【本編完結】咲き終わった世界で。

冥沈導

本編

第1章 世界の終わりはあなたと

第1花 絶望の狭間(※不快な描写あり)

 絶望は、刹那で消滅した。



 ⁂⁂⁂⁂



「…………」


 少女は仰向けで、畳の上で横たわっていた。

 黒い瞳からは、生気は感じられない。

 今日も淡々と、事務的に“行為”を済ましたからだ。


 幼い頃、両親を病気で亡くした少女は、親戚をたらい回しにされた。親戚の男共は、肉親がいない事をいいことに、彼女を性の捌け口としていた。


 幸い、挿入は必死の抵抗で防いだが、その分、少女は乱暴に扱われた。


 だから、彼女は気持ちを伝える事を、叫ぶ事を諦めた。


 そんな時はいつも、あるものが見えていた。

 縁側の向こう、塀の上から出ている、が。

 その男はいつも、洒落た白いハットを被り、少女を見ていた。

 少女もそちらを向き、目が合うと、男はいつも嬉しそうに目を細めた。





 そして、今日も男は塀の向こうに来ていた。死んだように寝ている少女を、じっと見ている。


 そんな時、は、落ちてきた。 



 — — — —



 あとがき。


 ホラー好きで、怪異好きの方は、もう何の話かわかったというか、サブタイトルでわかっただろうなー。


 色々と、初挑戦のお話であります。


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