エピローグ3『宗方家、崩壊』
【Side.宗方三明】
僕こと
それから数年経った今では、疑いようもない人気アイドルになっている。
新曲は常にチャート上位で、各種ライブイベントもチケット予約を開始して一分も経たずに完売するくらいに。
そんな僕だが、こっそり付き合ってる相手がいる。
彼女の名前は
高校の時に知り合った一つ上の先輩で、今は大学で法律の勉強をしている人で、僕の初めての恋人だ。
そして今日はお互い日程が空いた事でデートしてた。
……まあ、僕は彼女がいると世間にバレたら困る身分なので、伊達メガネやマスクで変装してるけど。
逆に国光さんは長い髪の毛をポニーテールに束ね、凛とした顔立ちを堂々と晒しで僕の隣を歩いている。
街中を適当にぶらついてたデートだが、まだ日も暮れてない時間なのに国光さんの希望で終わろうとした。
「それじゃあ宗方くん。約束の物をお願い」
「……ええ」
僕は国光さんに要求されるがまま、茶封筒を差し出す。
茶封筒を受け取った国光さんは中身を覗き見て頷いた。
「確かに貰ったわ。じゃあお疲れ様」
「あの」
僕はそのまま立ち去ろうとした国光さんを呼び止めたら、国光さんは不機嫌な様子でこちらに振り向き直す。
「……何?」
「それ……どうするんですか?」
言うまでも無いかもだけど、茶封筒の中身は現金で一百万入ってる。
僕はある事情によって、彼女に貢ぎながら交際関係を維持していたのだ。
「そろそろ恭一くんに新しい服を買ってあげようと思ってね。今恭一くんが持ってる服って大体彼女さんに買って貰った物らしくて、私とのデートには私が選んだ服を着て欲しのよ」
国光さんは悪びれる所かむしろ自慢するように語った。
「そう……ですか……」
一方の僕は文句も言えず落ち込む。
恭一とは僕の高校の頃の同級生、葛葉恭一の事だ。
そして彼は国光さんの本当の思い人でもある。
僕から貰ったお金を他の男とのデートに使うとか浮気もいい所だけど、僕は文句を言えない。
最初から、国光さんが僕のお金で葛葉くんに貢ぐ所まで了承するのを条件に付き合ってるからだ。
「じゃあいいわね?」
話はもう無いと言わんばかりに、国光さんはそれ以上何の会話も交わさずに去って行った。
残された僕も力なく家路につく。
……今日こそは、名前で呼び合ったり、夕食を一緒に食べてホテルで休憩する所まで意気込んでたのに、また空振った……。
家に着いた後一人寂しく夕食を食べていたら、スマホに電話が掛かって来た。
国光さんからの電話かと期待して確認すると、画面に映る名前は【葛葉恭一】だった。
嫌な相手だけど無視するのもまずいと思って電話に出る。
「……はい、宗方です」
『ああ、宗方くん。急に悪いが今話いいか?』
普段と同じ真面目そうな葛葉くんの声が電話越しに聞こえた。
「いいけど」
『国光先輩の事だが、先ほどデートのお誘いがあってな。俺の服を選んでくれるだそうだが、また君から金を分捕ったりしたか?』
「………」
恋人の浮気相手が、浮気の誘いがあったと律儀に教えて来るのに、僕は何とも言い返せなかった。
沈黙を肯定と受け取ったのか、葛葉くんが話を続ける。
『そうか。これでもう何度目になるのかも分からないし、俺に言えた義理は無いかもだが、敢えて言うぞ。……国光先輩とは別れた方がいい』
本当に葛葉くんに言えた事じゃないな。
しかし、他に言ってくれる人がいないのも事実だ。
周りには国光さんとの交際を隠していて、知っていても止める人も他に居ないから。
でも。
「嫌だ。国光さんと別れたら、彼女は迷わずに君の所に行くんだろ」
『だとしても、搾取され続けるよりはずっとマシだろ』
「君に奪われる方がずっと最悪だ。話がそれだけなら切るよ」
僕は葛葉くんの返事を聞かないまま電話を切った。
正直、葛葉くんが言う事も分からなくはない。
でも初恋で幼馴染のケーちゃん、ケーちゃんに振られた後慰めてくれた花京院さんに続いて、二人を奪われるまでに仲良くなってた国光さんまで葛葉くんに取られたくない。
僕にはもう国光さんだけなのに、葛葉くん悠翔高校を卒業した後、公然と片手で数え切れない女の子と同時に付き合っている。
そんな浮気男に三度も負けたくない……!
必ず、国光さんを僕に振り向かせて葛葉くんに勝ってみせる!
それからまた数年が経った。
歳もあって僕のアイドルとしての人気はそろそろ頭打ちになり、事務所と相談してアイドル営業を止めて普通の歌い手や俳優に方向転換する計画を立て始めた。
そしてアイドルじゃなくなると、恋愛や結婚の制約も無くなる。
僕はそれをいい機会だと思って、次のデートでランさんにプロポーズすると決めた。
この時期にはお互い名前で呼び合うまでには関係も進展してたし、逆にランさんと葛葉くんの関係が進展してる様子もなかったので行けると思った。
「ランさん。僕と……結婚してください」
そしてデートの締めのタイミング、川を挟んだ向こうに夜景が見える夜の公園で、僕はランさんに指輪が入った箱を差し出しながら結婚を申し込んだ。
「いいわよ。てか、ようやくね」
「……え?ようやくって……」
あまりにも呆気ない了承に加え、ようやくって言葉に驚いてつい聞き返した。
「だって、約束してたでしょ?あんたと偽装結婚して、恭一くんとの子供をあんたの子供として育てるって」
「あっ……」
思い……出した……。
確かに貢ぐだけじゃなくて偽装結婚もすると約束をしてた。
反故にしない保障として、僕が全裸で土下座する動画まで送らされて。
「一応、アイドルやってるあんたの都合も考えて待ってあげてたけど、思ったよりも大分待たされてしまったわ。おかげで恭一くんの子供を産むのに大分出遅れてしまったじゃない」
僕との結婚を、葛葉くんとの子供を産む隠れ蓑にしか思ってない話し方に、胸が裂ける思いをした。
でも今更ランさんと別れる事は出来ない。これは僕の意地だ。
結婚してる間に、身近にいる僕の方がいいと気付かせてランさんを振り向かせる。
「すみません。では改めて、僕と結婚してくれるんですね?」
「ええ。約束を守ってくれるならね」
こうして僕は、ランさんと結婚出来た。
それからの結婚生活は、思ってた以上に味気ないものだった。
同じ家で暮らすようになったものの、寝室が別々なのは当たり前で、夫婦としての夜の営みは一回もなかった。
むしろランさんが葛葉くんとのデートに出かけて堂々と朝帰りする事はあったけど、嫌なら離婚する?と言われるのを避けたかったので文句を言えない。
まあ、ここまでは予想の範疇だ。……十分酷いけど。
それでも夫婦として身近にいる時間を積み重ねていけば、いつか僕を見てくれると思ってた。
でも僕は芸能人の仕事で忙しかったし、ランさんも弁護士になってて忙しく、お互いに時間を取れなかった。
……ランさんの仕事の内、結婚と離婚そして再婚を繰り返した葛葉くんが重婚の疑いで訴えられたのを弁護する仕事もあったけども。
それと度々葛葉くんから『どうしてあんな女と結婚生活を続けているんだ。今からでも別れろ。余計な反骨精神を出さずに!』と煽られたけど、僕は頑なに離婚しなかった。
……そういえば葛葉くんはもう婿入りで結婚して苗字が花京院になったけど、他の花京院姓の人たちと混同するし、下の名前で呼ぶのは抵抗があったので今まで通りに葛葉くんと呼んでいる。
結局、ランさんは僕と一回も寝所を一緒にしないまま、本当に葛葉くんの子種を貰って来て子供を産んだ。
可愛い女の子で、名前はランさんが
約束通り戸籍には僕の実娘、宗方光希として登録した。
そのミキだが、成長するにつれてランさんが7、葛葉くんが3って割合で足して割った感じの顔立ちに成長した。
僕は最初、血が繋がってなくて他の男に似た子供を自分の娘として育てるのに複雑な思いを抱いていたけど。
「みきはパパだいしゅき!おおきくなったらぱぱとけっこんすりゅ!」
「うん。ミキが大きくなったらね」
こんな感じで、何も知らないミキは僕を実の父親だと信じて慕ってくれたのですっかり心を奪われてしまった。
少し葛葉くんに似た顔立ちだって、ミキの可愛さの前では忘れられてしまう程。
もうランさんを振り向かせるのは半ば諦めているけど、ミキの両親としての関係は消えないから、ここが妥協点だろう。
ならこれからの僕はミキの為に生きて行こう。
……そう決めたのに。
「ミキ。大事な話があるわ」
「何、ママ?」
「あなたの本当の父親はここにいる宗方三明じゃないわ。花京院恭一なのよ」
ミキの悠翔学園初等部卒業式を終えた帰り。
お祝いに寿司の出前を取って食べた後、ランさんが不意にその事実を打ち明けてしまった。
「え?ほんと?」
「本当よ。そうよね?」
ミキが信じられないという顔をすると、ランさんは僕に同意を求めた。
「…………」
僕はどう答えたらいいか悩み……何とも答えられなかった。
ランさんはそんな僕に呆れたのかため息をつく。
「はあ……。あの人は黙っているけど、あとで花京院さんのお家に言って聞けばハッキリするわ。あなたは間違いなく花京院恭一の娘なの」
「じゃあ、どうして私は花京院光希じゃなくて宗方光希なの?」
「パパ……三明さんがね。どうしても私が好きだと縋り付いて来て仕方なく結婚してあげたのよ。でもママは恭一さんが好きだったから、恭一さんとの娘としてあなたを産んだの」
小学校を卒業したばかりのミキに分かりやすく端折って説明されたけど、こうしてランさんの説明を聞くと改めて酷い話だな……。
「ランさん。どうして今になってそれをミキに話すんだ?」
静かに話を聞いてた僕はランさんの行動が理解出来なくて質問した。
「ミキもそろそろ自分でものを考えられるようになって来たし、自分の事は自分で決めた方がいいと思ったのよ。大きくなり過ぎてからだと遅いからね」
「自分の事を自分で決める……?」
ランさんの言う事がすぐに理解出来なくて、僕は頭を捻りながらミキの方を向いた。
考えてるように俯いているミキに、何とも言い様の無い不安に駆られる。
やがてミキは頭を上げランさんに向かって口を開けた。
「じゃあわたし、花京院光希になりたい!」
そして不安が形を成して、僕の頭を思いっきり殴りつけて来た。
「ま、待ってくれ!ミキは僕の娘だ!葛葉くんなんかには渡さない!」
「嫌!わたし、恭一おじさんの娘になるもん!」
「ミキ!?」
ミキが見せた断固な意思に驚いた。
「恭一おじさんの娘になれば、わたしも学校のお姫様になれるもん!わたしはお姫様になりたい!」
「そんな……」
ミキも花京院恭一が誰か、引いては花京院家が悠翔学園でどんな立ち位置でいるのか知っている。
悠翔学園初等部にはミキと同い歳の葛葉くんの子供がいて、ミキはその子たちと友達になり、花京院家に遊びに行った事もあったのだ。
確かに理事長一家である花京院家の子供たちは悠翔学園で王子様やお姫様扱いされてるけど、まさかミキもお姫様扱いされたいと思っていたなんて……。
「パパ大っ嫌い!パパさえ居なかったら、わたしは最初から花京院光希だったのに!私の時間返してよ!」
ミキは半泣きになりながら叫んだけど、僕だって泣きたくなった。
愛娘に大嫌いと言われて、今までの時間まで全部否定されるなんて……。
こんなの……あんまりだ……。
「大丈夫よミキ。今からママがパパと離婚して、恭一さんと再婚するから。そうすればあなたは花京院光希になれるわ」
「ほんと!?」
「ええ。本当よ」
ランさんがミキをあやしながら言うけど、黙って送り出す訳には行かない。
「待ってくれ!僕は離婚しないし、離婚したとしてもミキの親権は諦めないから!」
「そんな事したら、私は宗方家の事情を全部マスコミに流した上で裁判に持ち込むわ。そうなれば夫婦関係は絶対に続けられなくなるし、お互い仕事も失うでしょうね」
「っ………」
ここで食い下がって本当に裁判まで行ったら夫婦関係は破綻するし、そうなるとランさんを引き止めたい僕としては本末転倒だ。
仕事だって失ってしまったらミキを養えないし、血縁の事までバラされたら親権を奪われる可能性も高い。
でも、穏便にランさんとミキを繋ぎ止められるものが、僕には無い……。
「大人しく離婚してくれるなら、私の浮気が理由という事にして慰謝料も払ってあげる。勿論内々に済ませるから、お互いの世間体が傷付くのも最低限で済むわ。だからお互いの為に、ミキの為にも、離婚して頂戴?」
「………」
僕は離婚を迫って来るランさんから目を逸らして、縋るようにミキの方を向いた。
「……ミキは、僕よりも、花京院恭一の方がいいのか?」
「うん!恭一おじさんは、パパよりもずっとお金持ちだし、遊んでくれるし、カッコイイもん!」
「…………」
僕は目の前が真っ暗になった。
資産家に婿入りした葛葉くん相手に財産で負けるのは仕方ないけど、それでも頑張って稼いでミキに貧しい思いは一度もさせなかったのに。
後、僕だっていくらでもミキと遊んであげたかったのに仕事が忙しくて、比較的余裕があったランさんがミキを友達と遊べるように花京院家に連れて行った時に、仕事の無い葛葉くんが自分の子供のついてにミキを相手してあげただけだろうに。
最後に、アイドルやってた分容姿だけは何よりも自信があったのに、他でもない娘から葛葉くんに劣ると言われたのが一番ショックだった。
「私も恭一おじさんみたいに銀髪になりたかったなー。花京院さんちの子たちには、金とか銀とか赤とか色んな髪色の子がいたのに、どうして私は黒なんだろう」
ミキ、他はともかく葛葉くんの髪は銀じゃなくて加齢とストレスで色が抜けた白髪なんだ……。
なんて、突っ込む気力も湧かなかった。
………
………
その後の事はよく覚えてない。
まともなメンタルでいられなかった僕は、ミキの為だという言葉に流されるまま財産分与調整と役所手続きを経てランさんと離婚した……と思う。
他でもないランさん本人が弁護士だったので、離婚までの話し合いでは一切歯が立たなかった。
それから仕事は休んだ。
今までは家族の為にと頑張ったのに、離婚した後では何のモチベーションも湧かず、仕事に対する責任とかもどうでもよくなってたのだ。
貯金を削り、酒に縋って何もかも忘れながら生きているだけの毎日ばかり送った。
不幸か幸いか、財産分与の時に慰謝料としてこちらに多めに財産を分けた事もあって、そんな生活をしても心配にならないくらいお金だけは沢山あった。
そんなある日。
家にミキからの手紙が届いたのに気付いた。
今時、実物の手紙なんて珍しいけど、その分ミキの気持ちが籠ってる気がして一気に酔いが冷めた。
もしかすると、花京院家での暮らしが思ってたのと違ったり、花京院家でイジメられたりして、今からでも僕の所に戻りたいって内容かも知れない。
そう期待して手紙を開封するとー
『宗方三明さんへ。
花京院光希です。元気でしたか?私は元気です。
ママが宗方三明さんとリコンした後、私は無事に花京院恭一さんの娘になれました。
もう宗方三明さんを父と呼ぶ事はないです。
花京院家はとても楽しいです。
ご飯もおやつも美味しくて、宗方三明さんに買ってもらえなかったおもちゃやゲームもたくさんあって、トモダチだった子たちとも兄弟や姉妹になり、他にも兄も姉も弟も妹もたくさんふえて、いっしょにあそんでくれます。
アリアママとかケイコママなど、新しいママたちもみんなやさしいです。
大きくなったら、恭一パパとけっこんしたいです。
やっぱり生まれた時から、ずっと花京院さんちの子でいたかったのに、あなたのせいで時間をムダにしました。
だから宗方三明さんの事は大きらいですけど、もうカオも見たくないので、二度と話かけないでくれればそれで十分です。
花京院光希より』
………
………
「ふ、ふふふ、ふははははは、はーはははははははははははははは!!!!!!!」
もう、何もかも、本気でどうでもいい。
僕は今まで生き恥を晒してただけだったんだ。
「……うわあああああああああ!!!!!!」
【Side.花京院アリア】
「アリアさん。予定通り宗方くんと離婚して来たわ。これで恭一くんと結婚させて貰えるわよね?」
屋敷に迎え入れた宗方……いえ、国光ランさんが私と対面して早々確かめて来ました。
彼女の後ろには、娘のミキさんがランさんのスカートの裾を掴んで遠慮がちに立っています。
「ええ勿論です。ようこそ、花京院家に」
正直、嫌な気持ちが無い訳ではありませんが、今まで弁護士として助力してくれて、これからも頼る事が多いでしょうから、受け入れてもいいでしょう。
何よりも弁護士にまでなった勝ち組のランさんが、あの
言わばランさんとミキさんは、恭一さんが
恭一さんの正妻たる私が、夫の戦利品を無碍に扱う訳には参りません。
「では予定を調整して、身内だけになりますが結婚式と役所手続きの後、ランさんと恭一さん二人だけの新婚旅行の予定を組みましょう」
「!ええ、お願いするわ」
ランさんは恭一さんとの甘い新婚を夢想したのか虚空を見つめます。
楽しみですか?私も楽しみですよ?
特に夜のお二人とかね。ふふふ。
「ミキさんも、今日から私の事もママと呼んでいいですよ?お菓子とジュースがありますが、食べますか?」
私はミキさんの方を向いて、テーブルに乗せてあるお菓子とジュースを勧めました。
「えっと、はい」
ミキさんは遠慮しながらクッキーに手を付けます。
今までに何度かウチの子供たちと遊びに来たりしてましたので、ミキさんと顔を合わせるのは初めましてではありません。
でも今日は遊びに来たのでは無く、私の機嫌一つで再婚の話が無かった物になるかも知れないからミキさんも緊張しているのでしょう。
「!おいしい!」
「でしょう?全部食べていいですよ。今日は家族になった記念日ですから」
「ありがとうございます!アリアママ!」
ミキさんはすっかりクッキーの味に魅了され、次々とクッキーを口に入れて行きます。
子供をあっという間に虜にするとは、さすがユカさんを始めてとした我が花京院家料理担当の人たちが今日の為特別に気合を入れて作ったお菓子ですね。
それにお菓子を頬張るミキさんも大変可愛らしくて結構です。
恭一さんの血を継いでいるなら私の娘でもありますからね。可愛く見えるのも当然ですが。
何度も恭一さんをランさんとのデートに送りだしても、恭一さんが避妊だけは徹底してたので、こっそり恭一さんの精液を採取し、ランさんに渡して人工授精を手伝った甲斐がありました。
まあ、世間体を考えるとミキさんは戸籍上では再婚した時の連れ子の養子になるでしょうが、些事ですね。
ミキさんにはこのまま将来までずっと恭一さんのために役立っていただきましょう。
目下のところ、
一か月ほど、我が花京院家の娘として暮らすのがどれだけいいのかを沢山知っていただいて、その感想を
ふふふふ……、色々と楽しみが増えましたね……?
余談ですが。
後日、発狂した
何でも逮捕されるまで警官に「殺せ!いっそ殺せ!」など叫んだのもあって心神喪失状態と判断されたとか。
心神喪失の原因は妻の浮気と離婚、娘の親権喪失によるショックだと推察された模様です。
元人気アイドルにして現役芸能人である
これであの男が社会に復帰するのは不可能でしょう。
恭一さんの
ああ、ミキさんに送らせた手紙ですが、花京院家に不利な証拠になる可能性がありましたので警察に発見されるより前に、私の手の者に回収させていただきました。
これで
中々楽しませてくださってありがとうございました、
――――――――――――――――――――
という事で、宗方三明の最期でした
時間帯が大分未来まで進んでて、未来での恭一やアリアを取り巻く状況については、現状本当になる可能性が高い仮エピローグを基準に書きました
この話、実はアイデアが無かった所に家族が見てたドラマから着想を得たので書いたものだったりします。どんな題目のドラマだったのかは分かりませんが()
さて、これが最後でいいのかとも思いながら、これにて本当に本作の更新は一区切りになります
この後は、裏でこつこつと新作の長編を書き溜めたり、気分転換に短編を書いたり、本作の一章や三章の手直しや第二部の構想に取り掛かったります
では今までお読みいただきありがとうございました<(_ _)>
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