第7話 ヨバイの村
俺は落下する途中でホーミングを出現させた。
ホーミングを蹴って横に飛び、セイバーを壁に突き立てて落下を止め、螺旋階段に着地した。
「くそ!大分落とされた!ヨウカ!待っていてくれ!」
俺は走った。
螺旋階段を登るとスライムが邪魔をしてきた。
まるで時間を稼ぐように俺の行く手を阻む。
「邪魔をするなあああ!」
俺はショットとセイバーでスライムを倒しながら螺旋階段を登った。
◇
「ヨウカ!」
ヨウカの元にたどり着くとヨウカはうつろな目をしていた。
ヨウカが気を失いそうになるとスライムがヨウカを乱暴して覚醒させる。
「かかってこい!」
スライムはヨウカから離れない。
俺はショットとホーミングで近くにいるスライムを倒し、セイバーでヨウカにまとわりついたスライムを倒していった。
倒したスライムの生命力を吸収し、俺の力が増していく。
すべてのスライムを倒すと、ヨウカは気を失った。
俺はヨウカを背負って魔法陣に乗った。
日の光が差し込み、青空が見える。
迷路から景色が変わった。
すぐ近くに村が見え、そこに走った。
洋風と和風の建物が混在しており、人の気配がした。
「誰か!ヨウカがスライムに襲われた!助けてくれ!」
淡いブルーの長い髪と瞳を持つ白い着物の女性が言った。
まるで雪女のように見える。
「まずは温泉に入れて体を洗いなさい」
「頼む」
「あっちよ、早く!足の速いあなたが連れて行かないと!」
淡いブルーの長い髪と瞳を持つ白い着物の女性が言った。
まるで雪女のように見える。
俺は匂いと湯気を頼りに温泉にジャンプして飛び込む。
「わあ!何々!なんなの!」
入浴していた女性が驚く。
「すまない!ヨウカがスライムにやられたんだ!」
「早く洗わないと!」
俺はヨウカの体を洗う。
「こんなもんでいいのか?」
「後は薬を塗って貰いましょう」
「分かった!」
俺はヨウカをおんぶして雪女のような女性の所に走った。
「他に出来る事はあるか?」
「ドロップ品は回収したの?」
「いや、全然!」
「すぐに回収しましょう。レディーキラーをスライムが摂りこんだら厄介だわ。スライムゼリーを取り込んでも分裂して増えやすくなるわ!更に被害が広がるのよ!」
「分かった!行って来る」
俺は螺旋階段を探し、モンスターを倒してドロップ品を回収しつつ螺旋階段を降り、そして登って村に戻った。
◇
「ヨウカは大丈夫か!」
雪女のような女性が言った。
「大丈夫よ。命の危険は無いわ」
「そうか、良かった」
突然力が抜けて床に座り込んだ。
「まあ、緊張が解けて疲れがどっと来たのね。ゆっくり休みましょう。人間が迷い込んだのね。神隠しかしら?」
俺は、意識を失った。
気持ちのいい、夢を見ていた。
俺が布団で寝て、雪女のような女性が上に乗って1つになる。
「ふふふ、刺激すると元気になるのね」
女性のみだらな声が聞こえる。
女性が俺の上に乗って、俺の上で乱れる。
◇
「知らない天井だ」
目を覚ますと隣に柔らかい感触があった。
「あら、目覚めたのね」
「……え?」
「失礼したわ。私はユキナよ」
雪女のような雰囲気の女性はユキナさんだったのか。
「俺は優也です。ってな、何で裸で抱き合って!」
「体温が冷えていたから、念の為に温めたのよ」
「会ったばかりの俺にそこまでしてくれるんですか?」
「ヨウカを助けてくれたわよね?」
俺は自分の下半身に手を当てた。
「大丈夫よ。拭いておいたわ。生理現象なのだから気にしない方がいいわ」
夢精してたのか?
恥ずかしい!
しかも、ユキナさんに抱かれる夢を見てだ。
ユキナさんが俺に抱きついて耳元でささやいた。
「溜めすぎは良くないわよ」
「……はい」
「ふふふ、私が出してあげましょうか?」
「……いえ、大丈夫です」
ユキナさんが裸のまま布団から立ち上がって着物を着た。
きれいな体が目に焼き付いて目を離しても脳裏から離れない。
ユキナさんは着物を着ると部屋を出て行った。
ユキナさんの顔が赤かったし、吐息が異様に荒かった気がする。
本当は恥ずかしいのに無理をして俺を温めて、冗談を言ってくれていたんだな。
ユキナさんと俺が1つになる夢を見て夢精していたなんて言えない。
部屋を移動してユキナさんに声をかけた。
「さっきはありがとうございます。所で、ヨウカは大丈夫ですか?」
「大丈夫よ。今は眠っているけれど、すぐ元気になるわ。あなたもしばらく休みなさい。あなたとヨウカは休息が必要よ」
俺はユキナさんの家で過ごした。
「さあ、布団に入りなさい」
「まだ眠くないですよ」
「駄目よ。後服は脱ぎましょう。裸で寝るのが一番よ」
「ユキナさんも裸で寝るんですか?」
「そうよ?さあ、眠りましょう」
俺が服を脱いで布団に入るとユキナさんも裸になって一緒の布団に入って来た。
「え!ちょ!」
「この魔法が効くようならあなたは疲れているわ。スリープ」
冷たい冷気が俺を覆った。
俺は、どうやら疲れているらしい。
眠く、なって、きた。
◇
「おはようございます」
「ううん、おはよう」
また、ユキナさんと1つになる夢を見てしまった。
ユキナさんは笑顔で俺の頭を撫でてくれた。
ユキナさんはヤマトナデシコのような魅力がある。
動きの1つ1つに品があってお嬢様のようだ。
ユキナさんに興奮してしまう。
あれだ、命の危険を感じて性欲が高まっているんだ。
死にかけたせいで高ぶっているのだ。
いや、違う、そういう問題じゃない。
……ユキナさんに抱きつかれたら無理だ!
これ以上我慢できそうにない。
耐えろ!俺!
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