第9話 鬼ごっこ
夕闇の迫る森は暗く沈み、色彩を失っていた。焚き火の前で座っていた鬼坊が一人つぶやく。
「蝙蝠殿は、倒されたようだな」
その言葉に銀虫が反応した。
「馬鹿な・・・」
「これだけ待っても戻ってこないのだ。倒されたと考えるのが妥当だろう」
「奴らが見つからないだけだ。遭遇するのを待っているのだ」
「鬼の目を持つ蝙蝠殿が、あえて待つ必要などない」
銀虫は、それ以上なにも言うことができなくなった。
「よし、単独行動はここまでだ。次に奴らが現れた時は一斉に攻撃する」
「待て、そんなに急ぐこともないだろ。次は俺の番だ。必ず蒼龍を倒してみせよう」
そばにいた月光が立ち上がって発した声は、地面から響いてくるように聞こえた。鬼坊は月光の顔をちらりと見て
「蒼龍はあんたが相手をすればいい。それなら文句はないだろ」
と言った。しかし、月光は
「俺が全員を始末してやる。お前たちの出番はない」
と豪語して立ち去ろうとする。
「どこへ行く?」
「宿屋だ。今から皆殺しにしてくる」
鬼坊が慌てて立ち上がった。
「待て、それは駄目だ。騒ぎを起こすのはまずい」
闇の奥へ消え去ろうとする月光を追いかける鬼坊の姿に、鹿右衛門と猪三郎も刀を持ち、立ち上がった。
「分かった、次はあんたが一人で相手をすればいい。しかし、宿屋を襲撃するのは駄目だ。連中が出てくるまで待つんだ」
眼前に立ちはだかった鬼坊が叫ぶのを、月光は無表情な顔で睨んでいる。その背後に、鹿右衛門と猪三郎が近づいてきた。
猫のように不気味に光る月光の瞳をまっすぐに見据え、鬼坊は月光が言葉を発するのを待った。月光の身体から発せられる殺気の風を、鬼坊は全身で受け止めながら一歩も退こうとしない。
「どうやって外に引きずり出すのだ?」
「こちらがしばらく姿を現さなければ、また旅を続けるはずだ。俺たちは、次の宿場まで行って宿に入ろう。野宿ばかりでは体が休まらん」
月光はしばらく黙していたが
「ふん、それも悪くないな」
と言って引き返していった。鬼坊は、深くため息をついて、鹿右衛門や猪三郎とともに月光の後を追った。
蝙蝠を倒してから、敵に遭遇することのないまま三日が過ぎた。
「敵は現れなくなったが・・・」
これからの行動について話し合うため、大部屋に皆が集まる中で、まずは源兵衛が口を開いた。
「ああ、忍びが見張っているな」
蒼龍が後に続く。その隣ではお蘭が心配そうな表情で蒼龍の顔を眺めていた。
「奴ら、我々が宿から出てくるのを待つつもりか」
一之助は苛立ちを隠せず、声を荒げる。
「それは間違いないだろう。宿にいては手も足も出ないからな」
横にいた三之丞も顎を触りながら意見した。
「さて、このまま宿にいても先には進めない。ここは覚悟を決めて旅を再開したほうが・・・」
「駄目だ! 連中を全員倒すまで、俺は一歩も外へ出ないぞ」
源兵衛の言葉を伊吹が途中で遮った。全員の目が一斉に伊吹の顔へ注がれる。
「大原付近までは敵がいないことを確認している。まずは大原まで行ってみようじゃないか」
蒼龍の提案に対し、伊吹は首を横に振った。
「見張りがいるんだろ。奴ら、戻ってくるに違いない」
「若旦那、いつかは敵と闘わなければならないのですよ」
お松が説得を試みようとするが
「だから、お前たちが連中を倒してくればいいだろう」
と、元の話に戻ってしまう。
「それで私達が全滅したら、若旦那はどうするのですか?」
「実家へ逃げるさ」
「その前に敵に捕まるでしょうね」
お松の言葉に伊吹は顔を真っ赤にして
「俺はもう引き返すぞ」
と怒鳴った。しかし、お松は冷静に言い放つ。
「引き返すなら、お一人でどうぞ。前にも申しましたが、私達はあくまでも、蒼龍殿とお蘭殿の旅に同行させて頂いている身。お二人が前に進むとおっしゃれば、私達もそれに従わねばなりません」
伊吹は、お松の顔を睨むだけで何も言い返すことができなかった。
「忍びをなんとかする必要があるな。捕らえることができれば、敵の数なども把握できるかもしれない」
「それなら、お主とわしの二人で追いかけるか。奴は逃げるだろうから、その隙に他の者が出発すればいい」
源兵衛と蒼龍が話を進めようとするのを
「勝手に決めるな」
と伊吹はなおも反発するが
「では明日、出発することにしましょう」
というお松の発言に皆が同意するのを見て、とうとう無言で立ち去ってしまった。
「宿に一人で残ると言い出さないかしら」
お雪が心配そうにつぶやいた。
「そんな度胸が若旦那にあるわけ無いでしょう。せいぜい、駄々をこねるくらいで、皆に残る気がないと分かれば黙って付いてくるわ」
お松は、伊吹に対しては常に辛辣だ。その様子に苦笑いしながら、源兵衛は
「じゃあ、蒼龍殿とわしの二人が忍びを追うため先行する。他の者は、半刻ほど経ってわしらが戻らなければ出発してくれ。問題があればそれまでに戻ってくることにしよう」
と話し合いを締めくくった。
雲が厚く黒く空を覆っている。今にも雨が降りそうな天気だった。
宿の隣は普通の民家で、その間には暗く狭い路地がある。人気のないその路地で、お蝶は宿に出入りする者を毎日夜まで監視していた。
お蝶は、数日間の監視のおかげでほぼ全員の顔を把握していた。今までは蝙蝠から相手の人数くらいしか情報が得られていなかったが、すでに伊吹とお蘭を除く者全てのことが鬼坊の耳に伝わっている。
今日もお蝶は日の昇る前から宿のそばへやって来た。朝とは思えない暗がりの中、宿のほうを見張っていると、蒼龍と源兵衛の二人が姿を現した。
蒼龍たちは、大原方面とは逆方向、お蝶の隠れている側へ歩き出す。お蝶は器用に壁をよじ登り、宿の屋根に上がった。二人はお蝶のいた場所で立ち止まる。
(まさか、勘付かれていた?)
お蝶が気づいた時には手遅れだった。源兵衛が、お蝶と同じように壁を伝って屋根に上がってきたのだ。
「見つけたぞ、女狐・・・」
源兵衛が言い終わらないうちに、お蝶が何かを投げた。源兵衛が素早く抜刀する。鋭い金属音とともに、投げられたものが弾き飛ばされた。手裏剣だ。
お蝶はすでに踵を返して逃げている。源兵衛はその後を追った。
屋根の上を、お蝶は恐るべき速さで駆けていた。しかし、源兵衛も負けてはいない。二人の距離が広がることはなかった。
お蝶が下に目を遣ると、自分と並走するもう一人の剣士が道の上にいた。自分を追い抜き、挟み撃ちにするつもりだと悟ったお蝶は、今度は蒼龍に対して何かを投げた。それは蒼龍の前方で破裂し、白い煙で蒼龍の視界を塞いだ。
蒼龍が煙幕の中から出てきた時には、お蝶と源兵衛の姿はどこにもなかった。
お蝶は、蒼龍のいる側とは長屋を挟んで反対側にある道に下りていた。源兵衛も屋根から飛び降り、その後を追う。
ついに大粒の雨が落ちてきた。あっという間の激しい雨で視界が悪くなる中、二人はずぶ濡れになりながらも、足を止めることはなかった。道はすぐにぬかるみへと変わり、派手に跳ね上げられた泥で服を汚された通行人が悪態をつきながら二人へ視線を送る。しかし、その時にはすでに二人の姿は遠く、雨にかき消されて見えなくなっていた。
二人は集落を過ぎ、杉の木が密集する森の中の道を駆けている。お蝶は、地面に何かをばらまいた。源兵衛がそれを認めて速度を緩める。
「畜生、撒菱か」
源兵衛が撒菱の撒かれた場所で手間取っている間に、お蝶は一本の杉の木につかまり猿のように登り始める。ようやく源兵衛がその木の近くにたどり着いた時には、すでにどこかへ隠れてしまった後だった。
源兵衛がお蝶の姿を探していると、誰かが近づく気配を感じた。蒼龍がようやく到着したのである。
「気をつけろ、撒菱だ」
源兵衛の忠告を聞いて、蒼龍は慌てて地面に目を遣った。
「逃げられたのか?」
「まだ遠くには行っていないと思うが・・・ 完全に気配を消されてしまった」
上を向いていた源兵衛は、蒼龍のほうへ少し顔を傾けながら小声で尋ねる。
「お主に居場所は分からぬか?」
「分からんな・・・ しかし、気配を消したまま動くことはできまい。この場で根比べするのも手だな」
蒼龍はそう言って頭上の枝々に目を移した。
「降り出したか・・・」
部屋の中で、鬼坊は内庭を眺めていた。庭園にある大きな石が、あっという間に雨で濡れて飴細工のような光沢を帯びる。鬼坊は、それが溶けて流れてしまう様を想像した。
「今日は外にも出られないですね。暇で仕方がない」
猪三郎がそう言って大きなあくびをするのを目にした鬼坊が
「それなら明日はお蝶に変わってお前が見張るか?」
と問いかけた。
「いやいや、俺なんかが見張りをしたら、図体がでかくて目立つでしょ」
「この雨の中なら大丈夫だ」
その様子を眺めていた鹿右衛門が笑いながら
「『鳴かずば雉も射られざらまし』だな」
とからかうのを聞いて、鬼坊がさらに
「その次は鹿右衛門だ」
と命じる。
「『藪をつついて蛇を出す』だな」
今度は猪三郎が笑い出した。
「お前たち、お蝶を少しは気遣ってやれ。しばらくは交代で見張りをするぞ」
鬼坊の言葉を聞いて、二人は畏まって下を向いた。
「しかし、お頭、俺達いつまでこうして待ってなきゃならないんですかね」
「潮鳥屋の倅というのは、よほどの臆病者とみえるな。お守りをする者も大変だろう」
二人の言葉に、鬼坊が鼻で笑いながら再び外へ目を移したとき、手入れされた庭園の木々に映えるように、赤い紙切れがひらひらと舞い落ちるのが視界に入った。
「おや?」
その紙切れは、ふわふわと漂いながら鬼坊のほうへと向かってくる。それは紙切れなどではなく、一匹の真っ赤な蝶であった。
蝶は部屋の中に入るや、畳の上に落ちてしまった。雨に打たれて羽がぼろぼろになっている。もはや飛ぶことはできそうにない状態だ。
鬼坊が険しい表情で素早く立ち上がった。
「お蝶から援護の要請だ。まさか、捕まったのか?」
鹿右衛門と猪三郎に
「付いてこい」
と一言だけ命じた後、鬼坊は足早に部屋を出た。
「ひどい雨・・・ しばらく止みそうにないわね」
お雪が、宿の出入口から空を仰ぎつぶやいた。
伊吹以外の五人はすでに旅の支度を終え、伊吹が現れるのを待っている。
「若旦那、出てきてくれますかね」
一之助がお松に問いかけた。お松はため息をついて
「出てこなくても、時間になったら出発よ」
と皆に伝える。三之丞が、そんなお松の様子を見てひそかに笑っている背後に誰かが近づいてきた。
「三之丞、何がおかしいんだ?」
全員が声のしたほうへ一斉に目を移した。そこには蓑と笠を身に付けた伊吹が不機嫌そうな顔で立っている。
「いや、別に・・・」
言葉を濁し、うつむいてしまった三之丞を尻目に、伊吹は
「さあ、大原まで急ぐぞ」
と言って一人で外に出てしまった。その後を、五人が急いで追いかける。
こうして旅は再び始まった。口を開く者はなく、激しい雨音が耳鳴りのように聞こえるだけだ。先頭は伊吹、その後をお松とお蘭が続く。大原までは一里半。一刻もあれば到着できるだろう。
しばらく、雨の中の行進が続いた。全員が地面に目を落とし、早足で黙々と歩く。そのため、はるか前方から三人の侍が駆けてくるのに気づくものはいなかった。
やがて、侍たちの足音に気づいた伊吹がちらりと前方に目を移した。大男が二人いることに気づき、何事かとしばらく眺めていたが、刺客のことが頭をよぎり、さっと顔を下に向けた。その様子が、一方の大男の目に留まったらしく、伊吹の近くで走るのを止めた。
「待て!」
その大男が鋭く一喝した。六人は声に驚いて行進を止め、男のほうへ目を遣った。その男は鬼坊だった。
鬼坊は、蒼龍以外の顔を覚えてはいなかった。伊吹の顔すら知らないため、目の前の旅人が潮鳥屋の面々かどうかは判別できない。しかし、お松をはじめとする用心棒たちは、潮鳥屋の店の前で目撃した鬼坊の強烈な印象が残っていた。
一斉に抜刀する用心棒たち。その様子を目にした鬼坊は、この旅人が自分たちの獲物であることを悟った。それと同時に、彼らが立てた計画についてもすぐに理解したのである。
しかし、鬼坊は、ここで一戦交えるべきか迷った。お蝶のことが心配だったのだ。今、目の前にいる六人の中に蒼龍の姿はない。ということは、お蝶は蒼龍を相手にしていることになる。
そのとき、用心棒の一人が刀の切先を鬼坊に向けて突進してきた。一之助だ。刃が届く寸前に鬼坊が抜刀する。
鬼坊の刀は一之助の突きを弾き返した。その力は凄まじく、一之助の体も後方に吹き飛ばされた。三之丞が慌てて一之助の体を抱きとめる。
鬼坊は、荒々しい笑みをたたえて叫んだ。
「お主らと遊んでいる暇はない。だが、次に遭った時は容赦せぬ。覚悟しておけ」
誰も、鬼坊に挑もうとする者はいない。鬼坊は悠々とその場を走り去ってしまった。
お蝶は、杉の木の枝の上で息を潜めていた。
動くことはできない。動けば二人に勘付かれてしまうだろう。とはいえ、このままでは何の進展もないまま時間が過ぎていくだけだ。救援要請の蝶は、この雨の中、鬼坊のいる場所まで届く保証はない。お蝶は、二人をうまく撒く方法がないか、懸命に考えた。
「おとなしく下りてこい。命を取ることまではせぬ」
下から声が聞こえてくる。懐柔しようという魂胆らしい。おそらく情報を得るためだろうと予想したお蝶は、素直に従うふりをすることにした。
「わかった。今下りるから少し離れておくれ」
女の声を聞いて、蒼龍は源兵衛に耳打ちした。
「ひとまず言うことを聞いておこう」
蒼龍が数歩後ろに下がるのを見て、源兵衛もそれに従う。やがて、お蝶が頭上からふわりと地面に着地した。
長い黒髪を後ろで束ね、馬の尻尾のように垂らしている。面長の顔はきれいに整っていて、非常に美しい。そして、くっきりとした目元が芯の強い印象を二人に与えた。お蝶は怯むことなく、相手の姿をその目で捉えている。
「よし、じゃあ着物を脱いでもらおうか」
源兵衛の言葉に、お蝶のまぶたがピクリと動いた。源兵衛は渋い顔をしてお蝶の顔を凝視している。相手が動かないので源兵衛が再び口を開いた。
「勘違いするな。武器を隠していないか確認するためだ」
お蝶は隣の蒼龍に目を向けるが、蒼龍も黙したまま、厳しい視線を彼女から外そうとしない。お蝶は仕方なく、腰に帯びた短刀を投げ捨て、着ているものを脱ぎ始めた。
二人の前に、白く艶めかしい裸体がさらけ出された。肌は雨露に濡れ、ぼんやりと光り輝いているように見える。匂い立つような艶やかさに、蒼龍も源兵衛も少しの間、目が釘付けになった。
「よし、着物をこちらによこせ」
源兵衛の命令に従い、お蝶は着物をくるくると丸めて二人のほうへ投げた。源兵衛はそれを受け取り、何か隠されていないか調べ始める。
そのとき突然、着物が発火した。炎は雨のせいですぐに消えたが、代わりに大量の白い煙が吹き出す。源兵衛は、その煙を吸った途端、倒れてしまった。蒼龍はさっと後ろへ飛び退く。
辺りは煙のせいで視界が遮られ、その隙にお蝶は逃げてしまった。源兵衛を置いたまま追いかける訳にもいかず、蒼龍は口を押さえて煙が収まるのを待つしかない。
煙が完全に消え去ってから、蒼龍は源兵衛の下に駆け寄った。
「おい、大丈夫か?」
源兵衛は気を失っているだけのようだ。蒼龍は立ち上がって周囲に目を配るが、すでにお蝶の気配はどこにもなかった。
「まさか着物に仕掛けがあったとはな」
蒼龍はそう言って、額に手を当てた。
鬼坊は、木に付けられた三本の引っかき傷に手を添えた。
「間違いない。お蝶はここを通っている」
森の中の小道に視線を移し、鬼坊が歩き出そうとした時、頭上から声が聞こえた。
「お前さん、来てくれたんだね」
見上げると、そこには裸の女性が枝の上にしゃがんでいる。それがお蝶だと気づき、鬼坊は驚いて
「お前、その格好はどうしたんだ」
と叫んだ。
「武器を隠していないか、調べられたのさ。まあ、おかげで逃げることができたんだけどね」
「分かった、とにかくそこで待ってな。着物を持ってくる」
「それより、ここから少し行った先に蒼龍がいるよ。どうする?」
鬼坊の目が怪しく光った。
「まだいるとなぜ分かる?」
「宿へ戻るにはここを通らなきゃならないはず。まだ誰も来ていないからね」
「そうか・・・ 奴ら、今は大原に向かっている。蒼龍もこちらには戻らないんじゃないかな」
鬼坊の話を聞いて、お蝶は追いかけられた理由が分かった。
「そういうことかい」
「まあ、一応確認しておこう。もしいれば、三人で始末してやる。お前は少しここで待っていてくれないか」
お蝶が了承したのを確認して、鬼坊たちは再び走り出した。
しばらく進んだところで、鬼坊は立ち止まり、道端に目を遣った。そこには地面に黒く焦げた跡がある。
鬼坊はしゃがんで、半ば炭となった布切れを拾い上げた。
「お蝶の着物だな」
すっと立ち上がり、あたりを見回すが、蒼龍と源兵衛の姿はどこにもない。
しばらくの間、鬼坊は立ち尽くしていた。鹿右衛門と猪三郎は、何も言わずその様子をただ眺めていた。鬼坊の顔には、少し寂しげな表情が浮かんでいる。
「お頭、どうしました?」
鹿右衛門に声を掛けられ、鬼坊は視線を二人の顔にすっと移して
「いや、残念だったな」
と口にした。
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