第17話
部屋を出ると正面に生徒会長がいた。彼女が事の顛末を知らないわけがないのだ。
「少しお時間よろしいでしょうか?」
「ええ…」
特に断る理由はなかった。
二人はロビーではなく、鳳梨の部屋で話すこととなった。カナリア的にも異存なかった。
部屋で小さなテーブルに案内され、そのイスに促され座った。生徒会長も反対側に座る。
「話は情報確認です。今回誠くんはまるで別人のように振る舞いいともたやすく相手を無力化したと報告を受けました。間違いありませんか?」
「ええ、もう少し大げさでもいいと思いますが、大方間違いありません」
「大げさ…というと?」
鳳梨が追求してきた。特段隠すことではない。
「おそらくですが、扱った魔法もまるで別人でした。多分あれがコバルトなんだと私は思っています」
彼女は思案した表情で「そう」とつぶやきながら椅子にもたれかかった。
「どんな魔法だったの?」
「無力化というよりは屑物にしたというほうが正しいでしょうか。相手はただの灰になってしまいました…」
「それは一瞬で…?」
「一瞬で…です」
「………。これはまずいかもしれません。分かりました。とりあえず、あなたはこの後の報復にそなえるようにしてください。今度はヘマしないように」
「っ! はい!」
生徒会長は常に先のことを見据えていた。私はそれに感服しつつもすぐに行動に移すことにした。
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