第3話 レクチャー1
それから父親から魔法の指南が始まった。文字でいうほど厳しいものではなく、初歩的なものだ。
「まず魔法は便利なものではあるが、それだけに固執していてはいけない。なぜならばまだまだ不明な部分も多いからだ。例えば……」
父親は立ち上がり人差し指をピンと出した。その先から炎がボワッと吹き出た。
「と、炎を出してみたけれどもそれがどんな理論で出してられてるのか、我々の中でどのような回路、または仕組みで
父親の話に自分は首を縦に振った。
「では、お前にもこれを出してもらう。頭の中で今の情景をイメージして、人差し指に炎が出るように念じなさい」
「わかった」
そういい、人差し指を前に出すと父親は自分から一歩下がった。
(炎が出るイメージ………)
頭の中に今の情報を映し出す。
「うわっ!」
やや勢いよく炎が出たが一瞬のみで持続には至らなかった。
「誠、イメージを現実に反映する感じで炎を出せたのは良かったが、それを頭の中で維持しなければここでも維持できないぞ。今度はそのイメージを維持しなさい」
「はい」
父親の言葉にうなずき、指を構えた。
先程のイメージを願望に乗せて現実世界に投影する。
「おっ!」
人差し指に炎がともった。今度は一瞬で消えることはなく風に揺らめきながらもその形を保っていた。
「やったー!」
子供ながらに魔法が使えたことが嬉しかった。前世の記憶があるもののそんなことはできなかったというのもあるかもしれない。
「わっ!」
やはり少し爆発するような形で消えてしまった。その姿を見え父親は苦笑した。
「イメージが切れてしまったな…でも、そういうことだ。魔法は想像とイコールと思ってくれればいい。自分のイメージを現実にする力と思ってくれればいいだろう」
「じゃあ…そうぞうすれば……あ……」
「ははは……いい鳴りっぷりだな…」
興奮気味に父親に問うたところで盛大にお腹がなった。父親とはいえはずかしい。
「魔法発動にはエネルギーがいるのは当然だ。だから、そう簡単にいくらでも発動はできないよ。かつ脳の処理があると考えられているために結構なエネルギーを消費しているらしい…ってお前には難しいか…」
「ううん…魔法についてもっと教えて!」
「お、そのいきやよし!でも、まずは腹ごしらえだな…」
頭をくしゃくしゃされたあと家に向かって歩くのについていった…。
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