伝説の老騎士、アイドルVtuberになる。

１部・幕間１話 人物紹介

【アイドルＶｔｕｂｅｒ事務所『Ｙａ（ヤ）ーＴａ（タ）プロダクション』　アイドル１期生】

▼ルルーファ・ルーファ

前世：ルーファス・マイス・チェーガ・フォートシスム

Ｖｔｕｂｅｒ：ルルーナ・フォーチュン

　前世では『屍山（しざん）血海（けっかい）のルーファス』と呼ばれた、神護国ジルフォリアに所属していた元騎士。享年７０ほど。

　世界平和のために多くの人間を殺した挙句、祖国からの裏切りに遭い、自らが擁していた団と従っていた祖国を失うという悲劇に見舞われる。

　最期は１０万の敵兵を葬り、国民の大量虐殺から祖国を護るものの、誰にも讃えられることもなく、死後の世界に想いを馳せながら失意の最中死んでいった。

　と思いきや、褐色銀髪ロング高身長モデル体型ドスケベわがままボディな女神様という、とりあえず属性盛っとけワッショイな容姿で現代の日本に都合良く突如現れ、これまた都合の良い展開であれよあれよとＶｔｕｂｅｒの道を歩みはじめる。

　以後、生まれ変わった際に咄嗟で名乗ったルルーファ・ルーファの偽名を名乗り、表向きは部分的な記憶喪失者として朝倉灯が経営する社員寮で生活することとなる。

　物事の吸収がべらぼうに早く、どのコンテンツに触れさせても即極みに至る、戦闘以外の要素でも化け物の中の化け物。もう全部アイツでいいだろ、を地で行く人。

　ダンディズムを資本とする言動と、その言動らしからぬ女子力を併せ持つ、完全無欠の言葉が似合う超々々ハイスペック女神様。

　ただし超人の女神様だからといって常にベストアンサーが出せるとは限らず……今日も今日とて迷える民草を導き、時には振り回していく。

▼佐藤のり子

Ｖｔｕｂｅｒ：紅焔（ぐえん）アグニス

　片目隠れという巨乳を約束された星の元に生まれながら、平たい胸族へと成長を遂げてしまった哀しき少女。１６歳。愛称は「お嬢」。

　属性にもできない深い傷を顔に負ってしまい、夢見ていたリアルアイドルの道を閉ざされ一度は闇落ちしたものの、アイドルＶｔｕｂｅｒという代打を見つけてからは反転、元の活発な性格を取り戻した。

　ルックス（と学力）を生贄に歌唱力にバフを盛りまくった結果、初配信の歌披露で視聴者を２０倍もゲインさせるという大快挙を成し遂げる。

　代償として、ＹａーＴａプロ１期生２期生の審査ハードルをドカ上げさせ、元ティカさんを一時闇落ちさせ、ＹａーＴａプロ事務所の電話回線をパンクさせ、全世界に寝不足不可避な電子ドラッグをバラ撒くという、割と洒落にならない結果も生まれていたりもする。

　ルルのチートな行動に隠れがちだけど、この子が界隈に与えた影響は、ルルよりも遥かにバカデカいことを忘れてはいけない。

▼六条（ろくじょう）安未果（あみか）

Ｖｔｕｂｅｒ：帝星（みかどぼし）ナティカ

　低身長ムチムチ巨乳童顔にして、地の文で「どきどき」「やったあ」を平気で使う、こんな２６歳がいてたまるか、という言葉が似合う無職さん。高校の制服を着てもガチで違和感が無いほど心身共に若作り。陰キャぼっち。愛称は「姫」。

　闇を抱えて人生からグッバイしかけたところで灯社長にスカウトされる。アイドル知らない、Ｖｔｕｂｅｒ知らないのにスカウトから２日も経たずにアイドルＶｔｕｂｅｒデビューを果たす。

　同期と比べると没個性なうえ、初配信が残らず知名度低い、という散々なスタートではあるものの、その健気な努力と驚異的な成長力を武器にして、徐々に頭角を現していく（予定）。　

　大器晩成型ゆえに同期と比べて書くことが少なくなっちゃうのはご愛嬌。

【ＹａーＴａプロダクション　スタッフ】

▼朝倉（あさくら）灯（あかり）

（元）Ｖｔｕｂｅｒ：藍川（あいかわ）アカル

　バーチャルＹｕｔｕｂｅｒ事務所『Ｇ（ガール）ーＳｔａｔｅ（ステート）』の元アイドル「藍川アカル」にして、アイドルＶｔｕｂｅｒ事務所『ＹａーＴａプロダクション』の現社長。２８歳。独身。

　かつては、チャンネル登録者数３２０万、一度の配信での投げ銭額は国内Ｖｔｕｂｅｒ内の最高額である８０００万円を記録、などなど、多くの偉業を成し遂げてきた伝説的カリスマを持つアイドルＶｔｕｂｅｒだった。しかし心臓の病が悪化したためドクターストップ。引退を余儀なくされる。自身の志を後世に伝え、業界の発展を願うべく、ＹａーＴａプロダクションを立ち上げた偉い人。

　類まれなる商才で配信者の才能を持つ者を的確に掘り当てていくものの、仕事の出来や経営の腕は壊滅的。部下の舞人に「仕事するな」と言われるのは日常茶飯事だったりする。

　ある意味、全ての元凶。作中で事件が起こるのはだいたいこい――彼女のせい。

▼如月（きさらぎ）舞人（まいと）

（元）Ｖｔｕｂｅｒ：東遊（あずまあそぶ）

　バーチャルライバーグループ『じゅうもんじ』の元ライバー『東遊』にして、『ＹａーＴａプロダクション』のプロデューサー兼統括マネージャー。２３歳。妻子持ち。奥さんは可愛い系。

　社長と同じく、登録者数１５０万を誇るじゅうもんじのトップエースであったが、結婚を機に引退。現在はＹａーＴａプロで多忙な生活を送りながらも静かに情熱を燃やす男。

　かつては毒舌系美男子キャラで、その甘く蕩かすような低音ボイスとドＳな言動で多くの女子を虜にした。地の性格でも片鱗を見せるものの、根は至って真面目な男であり、時々予測外の事が起こると若者らしく動揺する場面も見せる。

　１部では、この自己紹介で初めて苗字が判明するくらいに影が薄かったが、次の部では巻き返しできるだろうか。

▼生井（きい）命（みこと）

　かつては帝星ナティカとしてＹａーＴａプロ１期生の内定が決まっていたものの、たまたま紅焔アグニスのデモストレーションを見たがゆえにＹａーＴａプロから離反。ビクトリーロードから一転、アイドル人生を狂わされてしまった、作中ぶっちぎりで不運な子。２１歳。大学生。

　復讐に駆られてＹａーＴａプロの初配信を妨害しようとするものの、ルルに止められて失敗。さらにルルの正体に感づいてしまったせいで、ＹａーＴａプロスタッフとして半ば強制的に召致されてしまう。不憫。

　なお、初配信の一夜後はルルや灯の破天荒ぶりを目の当たりにして復讐などさっぱり諦め、それなりにスタッフ生活へ馴染み始めている模様。

【ＹａーＴａプロダクション　その他関係者】

▼朝倉進（すすむ）

前世：チェイス

ペンネーム：観照（かんしょう）退（さがる）

　月間青年誌にて『ジルフォリア戦記』を連載中の漫画家。高校卒業と同時に連載を開始したため、３２歳という若さながらもキャリアは長い。

　その正体は、ジルフォリア戦記の舞台となる世界で活躍した傭兵騎士団『銀星団』の副団長『チェイス』が現代日本に生まれ変わった姿である。

　転生前と同じく漫画家らしからぬ筋肉ムキムキマッチョマンだが、チェイスだった頃に禿げていた頭髪までは引き継がれなかった。

　ルルとは親友の間柄で、転生を経た今でも関係は継続しており、お互いの信頼は厚い。

▼のり子の母

　お嬢こと佐藤のり子のお母さん。のり子の親らしくスレンダー体型。常に女性語で話すため精神年齢は高く見られがちだが、実年齢は読者が想像している以上にずっと若かったりする。

　シングルマザーで若輩者という苦労を背負いながらも、それでもアイドルをやりたいのり子の夢を叶えるために出資は惜しまない人格者。

　小さなアパレル会社のファッションデザイナーとして働いている。

【バーチャルＹｕｔｕｂｅｒ事務所　Ｇ（ガール）ーＳｔａｔｅ（ステート）　所属生および関係者】

▼最上（もがみ）詩子（うたこ）

Ｖｔｕｂｅｒ：言葉（ことのは）アリア

　Ｇ（ガール）ーＳｔａｔｅ（ステート）（通称ＧＳ）所属のアイドルＶｔｕｂｅｒ。１期生。２６歳。

　藍川アカルと共にデビューを果たすが、アカルを含む同期全員が引退や卒業に追い込まれ、たったひとりの１期生となってしまう。付いた呼び名が『ひとりぼっちのアリア』。

　特に仲が良かったアカルが引退したせいで心が拗れてしまい、地雷臭漂う非常にめんどくさい性格となったものの、ＹａーＴａプロの配信を通して性格の拗れは改善された模様。

　配信スタイルはカラオケや歌ってみた動画など、歌中心で活動している。自身の音楽に対してはストイックで勉強家。

　近々本格復帰予定。

▼赤（あか）羽根（ばね）せつな

Ｖｔｕｂｅｒ：蒼火（そうか）セッカ

　ＧＳ２期生の中でも登録数２００万超なトップクラスの人気を誇るアイドルＶｔｕｂｅｒ。配信歴は５年を超えながらも年齢は２１歳と割と若い。

　非常に人当たりが良く面倒見もいい姉御肌。アカルとは陽キャコンビとして人気を博していた。

　配信はマルチスタイルで活動しているが、どちらかといえばバラエティ寄り。とはいえ作曲もこなせるため、音楽の才能もかなーりあったりする。バンドを組ませたら誰もやりたがらないからドラムを担当するタイプ。

▼鎧坂（よろいざか）氏

　アロハシャツとグラサンをこよなく愛し、怪しげな関西弁で陽キャオーラを年中放ち続ける常夏おじさん。その正体は幾人ものアイドルＶｔｕｂｅｒが所属するＧーＳｔａｔｅを擁する株式会社『クリアリング』の社長。愛称は『ガイさん』。

　ロマンチストな言動しつつもリアリストな一面も併せ持つ、どこか気が抜けないおじさん。

【バーチャルライバーグループ　じゅうもんじ　所属および関係者】

▼飛倉（とびくら）氏

　バーチャルライバーグループ『じゅうもんじ』を擁する株式会社『ＯｎｅＰｏｉｎｔ』代表取締役。壮齢に差し掛かろうかという年齢ではあるが、外見は２０代にしか見えない美魔女。抑揚の薄い知的な喋り方が特徴。クール系かと思いきや内実とてもノリが良い。

　変わったグッズを集めるのが趣味で、じゅうもんじにスターが多く集まるのは彼女の趣味に寄るところも多いとか。

【その他関係者】

▼マッセー・カヌイ

　主人公ルーファスへ間接的に引導を渡すという大功績を成し遂げた難聴おじさん。通称おマセちゃん。

　１０万の兵を率いてジルフォリアへ攻め込んだのに、ほぼルーファス一人に軍を壊滅させられた可哀そうな人でもある。

　名前の由来は……分かるよね？

▼カトーD（ディレクター）

　のり子の母が務めるアパレル会社の関連企業でファッションディレクターとして働いている。３４歳。下の名前は誰も知らない。

　撮影現場を纏めるリーダーであるものの、臆病者気質でやや子供っぽい部分がある。この年にして１４の娘がいる。

　見た目のモチーフは東方鈴奈庵に出てきた抗鬱おじさん。

▼城間（しろま）くん

　カトーＤの元で働く、ほぼ専属カメラマン。お調子者を絵に描いたような性格。下の名前は誰も知らない。２５歳。

　見た目のモチーフはバナナマンの日村さん。

▼瑠菜（るな）ちゃん

　カトーＤの娘さん。本名は加藤瑠奈だと思われる。１４歳。親の事情が複雑な家庭で育ったツンデレを体現した性格。親に洗濯したパンツを見られてもまったく気にしないタイプ。