女教師は俺にぞっこんです。~ダメダメな女教師の成長物語~

星乃秋穂(ほしのあきほ)

第一章 生徒を見つめちゃダメです

第女教師は俺にぞっこんです。~ダメダメな女教師の成長物語~

第一章生徒を見つめちゃダメです。(リメイク版)


「優菜先生。また、俺を見つめてそんなに好きなんですか」


上川優菜は、はっとした。またいつもの癖で山岡隼人を見つめていた。こんなに好みの顔でなければいいのに、いつも何時間でも見つめていたいほどの顔なのである。


「駄目ですよ。生徒に手を出しちゃ」


「わ、私は見つめてなんていないわよ。そんなわけないじゃない。授業に集中しなさいよ」


上川優菜(23歳)新卒教員。今年初めて教師になった。スポーツタイプの身体に髪の毛も長く、お嬢様である。メガネは大学の時にしていたが、コンタクトにした。

ジャニーズやkpopアイドルが大好き。だから、イケメンの生徒には弱いのである。

山岡隼人(18歳)背も高く、スポーツ万能、成績も学年トップ。家もお金持ちで顔も

俳優並みにカッコイイ。声もよく、すべてがパーフェクト。

授業が終わると、疲れた顔して戻る優菜先生だった。


「あー。またやってしまった。これで何度目だよ。私ったらダメ教師。」


「優菜先生。あなた教師でしょう。いい加減直しなさい」


隣の落ち着いた声で話しかけてくれる大先輩の片岡恵美先生。三十代前半の仲良し先生である。


「わかっています。でもあの顔は罪ですよ。まじでイケメン」


「まあ、気持ちはわかるけど生徒よ」


「だって、元カレよりずっとランク上です」


「罪な男」


そういっておやつの無限エビをくれる。ここ最近の大ヒットせんべいを食べていると落ち着く。


「はー。なんでジャニーズに入ってくれないの。心の底から応援してあげられるのに」


「うんうん。歌も上手いしダンスも上手いし」


そうなのだ、文化祭の時、オリジナル曲を弾き語りで披露し、2日目にはkpopダンスも

披露してくれたのだ。すでにファンクラブみたいなのも存在している。


「駄目な私・・・。いけないわ」


このまま生徒に手を出したら犯罪である。

優菜はパンパンと自分の顔を叩いた。正気を取り戻さなければ。

今日は、大学の時の友人と合コンである。そこでいい彼を見つければ価値である。自分もかなりの美人と思っている。絶対にお持ち帰りはされないように気をつければいい。


「私ったら可愛いですもの。そう簡単に惚れませんよ。いい男ゲット」


「はいはい。それくらい力を入れて授業してね」


上川優菜の決意だった。

上川優菜はおしゃれなドレスを着てお化粧もバッチリした。まるでお姫様である。今日は

大学の合コン。しかも一流大学である。ここで将来の旦那さん候補がみつければ、どんなに隼人がイケメンでも気にはしなくなる。はずだった・・。

何よ・・。このメンツみんな普通じゃない。顔がみんな平均だった。

もちろん、隼人の方が上である。その中でも一番いい顔した男性が話しかけてくれた。


「優菜さんは高校の先生だとか。どうですか?」


「え・・・。まあ普通に授業してます」


「普通ねえ」


これは、早く切り上げてジャニーズやkpopをパソコンで眺めていた方がいいみたい。

料理も美味しくお酒も美味しいのでパクパク、ごくごく・・。うーん。流石、一流レストラン。


「優菜さん。ここの料理は気に入りましたか?」


「ええとても」


「今夜よろしければ、もう少し私といませんか」


「ごめんなさい。これから授業の問題を作らなければ」


「えっ・・。こんなにお酒も飲んで」


「ええ」


ていのいい断りをしたが、難しかった。


「ちょっと、お化粧直しに」


ふらふらしながら、トイレに向かう。また、やってしまった飲み過ぎである。

あー。私無事に帰れるかな・・・。

ちょっと、トイレで休みもう一度席に戻る。


「大丈夫ですか。優菜さん」


「はい。もう帰ります」


「ホテルで休みませんか」


「大丈夫です」


その様子をうかがう一人の生徒がいた。そして、こちらに向かってきた。


「すみません。優菜のいとこです。ちょっと酔い過ぎたみたいなので俺が送っていきます」


「あれ?隼人?なんで?」


「俺も食事に来てた。お持ち帰りになってどうすんの」


「えー。隼人がいい」


思いっきり隼人に抱き着く優菜だった。

ダメじゃん。先生・・・。


「そういうわけで、ここの食事代は俺が払います。ここのオーナーの息子なので」


「えー。隼人君金持ち・・」


「もうすみません。迷惑かけて・・」


「いえいえ・・。」


男性はきょとんとした顔をして優菜と隼人の姿を見送った。


「もう、先生何してんの。帰るよ」


「どこに?」


「自分の家だよ」


「隼人君の家がいい」


「駄目に決まっているだろう」


「朝まで一緒にいたい」


「駄々こねるなー」


「ぐー」


すっかり隼人によりかかり、すべてをあずけてしまった。まさか優菜先生とこんなかたちで会うとは思わなかった。


「ダメ教師め・・」


その後仕方なく隼人の家にタクシーで送った。


優菜はぐっすり寝ていた。いつもより心地いいベッドである。布団もふかふか。


「うー。きもちいい・・・。ぐーむにゃむにゃ」


その瞬間、自分の家ではないと気がついて慌てて起きた。


「えっ・・。私なにしているの」


豪華な広い部屋に大きなベッド思わず自分の服を見るとピンクのシルクのパジャマ。

これはどういう事だろう。まさかのお持ち帰り!でも普通パジャマを着させてくれないよね。頭を抱えているとドアを叩く音がし、カチャと開いた。


「起きたか。ダメ教師」


「えっ・・。隼人君どうして」


「俺が、拾ってあげたんだよ。お持ち帰りされる前に」


よく記憶をたどっていく確か合コンでお酒に酔ってその時隼人君が現れたのである。


「先生帰れなかったから、俺の家に泊まらせてあげたんだ。パジャマはメイドに頼んだよ。触ってないから安心して」


「ありがとう」


「先生。美人なんだから気をつけてよ」


「はい・・」


「食事できる?。朝ごはん」


「いいの」


そういわれて、そこにある洋服着ていいからと丁寧にたたまれたブラウスとスカート何もかもそろっている。


「着替え終わったら、そこのスイッチ押して。呼び鈴になっているから」


そういうと隼人君は部屋から出て行った。助けてくれてありがたかった。部屋も豪華な作りでビックリした。着替え終わり呼び鈴を押す。するとメイドさんが来てくれてリビングルームに案内された。


「おーう。優菜先生きたか。もう食事の準備できてるから、食べていいよ」


テーブルには豪華な食事が並んでいる。ゆっくりと席に座る。


「俺、思ったわ。俺が先生をしつけてやるから、一緒に生活しよう」


「は?」


「俺好みの女にしてやるよ」


「でも、ばれたら」


「平気平気。それに豪邸だからそこらへんしっかりしている」


「えええ!」


「もう、ほかの男に触らせない」


そんな、突然の出来事に驚きを隠せない優菜であった。

「お前何してる?」


「えっ!」


優菜は借りた部屋に早速自宅から来た荷物に入っていた。ジャニーズやkpopのポスターを壁一面に貼り付けている。しかも天井にもだ。


「お前は馬鹿か!」


一気にビリビリにポスターを隼人は破いた。


「うおー。私の王子様達」


「王子は俺だけでいいだろう。毎日見れるんだから、しかも俺んちだぞここは」


「え!別物だよ。ぴえーん。しくしく」


「これも捨てる」


それは優菜が大切にしているジャニーズやkpopのDVDやら写真集。グッズである。


「そ、それだけは、ご勘弁を私の宝物です。隼人王子」


「まあ、これはよしておくか」


優菜が泣きついて隼人の足元で土下座をする。なんだろう、この光景。


「今日は優菜お前の料理を作ってもらおうか。日曜日だし」


「えっ!。私お料理しませんが」


「おい。お前いつも何喰ってんだ」


「レトルト食品や、お弁当。あとお惣菜」


「男が逃げていくだろう。胃袋掴めや」


「えー。私には先生という職業で忙しいのです」


「お前は、うちの学校の先生がホワイトなんだぞ。俺の財閥が経営している高校なんだから!。ちゃんと部活動もトレーナーを雇って先生にはいい授業をしてもらえるように、

休暇も取れやすい」


「えええ!。隼人君の財閥が経営してるの!」


そうなのだ、隼人君の財閥はいくつもの学校、企業、色々とやっている。教育とは一番の財産なのである。そのためにカウンセラーなど健康診断。育児休暇。介護取得。いろいろ先生方には配慮し、良い環境を作っている。


「お前にも、休暇はあったはずだ。何してた」


「ジャニーズのコンサートに行っていました」


「ほら、みろ」


「えー。でも私そんないい高校に就職できたと思ってなかった。何で就職できたんだろう」


「それは、顔だろう」


隼人の好きな顔だったので、こっそり隼人が履歴書に目を通して推薦してくれた。


「まあとにかく、今日は料理作るからな。」


「一人じゃ無理」


「そりゃ、無理だ。俺が指導してやる」


「えっ二人で料理」


「何喜んでいるの」


「新婚さんみたい」


「バカかお前」


食材は色々あるがとりあえず、カレーを作ることにした基本中の基本だ。これが作れなければ失格である。


「私、カレーの粉は、ゴールデンカレーなの」


「いいよ。俺も好きだし。ちゃんとあるよ」


材料をジャガイモなど切っていく流石である隼人君は簡単に剥いていく、優菜も頑張って剥くが危ない手つきである。


「そんな剥き方だと手を切るぞ」


「あた・・・」


やってしまった。小さく指を切ってしまった。


「バカ」


その瞬間に隼人は優菜の指の血をなめた。なんだろう・・。このときめき・・・。


「ご、ごめん。すぐ消毒とバンドエイド持ってくる。指、水道で洗って」


隼人は慌てた様子で救急箱をもって指の治療をしてくれた。


「優しいのね。隼人君」


「俺はもとから優しいの。ほら、終わったぞ」


料理作りを再開し何とかカレーができた。早速二人で食べる。


「どうかな。隼人君・・・」


「怪我したから、60点。味は80点」


「わーおー」


「言っとくけど、俺も作ってるんだからな。そこでプラスされているからな」


「はーい」


「今度の日曜日は一緒に料理作るからな」


「えー最高」


「修行させているんだから、勘違いするなよ」


楽しい修行である。これなら続けられそうだ。

「最近、優菜先生かわったよね。なんか美人になっていく、綺麗というか」


最近そのような言葉を生徒や先生たちに言われる。そりゃ、そうだろう好きな人と一緒に生活しているのだ。しかも豪邸、良い食事もされて良いものばかり用意される。化粧品、洋服すべて隼人が手配してくれる。この間はフランスのシャンプーをしたらとてもいい香りがしますねと言われたのである。

イケメンで頭もよく、財産もあるすべてはそろっている。甘い声で「起きろよ先生」と言われたときはすべて知ってほしいと思った。


「はーあ…私ッて幸せ者よね」


「何かあった。優菜先生」


「いいえ何もないですよ」


「最近好きな人でもできた」


「好きっていうか・・・。もう王子様が・・・」


「ああ・・。またか」


周りの生徒も先生もきっと男ができたと思っている。まさか、一緒に生活しているのが生徒だとは思わないだろう。


「罪な女ね‥。私ッて・・・」


もう、また妄想の世界に行ってしまう。途中の駅まで行ってお迎えの車に乗せてくれる。隼人の家に入って、自分の部屋で着替えて隼人を探す。


「隼人君はどこにいるの?」


「隼人様はプールでございます」


「部活?」


「いえ、ご自宅のプールです」


「ええ!ここってプールもあるの」


メイドに案内されてプールに行くそこに隼人はクロールで美しい泳ぎ方をしている。


「隼人君」


「優菜先生か、今そっち行くよ」


こっちにプールから出て歩いてくる。腹筋が割れて身体が整っている美しい。まるでモデルのようだ。


「優菜先生。何俺の身体みつめているの。」


「いや、綺麗すぎて」


「エロ教師」


「違うわよ」


「触りたい?」


そういって優菜の手を取り胸を触らせた。優菜はドキドキが止まらない。やばい・・。


「先生は生徒に手を出してはいけないんだよ。優菜先生」


「わ、わかっているわよ。隼人君が触らせたんじゃない。もうー」


「どきどきした?」


「やばいくらいしてるわよ。」


「いつか、お返しに先生の胸触らせてね」


「何よ。エロ男子」


「お互い様でしょう」


本当に隼人にはドキドキさせられてしまう。心臓がいくつあっても足りない。

「優菜先生。少し太った?」


「えっ!」


一緒に隼人君と食事をしている時だった。確かにここの食事は美味しいのだ。だからおかわりをしてしまう。ついでに幸せ太りだ。


「うーん・・。先生俺に任せて素晴らしいプロポーションにしてやる」


「ダイエットしないといけないのね」


「違う。素晴らしい筋肉を鍛えて美化する。もともと先生はいい身体しているから平気」


と、いうわけで朝からジョギングとトレーニングを始めることになった。優菜はもとからスポーツが好きであるから隼人と朝から走れるとは思ってもみなかった。

簡単に公園を一周するところから始まった。


「どう、先生楽しい?」


「うん、なんかすっきりする。身体も鍛えて最高」


一緒にトレーニングもしてくれる隼人君は凄いと思った。食事を減らすのではなく体力をつける流石スポーツマンである。すると、学校の生徒にたまたま遭遇した。


「あれ、隼人先輩と優菜先生。ジョギングですか」


「うん。身体鍛えようと思って」


「いいですね。健康に、じゃあ・・」


二人の生徒はくすくす笑いながら走っていったが「生徒にこびうっている先生ってキツイ。

若くないくせに年下狙いかよ。女子力ないよ。料理とかダメそう」

と小さく笑いながら聞こえてきた。


「気にするなよ。あいつらアホだから、羨ましいだけだから」


「なんなのあいつら・・・。」


「俺、あいつら嫌い。毎年勝手に住所調べてチョコ送ってくるの。いつも捨ててる」


しばらくして「ん?」というとそうだと言った。


「優菜先生。バレンタインデーにチョコレートケーキ作ってよ」


「えっ!」


「俺にちゃんと好きな気持ちを伝えてよ」


「私が隼人君に」


「そう、俺好みにしてあげるって約束したけど。恋人じゃないし」


一緒に住んでいて好きじゃないのか!でもいつも隼人君目線だ。


「先生から美味しいチョコレートケーキくれるなら恋人になってあげる」


「でも私、料理下手だし」


「そこだよ。下手なことを克服して愛を伝えるって大事なことだよ」


「そう?」


「ちゃんと練習して、失敗したら捨てていいし、完璧を出して。それからちゃんと食べたらトレーニングを忘れなければいいよ」


「わかった。私、いい女になる」


そこから、優菜先生が本気モードで走っていった。

それからというもの、優菜先生のチョコレートケーキの研究が凄かった。もともと頭がいいのでお菓子の本をたくさん買ってきてあれこれ調べるのだ。あと、太らないため一口だけ食べて捨てる。この潔さは凄い、デザインにもこだわる。

本当は隼人がケーキ作りの先生に頼んで教えてもらうつもりだったが、自分が決めたことには手抜きはしないようだ。イメージする絵も描く。


「うーん・・・。この凄い姿を見ればほかの生徒も驚くぞ」


「本当ですね。隼人様」


メイドさんも驚きを隠せない。やればできる子なんです。

2月まではあとわずか、自分も受験勉強をして最近では一緒にトレーニングできない。


「お互い頑張ろうな」


風呂上がりに覗くと、なんかブツブツ言っている。うーん・・。人は真剣になると人の気配も感じない。


「あっ隼人君。受験勉強頑張って」


「頑張るよ。一流大学に受かるつもりだからね。」


「将来の旦那さんのためなら私も頑張る」


うん。まだ、彼氏になってないよ。先生・・・。

一月に大学入試があり難関大学を目指す。もう必死だった。

優菜は一切、ジャニーズもkpopの話もしない。時間だけが経過する。

隼人は大学受験にいった。これで、将来が変わる。御曹司ではなく自分の力で将来を決める。そして入試の合格発表が2月14日である。見事に合格した。

そして、2月14日のバレンタインの日がやって来た。

先生は果たして美味しいケーキはできたのだろうか。隼人が学校から帰ってくると沢山のチョコが送られてきた。


「あー。俺好きな人しか欲しくねー」


「隼人君。おつかれ」


「ああ先生。あれ?学校休んだの」


「すべてはこの日のためですよ」


どよん。とした顔だった。何故だ。まさか、ケーキ失敗か


「先生なんて顔してるの。」


「まさかすべてが高級チョコって聞いていないのですが」


「ああ・・・。毎年恒例です」


「私は、ポッキーが好き」


いいんじゃないですか。美味しいお菓子ですよ。とても・・・。


「私のケーキなんて、勝てるはずないじゃない」


いや、勝ち負けではなく努力しろといったつもりだった。ベストを尽くせと。


「とにかく、先生のチョコレートケーキ食べさせてよ。作ったんでしょう」


「はい・・・」


先生は作ったケーキを見せてくれた。素晴らしい美しいケーキです。


「おお!うまそうじゃん」


「お口に合うかどうかは、わかりませんが・・・」


パクっと一口食べた。最高に美味しかった。こんなに美味しいケーキを食べたのは久しぶりである。


「最高200点あげよう。」


「本当!」


「花丸です。先生」


「わあーい。やりましたよ。胃袋ゲット」


いや、ケーキだけで胃袋はつかめませんけどね。


「先生、俺に言うんじゃない。一言・・」


「えーと?何が?」


「告白でしょう。もちろん」


「えー。」


「えーじゃない。ちゃんと言えって」


「付き合ってください」


「それから?」


「愛しています。大好きです」


「よし、大学したから付き合ってあげるよ」


目をキラキラさせながら頷く優菜先生だった。

お互い花を咲かせたのだった。


桜並木を二人で歩いていた。生徒から先生の関係からついに恋人になったのだ。


「あー。嬉しいこれで隼人君は正式に恋人ね」


「そうだね。卒業式も終わったし」


「ねえ、隼人君の目標は何?」


「勉強して起業したい。社長かな?で、先生は何がしたいの?」


「うーん・・・。」


優菜は考えて、ぽんと手を叩いた。


「来年のバレンタインデーで300点とれるようなチョコレートケーキ作りたい」


うーん・・。料理がうまくなりたいではないのね。先生もうちょっと頑張ろうよ。


「先生。料理もね」


「はーい」


桜吹雪が舞った、お互い花弁が服に着く、すると隼人は先生の髪の毛を払ってあげる。


「ほら、先生」


「ありがとう」


ふとした瞬間に、そっと優菜の唇を隼人君が奪った。


「俺たちまだ、キスしてなかったから」


「ずるい!」


「ああ、先生。これからは優菜って呼ぶからね」


「いいわよ。」


グイっと隼人をかがませ、今度は優菜が隼人にキスした。


「一杯、愛してね」


「もちろん」


二人の影が重なりと下に落ちた花弁が舞う。              


                               おわり


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