第2話 眠っているときの夢
自分の周りにも、世間一般的にも、軽く調べてみたが結構な割合で寝ているときの夢を覚えていないという人が多い。しかし反対にわりと覚えている自分、八割方は記憶している。時には面白いなと感じた夢は起きてから軽くメモを取るくらい覚えている。変態だな。
その中でも面白かったというよりは、印象に残っているものが一つある。
中学三年のころに見た思春期真っ盛りの遠い夢。
薄暗い部屋の中で一人、大きなテレビが砂嵐で映っている中、その光を頼りに一心不乱に手を動かしている自分がいて。大きなテーブルの上でもくもくと手を動かし、何かを切り続けている。硬い何かを。
その何かを半分くらい切り終わった頃だろうか、ふと、何を切っているのか気になった。よーく目を凝らして切っているものを確認するとそれは、なんと、裸の人体であった。
ハッとなった自分は慌てて外へ出ると、家の外で飼っている犬と目が合った。
「ごめんな、もう一緒にいられない」
何を思ってその行動をとったのかはわからないし、どうしてそのような夢を見たのかもわからないが、罪の意識はぶあっと、臭い匂いのように湧き上がってきた。
これから罪を償うのか、そう思っていたら目が覚めて現実に戻ってきた。
一瞬、本当なのではないかと錯乱したが、どうやらしっかりと夢のようであった。よかった。その一言につきた。若いころの夢。トラウマにはならなかったが、覚えていなくてもいい夢を覚えているというのは実は罪なのかもしれない。しっかりカラーで見るもんだから、やはり後味は悪い。今でも鮮明に思い出せてしまう。
寝ているときの夢を覚えているものだから、夢占いなんかも、実は結構使うのだけれども、この異様な夢は答えを教えてくれない。変な話、前世や別のパラレルワールドの自分でなければいいんだけれども。
どうしたって夢の中でも主人公は自分で。先のように後味の悪いものや、気持ちのいいもの、続きの気になってしまうもの。様々とある夢。
これをコントロールできれば、毎日眠るのが楽しみになるかもね。
人生の1/3は眠って過ごすのだから。
今日はいい夢みれるといいな。
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