48話 激突!炎と光!お嬢がやらねば誰がやる! 前編
Agnis Ch.紅焔アグニス
【ア=ソブ大百科151】バトルだ月煌旅団! ルルとガチンコ10番勝負!【紅焔アグニス/ルルーナ・フォーチュン/Yaーtaプロ】
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#SOLーLUNA
:ついに来たな 超仲良しコンビ
:Twisterのやり取りがRIMEの延長みてーだもんなwwww
:ハッシュタグのセンス素敵
:あーあ 出会っちまったか
:とびっきりの最強対最強
:人類卒業者 VS 人類卒業者
:↑お嬢が勝つかもしれんだろ! 万が一……いや億が一……兆が一……兆の次って何だっけ……
:マジで団長が負けるビジョンが見えない
:ゲーム配信って、団長が2回(バックス)、お嬢が1回(箱BBA)だったよな
:ゲーム腕前→ 団長 バックスのプレイ歴3か月で完ソロ英雄達成(しかも何度も)
:対するお嬢 箱婆耐久6時間(親フラ未遂により中断)
:お嬢の耐久力は称賛モノなんだが、団長のゲームセンスがつよつよすぎなんだよな……
:Twisterの事前アンケートの結果二度見したわ でも納得
:紅焔ちゃんとルル、10番勝負に勝つのはどっちだ!
ルル [■■■■■■■■■□]96%
紅焔ちゃん [■□□□□□□□□□]4%
:4パーセントwwwwwwwwwww
:聞く意味ある? ってくらい差がついとるwwww
:こんな結果初めて見たわwwww
:団長が全勝できるかでアンケ取ったほうがまだ聞く意味あったなww
:おっとOP明けたぞ
「お前らぁああああ! もうちょっとくらい紅焔ちゃんの肩を持ってもいいだろ! 紅焔ちゃんのチャンネルだぞ!」
「お嬢、挨拶あいさつ」
:ヒッ!
:挨拶を忘れるほどのブチギレ具合wwwww
:これには団長も思わず困惑
:実際思ったより怖いwww
「今夜もイグニッショーン! YaーTaプロ1期生、紅焔アグニス、現世に顕現!」
「YaーTaプロダクション1期生のルルーナ・フォーチュンだ。月の煌きと共に、今夜も旅を始めようか」
:イグニッショーン!
:今夜もイッグニッショーン!
:月の煌きと共に!
:お嬢のイグニッションを聞くと元気出るわ
:団長は元気出るってより昂ってくる
:↑わかる ちょっとベクトル違うんよな
「で! ほぼ誰ひとり紅焔ちゃんの勝ちを予想してないって、どういうことなのかな紅民のみんな!! 普通チャンネルのあるじを応援するもんじゃないの!?」
:いやだって、相手が悪すぎるもん
:10番勝負の世界チャンプそれぞれ用意してもろて……
:それでも勝ち越しそうだもんな団長の場合
「やだ、ルルの評価が天井知らずで怖い。ルルの
:普段の心眼バックスもちょっと訳わかんないけど、2回目の配信も大概だった
:1マッチだけ酔い止め飲んで開眼でチームプレイしたんだよな
:個人キル38はもはや伝説
:世界記録じゃなかったっけ?
:エラー落ちさえしなければ……
「あの時のマッチ、そんなにキルしてたのか。配信後に吐いてまでプレイした甲斐があったぞ」
「もうちょっと自分の体を労ってもろてええんやで、ルル」
:俺たちも調子乗ってヨイショしすぎちまったのは悪かったよ団長
「楽しかったし、ええよ。また内臓鍛えてから頑張るぞい。ところでお嬢。今日は何のゲームをやるんだい? リスナーさんたちは分かってるみたいだけど、改めて周知しようか」
「おっと、主旨からちょっと脱線しちゃったね。本日は『ア=ソブ大百科151』に収録されている10種類のゲームで対決して優勝していくことにします」
「百科なのに百以上ゲームが入ってるのな」
「世界中のアナログゲームやデジタルゲームを集めたミニゲーム集だね。未経験者でもとっつきやすいゲームが揃ってるよ」
:(団長が)優勝
「紅焔ちゃんが優勝するんですー。いくらルルがゲーム上手くたって、初見のゲームでは無双できまい」
「何のゲームが入っているかすら知らねえから楽しみだ。お嬢はご友人とよくプレイしているって話だが、どれくらいの腕前なんだ?」
「ゲームによってマチマチだけど、ソフト自体はけっこうやりこんでるよー」
:得意なホームに持ち込んでマウントを取りたがる人間の○ズのようなアイドルがいるらしいっすよ
:お嬢……大人気ないよ
:↑そもそも大人じゃない
:そうだった 大人になろう、お嬢
「うるせー! 今日の紅焔ちゃんはルルに雪辱を果たすため……絶対に退けない理由があるんだ!」
「んん? 俺、なんかお嬢に恨みでも買ってたっけ?」
「
「???」
「ルルが紅焔ちゃんのことお嬢って呼ぶから、皆もお嬢って呼ぶようになっちゃったじゃん!」
「何か問題でも?」
「大アリです! 紅民のみんな、紅焔ちゃんの最初の配信を憶えているかい? 紅焔ちゃんのこと、なんて呼んでほしいかって話したよね」
:あーそういえば
:初配信を何回もリピートしてるから一字一句覚えている自分が憎い
:なんだっけ?
:お嬢のどこがいかんのだよ 今更変えろって言われても嫌だぞ
:もしくはナティ姉から呼ばれてるアグちゃんだが……やっぱりお嬢かなー
「アグにゃん! アグにゃんと呼んでほしいって言った!」
:??
:言ってたっけ?
:お嬢のにゃん要素ってどこ?
:どこでそんなワードが降って沸いて出た?
:改めてお嬢からそのワード聞いたらまたイラっとしたわ
「なんでそんなにヘイト買わなくちゃいけないんだ!? ええい、それもこれも全部ルルのせいだからね!」
「俺がお嬢呼びしちまったからか」
「そう! その通り! アグにゃんでエゴサして、まったく候補に引っかからなかった時の絶望感。渾身の主張がまったく通らなかった、その時の気持ちがルルには分かるまい!
紅焔ちゃんさあ、ちょくちょくルルやナティ姉に呼び方変えてくれって頼んだんだけど、拒絶レベルで断固拒否されてるのよね」
「んなこと言われても、嫌なもんは嫌だぞ」
Natica Ch.帝星ナティカ:お姉さんも、その呼び方はちょっと違うと思うんだよね
:ナティ姉! よう見とる!
:団長も姫さんも受容が基本なのに、そこまで拒絶されるのも珍しいなwww
「だから! 今日ここで! 紅焔ちゃんはルルに勝ちこしてアグにゃん呼びを取りもどす!
そういうことで、紅焔ちゃんが勝ったら、今後は私のことアグにゃんと呼んでもらうからね! もちろんナティ姉も、紅民や団員のみんなからも!
今日は呼び名をかけて勝負だよ!」
「………………」
:あの団長がすげえ嫌そうな表情してるwwww
:俺が道端にへばりついたゲロを見つけたときみてーな顔だわwwww
:団長が吐き気を催すほどの邪悪な提案
:いや待て、今お嬢、俺たちにも呼べって……
:シンプルに嫌なんだが
:百歩譲って紅民に呼ばせるのは分かるが、旅団を巻き込まないでほしいぞお嬢……
Natica Ch.帝星ナティカ:お姉さんもできれば避けたい……
「おごぉぉ……紅民や団員どころかナティ姉まで……なぜだ……なぜ否定されるんや……」
「とはいえ、自分の意見が通らない悲しみも理解できるし、俺の責任というお嬢の意見も一理ある。俺の罪が皆無とは言わない。
いいだろう。お嬢がその方法で納得できるなら、その勝負、受けて立とう。ただし1週間まで――そして呼ぶのは俺ひとりだ。姫と旅団と紅民の皆を巻き込むわけにはいかん。それ以上は譲歩しないぞ」
:団長……俺たちのために……おいたわしや!
:私、紅民抜けて月煌旅団に入る……
:↑掛け持ちでええんやで
「よっしゃ、それでこそルル! 1週間でも余は満足じゃ!」
「ただちょっと困ったな。俺は何を褒美にしようかな」
「ん?」
「お嬢は自分の呼び名を報酬で要求しただろ? 俺もそれに見合った対価を考えなくちゃイーブンじゃないよな。となると、俺はお嬢から呼んでほしい呼び名を考えねばなるまい」
「え」
:そりゃそうだ
:なぜ驚くんだお嬢www
:撃っていいのは撃たれる覚悟がある者だけだぞ
「ま、まあ無理に考えなくてもいいよ。なんなら呼び方にこだわらなくてもいいんだし」
「お嬢に呼ばれたい呼び名……あった」
「お? あるの?」
「『おじいちゃん』呼びされてえな。可能な限りのロリ声で」
「は!?」
「この前の雑談配信で披露していた5歳児くらいの舌っ足らずボイスで呼んでくれ。『おじーたん、だーいしゅきっ!』みてーな感じで」
「!!???」
:?!!??
:ぅぇえええぃ!?
:今、口動いてたのって団長だったよな!?
:一瞬団長がロリペド5歳児に脳内変換されたんだが
:初配信のおじいちゃんの演技って、素のルルが喋ったわけじゃなかったのね……
:都会のコンビニ感覚でバズりスポット作るのホントマジ団長だわ
:いったい引き出しいくつ持ってるんだよ団長……
:今のボイスとお嬢のボイスだけで音MAD作れそう
「なにゆえロリ声?」
「羞恥心くらいは煽らにゃ俺が燃えん。ついでにおじいちゃん呼びもされて二重においしい」
「も、もしかして……1週間ですかルルさんや?」
「当然だろう」
「ガッデム! そんな地獄の刑罰できるもんか! ぜってえ負けねえ! てゆーか勝つ!
決着の付け方だけど、普通に最終的な勝ち数が多い方の勝ちね」
「お嬢が泣きついて、最後の勝負が100勝ぶんになる、伝統のお約束だな」
「え? なに? ルル、先に6勝できると思ってるの? 紅焔ちゃん、けっこうやり込んでるよ」
「俺はお嬢が1勝でもしたら負けを認めるつもりだったが」
:言いよる!?
:いくら団長でも未プレイゲーム10連戦全勝は無理では?
「おーおー無知な雑魚が吼えよるわ。後で泣きつかせちゃる! 見とけよルルーナ・フォーチュン!」
:お、そろそろデュエル開始ィ!?
:待ちわびたぜェ! この瞬間 (トキ)をよぉ!
:いくさが始まる
:戦争 (センソー)しようぜ!
「よっしゃ! 今日はバチギスっていくからね! 覚悟、しよう!」
「
:やべえ、団長の声ゾクって来た
:やだ……かっこいい……
:たまにシンプルにかっこいいセリフぶっ込んでくるから気が抜けない
「ルルは知ってるゲームある?」
「151もあると見つけるのも一苦労よな――おお、将棋はわかるぞ。既プレイだ」
「よしじゃあ将棋は無しで。タイマンの定番、リバーシにしようか」
:息をするように避けやがったwwww
:クズの極み乙女wwww
:策を弄したところで感はあるがwww
:だが嬉しそうにするのが団長である。かわいい。
:頭脳系のゲーム大丈夫なん、お嬢?
:団長の弱点が3Dの視点動かす系ゲームしか思いつかん
:それも心眼で乗り切りそう……
「同じ色のコマを挟んだところがひっくり返るのか。大変シンプルでとっつきやすいな」
「ルルに先手は譲ってあげるよ。好きなところに打つが良いぞ」
:サラリと有利な後攻取りやがったぞww
:草草の草wwwww
:躊躇なくゲスムーブしやがるww
:始まった!
:あれ、団長打つの早いな
:操作はたどたどしいけど、カーソル移動は止まってない
:ノープラン?
:いや多分ちゃんと考えて打ってる。あらかじめ打つところ決めてる。
:初めてだよな?
「あれあれ〜? そんな考えなしに打って大丈夫なん、ルル〜?」
「お嬢の性格を鑑みて、三手くらい先は読んでるよ。お嬢が休憩時間欲しいなら、もうちょっと待って打とうか?」
「………………」
:団長が大会出場常連のプロみたいなこと言い始めたんだが
:ルールがシンプルだから、あとは思考の問題になるよね
:お嬢も思わず絶句
「……まあ。まあまあまあ。まだ始まったばかりですし。そういうハッタリも大事だよね。じゃあ紅焔ちゃんは、ここに打ちます」
「お。そこは予想してないところだ。でも、いいのか? かなーり不利になっちまうぞ」
「こけおどしは結構ですー。ふふん。この一手の真相に気付くのは何手先になるかなー、ルルさんや。このゲームに『待った』は存在しないから、せいぜい覚悟するんだね!」
:お嬢が団長の予想を上回った!?
:ノープランで適当に打っただけでは……
:↑シッ!
:実際団長の言うことが正しいんだよな……
:お嬢……強く生きろよ
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