第10話

さて、朝ご飯を食べ終わると、あやかは大量の教科書や参考書を持ってきた。

俺は、山積みにされていく本を見て、ぐったりする。


「な、なぁ、やっぱり勉強会は今度にしないか?」

「いや、テストはもうすぐだから今度とか無いの!」

「ぐっ……!」


その言葉にぐうの音も出ない。

俺はどうせやることも無いので、目の前の参考書を開いてテスト勉強を始める。


しばらくの間、テスト勉強を続ける。

俺は、分からない所をあやかに聞きつつ、愚直に作業を進めていく。

テスト前ではあるが、だんだんと分からない所は減ってきた。


あやかも、俺をたまにちらちらと見ながらも、ささっとテスト勉強をしている。

あやかは勉強ができるので、そこまでテスト前にやらなくても大丈夫らしい。


ひたすらにやっていると、時間を忘れる。

気づけば、外の太陽は、丁度一番高いところにある。

それに気づくと、お腹も鳴る。


すると、いつの間に準備をしたのか、あやかはすぐに昼食を持ってきてくれた。

今度は、自分の分も一緒に。


「はい、お昼。ちょっと休憩しようか」

「そうだな」


二人で昼ご飯を完食した後、再び勉強に入ろうとした、その時。

玄関のチャイムが鳴った。

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