ファンシーな森

@charm1091

第1話 ファンシーな森

カーテンの隙間から

昇る朝日がわたしを待つ


また朝が始まり

今日というこの日しかない一日を過ごしていく


この檻の中から 誰か

連れ出してはくれないか


待っていたって誰もここには来ない

そんなことわかっている


例えば森の中に誰かが迷っていたとしたら

わたしは救いの手を伸べるだろう

ここは誰もいない森の中

誰かが来てくれることを待っている


日頃散歩をしている場所に

一台の車が

わたしは隠れて様子を見ていた


降りてきたのは人間でもなく動物でもなく

ロボットだった


試しに聞いてみた

あなたお名前は?

ロボットは言った

ナマエハマダナイ

ダカラキミガツケテクレ


わたしはそのロボットにファンシーと名前を付けた

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

ファンシーな森 @charm1091

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る