第3話

「新歓コンパ行くー?」

と友達のサエちゃんが言った。

「新歓コンパかー、、。GAPの先輩、、」

「あー、GAPの先輩ね。あの人、なんか面白いよね。」

面白い、か。

GAPの先輩がいるなら、行きたい。

先輩に会えるなら。

先輩をもう一度見たい。

「行こうかな。」

「オトちゃんが行くなら、私も行こうかな。ご飯食べれるって言ってたし。」

「うん。」


「かんぱーい!」

新歓コンパは広い畳の居酒屋で行われた。低い机が6つ並んでおり、一年生から、最大8年生(不明)くらいまでの数十人が集まった。私の卓には先輩が6人、一年が2人いた。もう1人の一年生は男の子だ。なぜかサエちゃんとは離れてしまった。隣の卓にはアオさんがいる。アオさんの背中が見えた。


ごくり。


私は、はじめて焼酎というものを飲んだ。


うわっ、にがっ。


「このサークルは焼酎しか飲まないからさ。クセ強いけど。笑。続けてたらなれるよー。私なんてもう味とか感じないし。一年生は慣れてないから、水でもいいよー。今回はね。」

女の先輩は親切に(?)そういうと、タバコを吸った。

「そうなんですね。。」


思ったより、激しい感じのサークルだ。

アオ先輩がこんなに激しい感じのサークルに入ってるなんてちょっと意外だった。


「おい、カオリ、一年生に強要すんなよ。こわいよね、この先輩。笑」

「はー?強要してねーし。笑。この先輩のほうがこわいよね??」カオリ先輩とヒロ先輩。2人に、どっちの方がこわい?と聞かれた。

私は「どっちも、こわいです、、」と答えた。

「そうだよね!その通り!」「一年生面白いんだけど!」なぜか、私の回答がウケたようで、先輩たちがわっ、と笑った。

隣の卓のアオ先輩が、チラッとこちらを見て、また話に戻った。


アオ先輩、、


2時間程たった。みんな酔っ払ってきたのか、最初よりも自由な空気になってきた。卓を移動している人もいる。

隣に座っていた一年生の男の子が小声で「このサークル、やばいね」と言ってきた。私は「そうなの?」ときくと、「うん、ヤバイ。僕、他にも何個か新歓コンパ参加してるけど、このサークルが一番やばいもん。焼酎縛り、とかぶっ飛んでると思う。」新歓コンパに参加したことがなかった私は正直に、「そうなんだ。」と返事をした。男の子が「僕もう帰ろうかな。オトさんも、無理しない方が良いよ。」と言った。「あ、うん。ありがとう。」

遠くの卓にいる、サエちゃんを見た。サエちゃん正座をして先輩たちの話を聞いている。さすが真面目なサエちゃん。


男の子がカオリ先輩に「あとどんくらいで終わりますか。」ときいた。「うーん、あと30分くらいでお開きになると思うよー。」先輩はそういうと周りを見渡した。「何か予定ある?家遠いとか?」と先輩がきいた。「まあ、そんな感じです。はやく帰らなきゃいけなくて。。」「あ、りょうかーい。ちょっと、部長にきいてくるわ。」そういうと、先輩は立ち上がり、ぶちょー!!と言いながらどこかへ行った。男の子が私に「オトさんも帰りますか?」と聞いてきた。

私は。

アオ先輩の方を見ると、何やら他の先輩たちと楽しそうに話している。

「まだ帰らないかな。」「そっか。ほんと気をつけてね。じゃあ、またどこがで。」「あ、うん。」

男の子は女の先輩に見送られ(?)帰っていった。







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