第2話

[春]

はじめてアオ先輩に会ったのは、茶話会だった。

「しつれいしまーす...」

私と、友達のサエは部室に入った。

部室には、先輩や、一年生たちが数人いた。

私たちは先輩たちに促されるまま、座った。

3人いる先輩のうち、一番近くに座っていた女の先輩。その人が部活動について説明を始めた。隣にいる男の先輩も、たまに頷いている。

「アオ、新歓コンパって15日であってたっけ?」後ろに座っている影の薄い先輩。私は初めてその人を見た。今まで緊張してまともに先輩たちを見れなかったからだ。


この人。


(あ、だめだ。)


(好き。)


私は目の前の机に目を写した。

どうしよう、アオ先輩のこと見れない。。


アオ先輩は「あー、、うん。そうだった気がする。」と適当に返事をした。


ドキ

ドキ

ドキ・・・


緑色のGAPのパーカー。白い肌。卵みたいな肌。黒髪マッシュに近い髪型。髪はツヤツヤ光っている。


先輩たちは説明を続けていた。嫌だ、先輩のこと好きになりたくなんてなかったのに。ただ、軽い気持ちで茶話会に来ただけなのに。もうアオ先輩の顔も見れない。


その時、アオ先輩が立ち上がった。


「俺、ちょっと隣(の部室)行ってくるわ。」

「えー、なんで?」と女の先輩。

「すぐ戻る。」

「えー、ちょっと!」女の先輩は、むっとして言った。隣の男の先輩が「うーん、まあ、俺ら二人でも大丈夫でしょ!というかもうほとんど喋ることないし!」と言って、フォローした。

アオ先輩って不思議な感じする。

自由人なのかな、っと思った。








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