第21話 カナリアview

 カナリアは一人、裏庭へと向かっていた。これは勘でしかないが、嫌な気配を感じ取ったのだ。


「ここは魔法学園よ。何をしているの?」


 巨大な銃口を持つ機械に言い放つ。そんなものどうやって手に入れ、動かしているのかも疑問だが世の中には魔法を使えないことに恐怖し、劣等感を抱き、抹殺しようとする側もいるのだ。

 睨みつけると、上のハッチが開き、中から人が出てきた。迷彩柄のメットを被りいかにも自衛隊風の格好をしている。


「我々はある情報筋から魔法師が隠れているという情報を貰い参上した。そのものは我らの脅威であるからして殲滅対象だ」


 表情を崩さず淡々と答えるさまは、どこか呆れてしまう。私からすれば洗脳乙という感じなのだが、彼らにとっては死活問題なのだろう。大いなる誤解があると思うが…。


「私達はあなた方を支配しようとは考えていません。それなのにあなた方はただ魔法が使えるからで殺すのですか?」

「魔法というのは不可解な点が多すぎる。それでいていつでも我々に牙を向ける準備がある。それに怯え続けるのは我慢ならない。我々は常に平和を求めるからこそ、不安要素はできるだけ排除しなければならない」


 つまり、いつでもあなた方を殺せますというのが近くにいるというだけで恐怖だと。それに怯え続けるのは我慢ならないから消えてもらうという思考のようだ。

 我々がなにかやったのならつゆ知らず何もしていない状態からこの仕打ちというのは魔法師としても我慢ならない。

 私は構えをとった。


「構え!」


 迷彩服の男の指示で戦車が私に銃口が向けられた。


「打てええ!」


 魔法師一人だけなのに躊躇なく大砲から発射される玉。しかも、用意周到に左右からもきている。

 すぐさま着弾し、大きな爆発音とともに煙が上がった。



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