第18話

 俺は出ていくカナリアを見送るしかなかった。

 あの後どうなったのだろう…。

 部屋にいてもやることもないし、外に出てみることにした。


「おっとグッドタイミングー」

「え? 会長?」

「そうです。愛しの会長様ですよーあえて嬉しい?」

「いえ…普通です」

「んそっかー。残念、今度は嬉しいって言ってもらえるように頑張るね。☆」


 お茶目にウインクしてきた。テンションの浮き沈みが激しい人で彼女の本心がつかめない。

 戸惑う俺の手を掴まれた。


「さ、いくよー」

「おちょ。どこ行くんですかぁ?」


 魔法なのか全く抵抗できずに引っ張られることしかできなかった。


 ーーーーーーーーーーーーー


 連れてこられたのは会長の自室だった。

 むしろ中に入れるなんて嬉しがる連中は嫌ほどいるだろう。


 机を間に向かい合わせで座り、紅茶を出された。


「なんでって顔してるね? そんなに見ないでくれると嬉しいかな」

「え、ごめんなさい!」


 そこまで怒気は放っていないように感じたが、身体が強張ってしまうのを感じた。


「それでね。ちょっと立て込んでるからここでゆっくりしてもらえるかな?」

「え?」


 その瞬間に目の前の視界がぐらつく。


「まさか…」

「ごめんね…。でもわかって欲しいな」

「くっ………………」


 俺の意識はそこで途切れた。


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