洗脳された「人」

怜紺

洗脳された「人」

   2121年。全世界に激震が走った


 僕は 山西 結城。子供のころに目に接着剤をつけて目が見えなくなった。だから、他の子よりも、頭が良くなかった。1+1に、「わん!」と自信満々に答える位だ。しばらく言葉も覚えれなかった。だけど、十年も経ってもう、四年生。他のみんなは声が低くなっていた。「声変り」と言うらしい。友達もたくさんできたし、充実した日々を送っている。


 そんなある日。僕が何かに招待された。そこはなにかおっきい場所で、人がいっぱいいる感じがした。いろんな匂いが混じっている。タバコ臭いし、飲食禁止とか誰かが叫んでいたのにハンバーガーの匂いもする。そして、その大勢の人の前で、なにか喋ってみろと言われた。なんでだろ?。まぁいいや。あれ?いつの間にか僕の番が来たようだ。ここで喋ればいいのかな?よしっ。歩いていくと、自然に背筋が凍った。視線を大量に感じる。その中で、僕は、一人でしりとりしてみた。まず「りんご」と言ってみた。その時、その人たちがざわざわと騒めきだした。「えっ…」と何回も聞こえる。そして「ご…ごま、ま、マンゴー…」と喋っていった。緊張していたが、喋れた。


 僕はその後、何かの賞をもらったようだ。賞状ももらったみたいだ。


 そして、13年目。接着剤がやっと取れた。目の中に色と光が入っていく。初めて自分の姿を鏡で見た。そこには、謎の生物と僕が映っていた。僕は茶色くて四足歩行で…あれ?習ったことと違うぞ?人って二足歩行で…その瞬間僕の頭に鉄のような固いものが通った。


  2121年。全世界に激震が走った。

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