胸騒ぎの正体は…

そして、その翌日。


学校にいくと、君はいつまでたってもこなかった。


嫌な胸騒ぎがした。


とても嫌な…


チャイムと同時に担任が入ってきた。


担任こと、ゆっちゃん。


いつもなら、笑顔な彼女が、すごく強張った顔をして、壇上に上げる。


その様子に私の嫌な胸騒ぎはどんどん現実味を帯びていった。


そして、彼女の口から告げられた言葉。


「みなさん、大事な話があります。清原 亮くんは…」


その瞬間、私の心になにかぽっかり穴が開いたような気がした。

でも、もう、手遅れだ。

いや、違うな。手遅れではない。

どんなに後悔しても時間は巻き戻せない。


でも、私には、まだチャンスがある。


ほんとは怖くて逃げ出したい。


でも、信じたい。


たとえそれが、たった数パーセントの可能性でも…


そう思って、先生の話を聞いてすぐ、学校を飛びだした。


そのあと、怒られたのはいうまでもないけど。

そして、病院に、向かった。


君がいる病院へ。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る