第14話 1−14


 ぼんやりとした視界の入れ替わりがあり、あたしは再び現実へと舞い戻った。

 リアルに戻った瞬間、全身に疲れがどっと来てソファに体をもたれさせる。

 この疲労感こそが、現実を感じるものの一番かもしれない。

 体なんて、なければいいのに。

「お疲れ様、チヒロ」

「よく頑張ったね、チヒロ」

「お疲れ、ちっひー」

 周りから声がした。

 父さん、母さん、カズコ姉ちゃん。みんな、ありがと。

 声も出したか出さないかわからないほど、あたしは疲れていた。

 疲れたな。でも、こんな平凡なあたしも役に立てて良かった。見ているだけじゃ嫌だったもん。

 こんな平凡なあたしだって、なにかできるんだ。やれるんだ。

 だから、これからも色々なことをやっていこう。そして、あたしだけの世界をここに作ろう。ふふっ。

 それにしても、話していたときのサーティさん、なんかびっくりしてたな。

 ふふっ、あの人も可愛いところがあるのね。あたしももっと、頑張らなきゃな。

 後で色々と訓練受けなきゃ。

 眠い……。

 ちょっとここで寝ちゃうか。

 おやすみ……。

 

 こうして、あたし達の未知の惑星漂流記第一日目は過ぎていった。

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