第5話

「やべっもう閉店じゃん。」

「何時?」

「6時」

「やばいやばい。みんなー。外出てー。」

「アオは?」

「ドアのところに寝てる。」

「なんで?笑」

「おーい、起きろー。」


私たちは店の外に出た。

外はほのかに明るくなっている。

すうぅー・・・

私は朝の空気を吸い込んだ。


「送っていくよ。」

先輩に声をかけられた。

「あ、ありごとうございます。」

「帰り道こっち?」

「はい。」

「名前はなんていうの。」

「オトです。」

「俺は四年のユウだよ。よろしくね。」

「ユウさん・・・。」


遠くに一人、誰もいない商店街を歩くアオさんの背中が見えた。

アオさんって女子と帰ったりしないんだなー・・・。


「なんかいるものある?」

ユウさんがコンビニを指さして言った。

「え、買ってくれるんですか。」

「うん、いいよー。」


「わーい。」

「じゃあ、これ。」

私は冷たいスイーツコーナーにあるマカロンを指さした。

「はーい。」

「ほんとに買ってくれるんですか?」

「うん、良いよ。」

「やったー!」


ユウさん、優しいな~。

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