三十四 炸裂!! シン・でんきぃぃぃぃあんまぁぁぁ~?
虹色に輝いたチーちゃんの足が、ニュニュニュニューンという効果音とともに、巨大化し、普通の人間と同じような大きさになって、町中一の股間にジャストフィットする。
「くえた~でんきぃぃぃぃあんまぁぁぁ~ですとらくしょんんん~」
チーちゃんが、その声どこから出しているの? と、思わず、こんな状況なのに、キョトンとして、聞きたくなってしまう程に、低くて、迫力のある、格好良い声で言うと、巨大化したチーちゃんの足が、激しく、肉眼では、最早、止まっているようにしか見えない速度で、振動を開始した。
「ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ」
「いいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい」
「うううううううううううううううううううううううううううううううううううううううう」
町中一とスライム達は、今まで自分達に降りかかっていた快楽よりも、更に凄まじい快楽と、どうしてなのかは良く分からないけれど、心地良いと感じてしまう痛みと、なんだか、いけない事をしているという、背徳感のような物が、混ざり合っていて、不可思議な、バランスで融和していて、まったく不快ではない、それらの刺激に、心と体を、そう、敢えて、ここは、こう言わせてもらおう。そういう何かに、彼らは、犯されていた。と。
「なんなのよぉ~ん。これは、なんなのよぉ~ん。あの男も、二匹のスライムも、変な声出しちゃってるじゃないぃん」
ななさんが、お小水を我慢している時のような、モジモジとしているような、変な動きをしつつ言う。
「ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ」
「いいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい」
「うううううううううううううううううううううううううううううううううううううううう」
チーちゃんの足が振動をし続け、町中一と、二匹のスライムは、壊れた機械のように、妙な声を発し続ける。
「チーちゃん。もう、良いわぁん。このままだと、皆、おかしくなっちゃうわぁん」
ななさんが、チーちゃんの傍に行った。
「うるさい~?」
チーちゃんが、空いている方の足を、ななさんの、グリップの付け根の、人差し指を引っ掛ける所に当てると、その足を振動させる。
「あへあへあへあへあへあへあへあへあへあへあへあへあへあへあへあへあへあへあへあへあへ」
ななさんの声も加わり、町中一と、ななさんと、二匹のスライムは、四重奏を開始した。
どれほどの時間が、そのままの状態で、経過したのか。
それを知る者は、誰もいない。チーちゃんが厭きるまで、でんきぃぃぃぃあんまぁぁぁ~は続き、チーちゃんが厭きると、なんの前触れもなく、唐突に、スイッチが切られたかのように、それは、終わった。
「チーちゃん最強~?」
チーちゃんが、一仕事終えたような、爽やかな顔で言って、両手を上に向かって伸ばし、背中を反らして、大きく伸びをしてから、うがちゃんとこ行く~? と言い残して、飛び去って行く。
チーちゃんがいなくなった後には、地面に倒れ、情けないアへ顔を空に向かって晒しつつ、体をピクピクと痙攣させている町中一と、町中一のお腹の上で、町中一と同じように、痙攣しているななさんと、町中一の傍らで、二つに分かれ、半部溶けかかっている、スライム達が残されていた。
森の中を、木々の緑の優しい香りに満ちた、涼し気な風が、吹き抜ける。チーちゃんとうがちゃんが、何か、遊びを始めたのか、二人の楽しそうな、はしゃぐ声が、そんな風に乗って、森の木々の間を、渡って行く。
「夢? 夢を見ていたのか? でも、なんだったっけ? なんの夢を見ていたんだろう。……。あれ? 俺は、一体、ここで何を?」
町中一は、ブツブツと独り言ちつつ、上半身を起こした。
「あらぁん。あたくしったら、こんなとこでぇん」
ななさんが言い、何やら、気怠そうに動き、打面を町中一の方に向ける。
「ななさん? そこで、何を?」
「あんたんこそぉん。あたくしを、こんなとこに、乗せて、何おぉん?」
ななさんが、何やら恥ずかしがっているような雰囲気を漂わせて、ふいっと、打面を、町中一の顔から反らすように、横に向けた。
「え? 何その動き? 俺、ななさんに何かした?」
町中一は、言ってから、自身の股間に違和感を覚えて、自身の股間に目をやった。
「そ、そんなぁん。あたくしと、あんたんがぁ~ん?」
ななさんが、クルクルクルっと回ってから、パタリと倒れる。
「スラ恵。大丈夫?」
「お母さん。お母さんは?」
「大丈夫よ。それにしても、凄かったわね」
「うん。あのでんきぃぃぃぃあんまぁぁぁ~だっけ? 前よりも凄くなってた」
お母さんスライムと、スラ恵の会話が聞こえて来る。
「うんん? スライム?」
「これって、どういう事かしらぁん」
でんきぃぃぃぃあんまぁぁぁ~から、与えられていた、許容量を遥かに上回っていた快楽の所為で、混乱して、異常を来していた、脳髄が、スライム達の言葉を聞き、元の形に戻った姿を見た事を、切っ掛けにして、正常に戻り、町中一は、何が起きたのかをすべて思い出した。
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