第9話 vsゴブリン期待度★☆☆☆☆(赤テロップ)
上門を出ようとする俺たちを認め、ゴブリン1匹に逃げ帰った俺たちを知っている衛士さんが声をかけてくる。
「本当に大丈夫なのか……今からでも考え直した方がいいぞ」
不安げにみつめてくる。
もう大丈夫と俺たちは獲物をようようと掲げる。
木刀と矢のつがえていない木の弓だ。
そりゃあ不安に思われるのは仕方ない。
俺と巴は顔を見合わせ。
スキルを使用する。
木刀が炎をまとい。木の弓に魔法の矢がつがえられる。
うんうんと衛士のおっちゃんが頷く。
「そのスキルがあれば大丈夫そうだな、あまり王都には近づくなよ」
スキルを試したことで思い出した。
「スキルの確認はしたがステータスは確認していなかったな。レベルは上がっているのかな」
ぎょっとした顔で衛士のおっちゃんが見る。
「ステータスオープン……あれっ?何もでないぞ」
「こらこら禁止指定スキルじゃないか。駄目だよ作動しないからといって使うのは。魔力を使いすぎるという理由で禁止されたのを知っているだろう。しかしよくその作動呪文を知っていたな。うちのばあちゃんにもよくその呪文を聞かされてレベル85だってひどく自慢されたものだ、懐かしいなあ。昔の冒険者全盛期に比べて今は魔王が倒されて平和だからなあ」
「それってハーデスから説明を受けた時の?」
「そう、その時は表示されたんだけだなあ。ゲームっぽい表示」
「私それも見てない」
むすっとした巴をまあまあとなだめながら、衛士に挨拶して街道へ出る。
「とりあえずゴブリン1匹が目標だね。2人分だから2匹か」
「耳をはぐのよね、野蛮すぎてもうなんて言ったらいいかわからないわ」
「作戦といってもやることないけど俺が遠くから弱らせるからそれからとどめをお願い」
「ええ、頑張るわ」
緊張で巴がこわばっているのをみて、
「大丈夫。弱らせるまでは近づかないからとにかくまず一匹だ」と言った。
あんまり門から離れすぎても怖いので、前回遭遇したところで、神眼を意識して待つ。
茂みの奥に赤い交点が……なんてことなく、サーモグラフィチックにも見えない肉眼でじっと待つ。
背中合わせにしゃがんで待っていたが、茂みに音がして2人してゆっくり構えた。
音がした付近に3連射を放つ。
見えた。
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今度は削れている。
「いたぞ! 1匹っっ! このまま削りきるっ」
ヘッドショットしたら一撃とか?
心持ち上の方に討ち続ける。
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はずしまくっているかガードしているか全く変化なし。
このままだと前回のまま……。
押し倒されている巴を思い出し、気合いを入れる。
2度とあんな目にはあわせない!
ゴブリンが目視できるタイミングを見計らい弓を引き絞る。
ゴブリンが飛び出してきたタイミングで右胸に魔法の矢が突き刺さる。
ゴブリンがのけぞりバランスを崩す。
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1万円あれば余裕であたる範囲だ。
よろめきながらも憎しみを持っためでこちらに飛びかかろうとするゴブリン。
10mあればあと3射はいける。よろけているし、近づけば狙いは正確になる。
腹に突き刺さる。矢は消え。緑の血が飛び散る。
1 / 85
首に刺さり、歩みは途絶える。
1 / 61
さらに追撃で矢を浴びせ続ける。
仰向けになったゴブリンに顔をにらみながらとどめを顔面に放つ。
死体となったゴブリンに安心して弓を下ろす。
なんとかなった。これで冒険者だ。
巴を危険な目に合わすことなくやっていけた。
「……やったよ」
後ろを振り返ってみると目の前に巴の桜の着物がはためく。
巴は鬼の形相で自分に向けて燃えさかる木刀を振りかぶっていた。
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