけで充分だろう。
対魔属性がついているから薬剤の節約にもなるし。
神殿に到着。
扉や窓などはとっくに朽ち果てたのか存在していない。
しかし階段や石造りの建物本体はまだまだ大丈夫そうだ。
中へ入っていきなり崩れるなんて事はないだろう、多分。
扉から見える範囲には魔物はみえない。
「それでは入ります」
カリーナちゃん、私、ラッキー君という順番で中へ。
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