117話 裂けた太陽 7/9


―― ヨーミ ――


「――ええ、はい……そのようにお願いします」


 遠くから聞こえる女性の声で目を覚ました。周囲には白いカーテン。白いベッド。白い天井。


「……病院」

 

 のり子が気を失ってから、もう何も覚えていなかった。ずっと必死に叫び続けて運んで、誰かに見つけてもらってから体力の限界を迎えて倒れたところまでは憶えている。連日の睡眠不足と、のり子への仕打ちが堪えたらしい。服は血まみれだった私服から病院服へと着替えさせられていた。


「気がついたのね」


 ビジネススーツ姿の女性がカーテンを開けて入ってきた。看護師ではない。警察でもない。見知った顔だ。


「のり子の……お母さん」


 女性はこくりと頷いた。続いて会釈はできたものの、あーしは申し訳無さでまともに直視できずに目を逸らしてしまう。


「のり子は大丈夫よ。命に別状は無いわ。応急処置をして、輸血と麻酔を貰って眠ってるところ」

「本当ですか!? 無事なんですね!」


 その問いに、のり子のお母さんは答えなかった。悲しい表情を浮かべながら、目を逸らして俯いたままだ。

 ああ……なんてこった。この質問は完全に悪手だった。


「まだ面会謝絶よ」


 のり子は、ではないのだ。 

 もう、のり子はアイドルを目指せないと宣告されたようなものだった。現実に脳が追いつかなくて目眩がする。


「あ、あーし……あーしのせいで……あんなチームに入ったから……」

「私はのり子がベストな選択をしたと思っている」


 のり子のお母さんのひと言で、あーしは顔を上げた。彼女の口調は自分に言い聞かせるようだった。

 

「のり子から大体の状況は聞いているわ。のり子なら切り抜けられたかもしれない。でもそうなったら、貴女が犠牲になるかもしれない。それはのり子だったら絶対に望まない結果よ」

「でも、もしかしたら切り抜けられたかもしれないですよね」

「そうかもしれないわね。でも確実じゃないわ。であれば貴女がより安全になる道を選んでも不思議じゃない。私だって同じ判断をするかもしれないもの。

 これはあの子が責任をもって、自分で納得して選んだ道。私は受け入れるわ。だから貴女は自分を責めないでね。これは自業自得なんだから」


 自分勝手に暴れて、迷惑をかけて、結果が最悪の有り様だ。死にたい。自分が馬鹿すぎて。惨めで。恥を塗ってばかりで。迷惑をかけてばかりで。

 でもこの人は自分を責めるなと言ってくれた。自分の娘が酷い目に遭ったっていうのに。原因であるあーしに優しい言葉をかけてくれる。それだけでも心が洗われる気分だ。強い。眩しいくらい、強い。臆病者のあーしには到底辿り着けない眩しさだ。


「ありがとう、ございます」


 そのあまりの眩しさに、思わずお礼を言ってしまった。謝罪が先のはずなのに。

 

「もうちょっと頭が良ければ、口で丸め込んでどうにかしたんでしょうけど……あの子、バカだから。こういう頭の悪い解決策しか思いつかないのよ」


 お母さんは大きなため息を吐き、そして一筋の涙を流して、言った。


「もうちょっと賢い子に産んであげられたら良かったのになぁ……」


 ぼろぼろと涙を流して独白する彼女を前にして、あーしは何も声をかけられなかった。ベストな選択はしたと口では言っているけど、こんな結果に納得できるはずがない。

 ぐすぐすと泣きじゃくる彼女を自分のほうから慰めようとして手を伸ばす。拒絶されるかもしれない恐怖に怯えながら、何度も引っ込めて、何度も手を伸ばす。

 やっと届くかと思った次の瞬間、彼女は素早い動きで席を立ち、あーしに背を向けてしまった。


「ごめんなさい。貴女が一番落ち込んでいるだろうから、私が慰めに来たはずなのに……こんな弱音を聞かせて貴女を責めるつもりなんて無かったのに……今日はもう駄目みたい」

「あ……」

「本当に今は……今だけは、つらいの。本当にごめんなさい。駄目な大人で、ごめんなさい。明日ならきっと大丈夫だと思うから……」


 彼女は手で顔を覆ったまま部屋を出ていってしまった。その背が見えなくなって暫くした頃、あーしの両目からは大量の涙がこぼれ落ちていた。

 あの人は、本当はあーしが憎くて憎くて仕方なかったのだろう。可愛いひとり娘の顔をぐしゃぐしゃにしておいて、当の原因は呑気な顔でベッドに寝ているのだ。そんな姿を平然とした気持ちで見られる筈がない。

 

 それなのに、あーしを慰めに来ただなんて。

 

 今まで会った中で、誰よりも立派な大人で、誰よりも立派な母親なのに。その母親ですら耐えられない現実だったのだ。

 もう少し自分に勇気があれば。傷を受け入れてのり子が存分に暴れられたならば。あの人まで傷つくことはなかったのに。


「痛っ……」

 

 顔面に痛みが走り顔をしかめる。気がつけば顔面に手をかけて掻きむしろうとする自分が居た。ここにいたら自分を壊さなければ気がすまなくなる。汗が止まらない。意識しないと呼吸が止まりそうだ。

 この病院にいたくない。一刻も早くこの場から離れたい。ここに居たら、のり子がひょっこり顔を覗かせてくるかもしれない。包帯まみれの顔で、母親と一緒に恨めしそうな視線でこちらを睨みながら。

 もう無理だ。耐えられない。

 

 悠長に寝ていることも出来ず、ベッドから逃げるように飛び起きる。

 そして、のり子から逃げるため、あーしは無理矢理病院から退院した。

 


・・・・・

・・・



 病院から離れ、叔母の家に戻ってから、のり子の一件について警察から何度か聴取を受けた。あーしはその全てに対して誠実に答えた。せめてもの罪滅ぼしのために。

 病院から逃げ出して以降、のり子と彼女の母親とは一度も顔を合わせていない。のり子があれだけ傷ついていおいて、自分は無傷のまま友達ヅラして会えるはずがない。

 地獄を抜けようとして足掻いた。でも、まだ地獄が続くだなんて、あんまりだ。

 

 とはいえ、本当にほんの少しだけ見返りはあったようだ。

 まずはひとつ。この一件で叔母が周囲へひた隠しにしてきたあーしへの監護放棄が明るみに出て、叔母は生活指導を受ける立場となった。少しは母さんの面倒も見てくれるようになるかもしれない。

 もうひとつある。のり子への仕打ちに対し、レーナを中心とした波瑠窮理亜ヴァルキュリアのメンバーが警察からマークされたようだ。のり子の傷だけでなく、麻薬売買や恐喝などの余罪も追求するとの話がメディアからも出始めている。メンバーだったあーしも漏れなく警察の世話になり、施設送りか罰則金の支払いが発生するはずだったのだが……その問題は解決しているようで、警察からは何も要求されていない。叔母ならば躊躇なく施設送りにするし、罰金の支払いなんてするはずもない。誰か親切な第三者――きっとのり子のお母さんによる援助だと思う。本当に頭が上がらない。


 母さんの件は解決へ向かっている。チームからも抜けられた。これであーしが取り巻く問題のほとんどが解決したのだ。

 不良を卒業したあーしがやるべきこと。それは問題を起こさない、普通の女子中学生に戻ることだ。あーしを守ったのり子に対して、それが一番の罪滅ぼしなのだ。


 だからあーしは久しぶりの学生服に袖を通した。慣れない制服。馴染めぬ日常。知らない学友。退屈な平和の始まりだ。

 ……まあ、運命の神様ってやつはあーしにとことん意地悪だから、そんな腑抜けた日常なんて許しはしないんだけどさ。


「なんだよ黒豹ォ……お友達に肩代わりを任せるだけ任せて、テメーだけはセーラー服着て呑気にお勉強かよ?」


 登校を再開して数日後。登校中のあーしを待っていたのは、漏れなく全員が武装した波瑠窮理亜ヴァルキュリアの部下たちだった。ざっと見て20人はいるだろう。さすがにひとりでは無理だ。あーしはのり子じゃない。

 

「テメーの裏切りのせいで波瑠窮理亜ヴァルキュリアところか下っ端の俺等も肩身がせめーんだよ。上の連中はテメーが抜けたのを認めてるみてーだけど、俺らは納得いってねえ」

「警察のマークが厳しくなったのに納金のノルマは減りやしねえからよぉ。八つ当たりしなくちゃ腹の虫が収まらねえんだよ」

「痛い目もみねーで自分だけ平和を満喫だなんて、顔の面が厚すぎるんじゃねえの?」

「あの小娘もバカだよなー。俺らが黒豹を許さねー可能性だってあったのによー。無駄に怪我しただけなんだよなあ」


 ……っ!

 

「お? なんでテメーがキレんだよ、黒豹。キレてぇのはこっちなんだよ」


 テメーらにのり子の決意が分かってたまるものか。ふざけんじゃねえぞ。


「まあ、キレたところで、この人数差じゃどうにもならねえだろうがよ」


 リーダー格の男がマスクをずらし、前歯が抜け落ちた口内を見せつけながらニヤリと嘲笑った。憶えている。のり子と再会する直前に、あーしへ因縁をつけてきた男のひとりだ。あの後、波瑠窮理亜ヴァルキュリアにチーム入りしていたのだろう。周囲の連中もあーしへの恨みを持つ連中ばかりで構成されている。これはもう逃げられないな。

 

「……ははっ」

「おいおい、笑ってやがる。ここから巻き返せると思ってんのか?」


 いや。罰として最高だと思ってさ。そうだよ、こいつらの言う通りだよ。あーしだけがのほほんとしていい人生じゃねえんだ。

 鞄を落とし、臨戦態勢に入る。ちょっとくらい抵抗したほうが相手も盛り上がることだろう。


「いいぜ、来いよ馬鹿野郎ども。気が済むまでかかってこいや」

「上等だ黒豹ォ!」


 

 ……せめて、のり子と一緒の病院へ送られませんように。


 

・・・・・

・・・



 入院二ヶ月。全治三ヶ月。これが医者の診断結果だった。顔を含めた全身打撲、左腕骨折、右足骨折、その他諸々。妥当な診断である。自分ひとりじゃ満足に身動きが取れないため、相部屋にもできない。問答無用で個室にぶち込まれた。

 入院を知った叔母は、勝手に怪我をしたあーしを「疫病神」だのなんだの散々罵ってから病室を出ていった。これも納得の反応である。あーしの入院費を出さなくちゃいけないのだから。たぶん入院中は二度と顔を見せないだろう。

 送られた先は、あーしの密かな希望通り、のり子が担ぎこまれた先とは違う病院であった。不用意にのり子と出くわすことも無いはずだ。あーしは心から安堵した。


「失礼します。昼食の時間です」


 入院の体制が整った今は、看護師さんに食事や着替えの世話をしてもらう毎日となっている。情けないと思う反面、この状況に安心しきっている自分がいる。顔見知りの誰とも関わらないあーしにとって、看護師さんと関われるこの瞬間だけが今現在の唯一の生きがいとなってしまった。

 穏やかな気持ちだった。もう何にも怯えずに済むという安心感が心の中で広がっている。

 取り返しのつかない重荷をのり子に背負わせ、そして何人もの人たちに迷惑をかけてしまった。その罰を、ようやく受けることができたのだ。

 あーしを心配する者はもういない。孤独になったけど、逆にこの孤独が安心できる。

 

 もう誰にも迷惑をかけなくていいんだ。


「あ……ごめんなさい。食事はもう少し後にしましょうか?」

「?」


 唐突に意味のわからない言葉を発した看護師さんは、ティッシュを片手にあーしの顔へ手を伸ばし、目の辺りを拭き取った。濡れている。


「ハンカチ代わりに何か持ってくるわ。それとも、しばらく一緒に居たほうがいいかしら?」

「……いえ。もう少しだけひとりにしてください。ハンカチも大丈夫です」


 看護師は「食べたくなったら、すぐにナースコールで呼んでね」と言い残し、部屋を出ていった。再び静寂が病室に満ちる。看護師さんを出て行かせたことを少し後悔してしまった。

 純粋に寂しい。

 今思い返せば、ワルを抜きにすればだが……チームの幹部たちに可愛がられていたのは、それなりに恵まれた待遇だったんだろうな。戻りたいとは思わない。でも孤独ではなかった事実に打ちのめされてしまう。


「……慣れなきゃな」


 食欲が湧かない。今日の昼飯は抜いちまえ。

 とりあえず、佐藤母娘が訪ねてきちまった場合の言い訳でも考えておこう。お人好しだから心配されちまうだろうな。入院理由は……やっぱ交通事故が妥当か。


『ヨーミは心配性だなあ。そりゃ『捕った狸の皮剥ぎ用』ってやつだよ』

「慎重派って言え。それと『捕らぬ狸の皮算用』だ。ワザと言ってるだろ」


 はっとして周囲を見渡す。もちろんのり子はいない。幻聴だ。いよいよ精神のほうにも来やがった。もしも心が駄目になったら、母さんと同じ病院にしてもらわなくちゃだな。家族割とかできねえかな。

 ……幻聴でも、せっかくのり子に会えたんだから、だべるか。楽しまなきゃ損だ。窓側から聞こえてきたから、窓際の椅子に座ってニヤニヤ笑いながらこっちに話しかけてるシチュエーションだな。集中すれば幻覚も見えそうだ。


『せっかく私が身体を張って助けたのに、こんな大怪我しちゃってさー。私の侠気おとこぎが丸々損になっちまったぞい。謝罪と賠償を要求する』

「しょうがねえだろ。これはあーしの禊なんだ。お前の傷と違って、そのうち治る傷ばっかりだから、気は楽なもんだよ。まあ……歯を少し折られちまったから、そこは差し歯になっちまうけど」

『一発芸・歯の抜けた悪ガキ少年ができるじゃん』

「見たいんだったら、捨てられてボロボロになったエロ本でも用意しとけよ」

『ストローでシェイク飲むのも楽ちんだ』

「その考え方は無かったな。お前のおかげでひとつ有意義なライフハックを知れたぜ」

「おいヨーミ。どういうことだよ、これ」

「それはさっき話しただろ。禊だ――って……?」


 幻聴にしてはあまりにも声が低すぎる。視界外から突然聞こえてきた落差の激しい声を聞いて動揺し、思わず言葉を失った。


「何でヨーミが病院のベッドにいるんだよ」

 

 首を捻って、現実から聞こえてきた声のほうへ首を向ける。

 のり子だった。顔中に包帯をして顔が分からないが、間違いなくのり子だった。

 だがあーしの脳内で天使のように微笑むのり子とは様子がかけ離れている。


「なんで怪我だらけなんだ。なんでギプスを2つもつけてんだ」


 突然すぎる再会で状況が飲み込めないが、これだけはハッキリと分かる。今ののり子は、怒りのあまり我を忘れそうになっていることを。包帯の切れ目から覗いている、血走った目。そして既に一戦交えてきた後であろう、衣服のあちこちに飛び散った血が、あーしの予測を証明していた。


「答えろ、ヨーミ。何でだよ」

「あ、あぁ……事故だよ、交通……事故……」

「その車はピンポイントで顔面を何度も殴ってくるのか? 器用に歯もへし折るのかよ」

「あ……」

「答えろよ、ヨーミ」


 尋常ではない圧力を受け、息苦しさで声が詰まる。のり子とは長い付き合いだが、ここまでの怒りを見せたことは一度も無かった。自分へ向けられた怒りでないと分かっていても、ただただ恐怖しか感じなかった。


「なんとなくいつものファミレスで待ってたらさ。ヨーミを病院送りにしたって自慢してる奴が店に入ってきたから、そいつに聞いたら、ここまで来られたよ」


 のり子の顔の包帯に、じわりと赤い染みが広がる。


「あいつらだな」

「のり子……もういい」

「やっぱり、あいつらなんだな? お前に怪我をさせたのは、あいつらなんだな? あいつらは、約束を破ったんだな?」


 染みがどんどん広がっていく。傷口が開いているんだ。どうしようもない怒りで、自分が抑えられないんだ。

 

「あいつらは何人もいるんだぞ! 個人でどうにかなる範疇を超えてるんだ!」

「なら全員ぶっ飛ばせばいい。抵抗する気が失せるまで一人残らずぶん殴ればいい」

「もういいんだ! のり子、もう自分の家に帰ってくれ!」


「もういい訳がねえだろうがッッ!! 私の大切な友達をこんな酷い目に合わせたんだぞ! 私たちとの約束を破ったんだぞ! あいつらはッ! 許せるはずない!!」

 

 部屋全体が――病院そのものが震えるような絶叫だった。

 もう完全に堰が切れたことを悟った。きっと誰にも止められない。相手を全員血祭りにあげるまで、きっとのり子は止められないだろう。


「君っ!」

 

 声を聞いて駆けつけた看護師さんや警備員が部屋に駆け込んでくる。

 だが。


「院内で大声はやめ――ぐああ!?」


 のり子は、取り押さえようとした警備員の手を最小限の動作で掴むと、捻り上げて地面に押さえつけた。合気の要領だ。


「何だお前。あいつらの仲間か? そうじゃないなら私の前に立つな。邪魔を……するな」

「のり子! お前がここで暴れちまったら、あーしと同じになっちまうぞ! ドロップアウトしちまうぞ! あいつらなんかが原因で、お前の将来を潰しちまう気かよ!」

「だから何なの? この人に捕まったら、あいつら全員ぶちのめせるの? 違うでしょ? 邪魔するなら誰でも容赦しない。例外なく、容赦しない」


 狂気を孕んだのり子声に、警備員さんはたまらず悲鳴をあげて力を抜いた。抵抗が無いと分かると、のり子も手を放し、そして私たちから視線を外して部屋の外へ歩き出した。



「のり子――」

「私はこんな顔になっちゃったんだ。将来なんて、もうどうでもいいよ」



 去り際のひとことで、あーしはかけるべき全ての言葉を失った。



・・・・・

・・・



 それから数日後。事の顛末は、お見舞いに来てくれたのり子のお母さんが話してくれた。


 

「あれから大変だったわ。殺人未遂になりかけたけど、どうにか示談にできそうよ。娘の一件であのチームの幹部がほとんど病院送りになっちゃったし、警察もチームの中枢部を摘発しちゃったから、あいつらが悪さをすることはもう無いでしょうね。一件落着……かな」

 

「のり子? あの子なら大丈夫。あの一件では大した怪我なんてしてない。ピンピンしてるわ。もう学校へ復帰してるわよ」

 

「それで、ヨーミちゃんが良かったらだけど……身体が治って元気になったら、娘のところへ顔を出しに来てくれないかしら。娘も喜ぶと思うわ」


 

 悲しそうな笑顔を浮かべながら、そう話してくれた。

 その提案に、あーしは即答できなかった。

 

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