第6話
ぽわ〜〜ん
ここは・・・?
白い部屋・・・?
目の前には階段があり、アオさんが座っている。こちらをじっと見つめている。背景は真っ白。窓から光が差しこんでいるのか、部屋は明るくて良い匂いがする。
なんだろう、ここは。
すごく居心地が良いな。
アオさんの目、すごく綺麗だなー。彼の一重の目は澄んでいて、見つめていると心が洗われていくような気持ちになる。
目も、髪も、眉毛も、鼻も、口も、顎の形も、耳の形も、全てが。頭の上から爪の先まで、私のタイプ。きっと。一目惚れだった。
幸せ。
ぽわ〜〜ん
はっ
夢か、、、
良い夢見たなっ
きゃー!!!(布団にくるまる)
「ゴミの種類は主に4つあり、最終的に埋立処分場に行きます。皆さん、この前見学に行きましたね。処分されないものはリサイクルされます。」
授業中。
あー、アオさんと同じ学部だったらな。アオさんが授業を受けてる姿を想像してみる。真面目な顔をした横顔を。あー、、、絵になるなあ。エモい。授業中アオさんのこと見られたら授業も楽しいのにな。
「あお」
プリントに名前をかいてみる。
きゃーーー!!!
なんて素敵な名前。世界で一番素敵な名前だわ。
ついでにアオさんの似顔絵も描いてみる。
はあ、、、かわいい。
「何してるの?」あ、サエちゃん。「これ、アオさん。」アオさんの似顔絵を見せると、サエちゃんは何それー、といって笑った。
真面目なサエちゃんは、ちゃんとプリントに板書を写している。サエちゃんって、こんな気持ちになることないのかな。誰かの似顔絵を描いてみたくなったり。
無さそー、、、
あ、今日部会だ。
アオさん来るよね。
ドキ
ドキ
ドキ、、、
私はほとんどアオさんに会うためだけに、サークルに参加していた。
「サエちゃん、部会行く?」
「うーん、私は行かないかなあ。今日レポートまとめるので忙しいし。」
「そっか。」
「失礼しまーす・・・。」
部会は、部室にサークルのメンバーが集まって行われる。狭い部室に数十人が集まっているのでギュウギュウだ。
あ、アオさんだ。
2年の先輩達の中に、アオさんがいるのが見えた。
髪の毛がピカピカ光っている。
部長が何やら、説明している。部会にきても、アオさんと喋れないなー。。喋るどころか近づけない。アオさんには独特なオーラがある。
部長が「部費あつめまーす。1人500円ね。」と言った。
じゃ、次一年。
私はお金を持って、立ち上がった。列に並んで順番に払っていく。
アオさんが座っているすぐ隣を。
通り過ぎた。
「じゃ、部会終わりまーす。」
みんな立ち上がったり、おしゃべりをし始めた。
アオさんとは喋れない。アオさんに会えるだけで嬉しいけど。毎週火曜はアオさんに会える。アオさんを見れる。
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