第13話【裏・頭脳と権力が合わせて】
【Side.イチゴ】
ツインテおっぱいの斎藤さんがイジメられて数日。
そろそろ頃合いだと思い、部屋でだらだらしてる途中に話を切り出した。
「ねえ、きょーくん。ちょっとお願いがあるんだけど」
「何だ?」
「斎藤さんがね、イジメられてるみたいなの。だから気にかけてあげて?」
「えっ、斎藤さんって、もしかしてユカちゃんの事ですか?イジメられてるんですか?」
同じ部屋で勉強していた妹分のリナちゃんがびっくりして聞いて来た。
ああ、そういえばリナちゃんは斎藤さんとも幼馴染だったっけ。
「心配しなくてもいいよ、きょーくんが何とかするから」
そう言ってリナちゃんを安心させると、きょーくんが立ち上がった。
「イチゴ、ちょっと向こうの部屋で話そう」
向こうの部屋とはつまりきょーくんの部屋の事。ここは私の部屋だからね。
私は大人しくきょーくんについて行ってきょーくんの部屋に移動した。
「なあイチゴ。斎藤さんの事、アリアさんみたいにイチゴが絡んでいたりするのか?」
きょーくんが疑念の籠った目で聞いて来た。
まあ、きょーくんも馬鹿じゃないから学習するよね。
「そうだよ。あまり詳しくは言えないけど」
「何の為に?正直に言って女性の相手はイチゴとアリアさんだけで手一杯だからそういうのは勘弁して欲しいんだけど」
「それもあるけどねー、実はある相手への仕返しでもあるんだ」
流石にこのままきょーくんを騙しながら動かすのは厳しそうだから、計画を一部教えよう。
「仕返し?誰への?」
「長岡……なんだっけ、……………………ああそうそう。ユウジだった」
何とか長岡何某の名前を思い出した。
わざと覚えてなかったのよね、嫌いな奴だし。
「長岡に?何で?」
「実はね。アリアちゃんだけじゃなくてあいつ、私にもちょっかい掛けて来てるの」
「は?」
「一人で帰る時に絡んできて、きょーくんに気を付けて距離を置け、とか言われてさー。その癖あいつ、ハーレム作るつもりみたいで、何か上から目線で私も入れてあげる~みたいな事態度に出てるんだよねー」
きょーくんの目の色が変わった。
私が色目使われたと聞いて怒ったのかな?
アリアちゃんの時はスルーしたのに私の時は怒ってくれる所、一途に好かれてるって分かって胸がきゅんとなるね。
「それで、斎藤さんにまで手を出してどんな仕返しをしようとしたんだ?」
「きょーくんには、あいつの周りの女を全部奪って欲しいの」
「………」
あっ、きょーくんの顔が苦くなった。
まだこのやり方は嫌なのかな?
彼女公認で女の子と遊べるんだから喜べばいいのに。
「きょーくん。これにはね?他の理由もあるの」
「他の理由って何だ?」
「きょーくんってアリアちゃん相手じゃ起たなかったでしょ?それがどんな理由や条件でそうなのか、他の子を相手にした時のデータが欲しいの。もしかしてこのままじゃ私にも起たないかもと心配になるから」
これは割と本当。
本能レベルで私にだけ操立ててくれてると思いたいけど、楽観視は出来ないからね。
私が心配してるって言ったからか、きょーくんは真剣な顔で悩んだ。
「……少し、考えさせてくれ」
即断してくれないのか。まあ真面目なきょーくんはそうするよね。
「分かった。でも斎藤さんの事は助けてあげて?あと私の心配も覚えて欲しいの」
その言葉を最後に、きょーくんとキスを交わして私の部屋に戻った。
戻ると、リナちゃんが顔を真っ赤にして参考書に齧り付いていたけど、もしかしてキスしてる所を盗み見してたのかな?
いいけどね、そのまま性癖を育ててくれれば。
きょーくんは奪うかどうかはともかくとして、取りあえず斎藤さんをイジメから助けた。
中学の頃の伊藤さんとか、きょーくんはイジメられてる子を助けた経験が多いので、イジメから助けるのはお手の物なのだ。
まあ、初期は私が入れ知恵してたけどね。
今回だって私が裏でこっそり吉田さんを動かして、イジメ主犯の子たちにアリアちゃんの名前を出してイジメを止める様に脅してサポートしたのもあるけど。
助けられた斎藤さんは、どういう心境の変化なのかお礼と言ってきょーくんの部屋に行くと、明らかに誘い受けな事を言った。
きょーくんは断ったけど。
断ったのは残念だけど、私としてもここまで早く落ちるとは思わなかった。
それにきょーくんの部屋に来られたら隣の部屋に私とリナちゃんもいるって知られそうだったし、芋づる式に私ときょーくんが幼馴染とか付き合ってる事とかもバレたかも知れない。
そういうのはまだ隠していたかったので、断ってくれて助かった。
多分だけど、斎藤さんは幼馴染の長岡相手に失恋したヤケでの自傷的な意味で誘ったのかな。
でも失望したよ斎藤さん。
幼馴染が他の子とくっついたからってすぐ諦めるなんて。
私だったらきょーくんを寝取らせじゃなくて本気で奪われても絶対に取り返すんだけど。
たったの一回逃がしただけで諦めるとか、君の幼馴染に対する愛情はその程度?
まあ
それから中間テストが近付いて来て、斎藤さんがきょーくんに勉強を教えて貰い、それが段々エスカレートして部屋にまで誘った。
きょーくんが斎藤さんの部屋に行く前に、
『今日は斎藤さんの部屋に行く。勉強しに行くんだけど、もしかしたらもしかするかも』
とメッセが来たので、
『全然オッケーだよ!GO!』
と返してあげた。
そして盗聴アプリできょーくんの様子を聞いてたら、部屋で斎藤さんが長岡何某絡みの何かを見たのか、きょーくんに泣きついてそのまま致す事に。
しかも驚くべき事に、きょーくんのアレがちゃんと起って最後まで出来た!
やったー!
一旦保留して私に相談するかもと思ってたけど、事前に色々言っておいた甲斐があってか、その場で即断してくれた!
これが音声だけで、動画で無いのが悔やまれる。
まあ音声だけでも十分オカズになるからいいか、映像は次の機会で。
でもきょーくん、なんでアリアちゃんには起たないんだろう?
見た目が好みじゃなかったとか……はなさそう。
漫画やドラマを見る時、普通に可愛くて綺麗な子を好んでたし。
もしかしてきょーくんの好感度の問題かな?
アリアちゃんの場合は私を人質に取って脅した前科もあって好感度低いから。
斎藤さんの場合は、きょーくんは幼馴染の私と付き合えてるのに、斎藤さんは幼馴染相手に失恋したからその同情で割と好感度が高そう。
でも、もしこの仮定が本当なら、……ええー
仮にも付き合ってるのにアリアちゃんの好感度ヤバ過ぎない?
なんかこっちが心配になって来るんですけど。
てか、これアリアちゃんになんて説明すればいいの?
………
まいっか、後回しで。
他のケースも見てから考えよう。
ともかく、あの後斎藤さんは明らかにきょーくんを今まで以上に意識してるし、ほぼ奪ったと見ていいだろう。
なら次のターゲットは森さん。
彼女を最後に長岡何某のハーレムが完膚なきまでに破壊される。
てか、森さん一人残った視点で、もうハーレムでもないんだけど(笑)
まずは長岡何某と森さんの物理的な距離を空けさせて亀裂を入れる隙を作らないと。
チャンスは……中間テストかな。
私はいつもの空き教室でアリアちゃんと密会し、これまでの経過とこれからの作戦を相談した。
きょーくんが斎藤さんと致した事を聞いた時の悲痛な顔とか、その時の音声を聴かせたら食い入るように聴きながらスカートの下に手を伸ばしかけた時とか、見ていて面白かった。
「……こほん。それで、次はどうするのですか?」
アリアちゃんはオナニー未遂を誤魔化す様に咳払いした。
「次の中間テストだけどね。森さんの数学の成績を少し弄って赤点にして欲しいの」
「……あなた、この前のイジメ幇助といい、やる事に遠慮がないですね」
あらら、呆れた目で見られちゃった。
アリアちゃんだって、私を人質に取ってきょーくんを脅して付き合ってるくせにねー
「大丈夫だよ。森さん、元々数学の成績が悪くて赤点ギリギリだから、ちょっとくらい弄ってもケアレスミスだって思われるって。弄るまでもなく赤点になるなら手を汚さなくて済むけど」
「はぁ……。それで、彼女を赤点にしてどうするんです?」
「重要なのは森さんが補習とか追試に追われて長岡何某と離れる時間が出来る事だよ。そうして出来た隙に色々とね……」
笑いながら色んな悪巧みをアリアちゃんに説明する。
アリアちゃんは呆れた顔をしながらも、興味はあったのか最後まで私の話を聞いた。
くきき。
私の
首洗って待ってろ、長岡何某……
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連載が長くなりサブタイがあった方が入りやすいと思ったので、サブタイを付け始めました
一章、二章などもボチボチ付けて行きます
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