第11話

「いやー!やっぱり気になっちゃってさ~!」

「まぁ、あやかが邪魔だったらすぐ帰るから」


そう言ってうちにやってきたのは、益男、南さん、陽菜さん、美智子さんだった。


「いや、丁度良かったよ!」


そう言ってにっこり笑うのは、あやかだ。

あやかは皆が俺の部屋に入ると、一緒に準備したお菓子をテーブルの上に出す。


「もうそろそろ勉強だけし続けるのもきついかな~って思ってたとこ!一緒にやろ!」

「お、いいのか!?」

「それは助かるよ~!」


そう言ってキラキラと目を輝かせているのは、益男と南さん。

二人は俺よりテストの点が悪い。

そんな訳で、学年でもトップクラスのあやかや美智子さんに教えてもらえるのはいいことなのだ。


「はぁ……」


そんな美智子さんは、自分が教える側に回っていることに気づいてしまったとばかりにため息をつく。


「それじゃ、お菓子でもつまみながら、続きやろうか」

「おぅ!」


それからまたしばらく、少し会話を交えながら、勉強を続ける。


「なぁ、それ、本物か?」


益男は俺の足の鎖を指さす。


「ん?あぁ、本物」

「まじか……」

「うわっ!?本物の鎖じゃん!」


南さんは実際に手に持って、そのずっしりとした質感に驚いている。


「ちゃんと勉強しないと……」


陽菜さんは、南さんを止めている。


「あはは……」


その光景を見ながら、あやかは空笑いをしている。

それからしばらく勉強に集中して。


「じゃあね~」

「また!」

「今度は普通にね……」


みんな家に帰っていった。


「よし、夜ご飯にしよ?」

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