第18話 マラソン中の戦闘はパターン化するにかぎる

「グゲェッ!? 」


 何の前触れもなく、後頭部へとぶつけられる卵型の岩石。


 流石のデカ斧鼠先生も頭を強打されれば気を失う。


「悪いな」


(恨むなら、後ろ向きでアンタをこの場所に配置した製作者を恨んでくれ)


 岩球吐きと呼ばれる岩竜人族専用の戦技でデカ斧鼠先生を強襲し、気絶させた俺は。


 白鱗岩の大斧を取り出し、力を溜める。


(岩球吐きは発射までの時間がクソ長いからゴネス戦では使わなかったが…。 ここでは活かせるな)


「ふんぬッ! 」


 頭を抱えたまま動かないデカ斧鼠先生の腰に目掛けて、大斧の溜め強攻撃をぶちかます。


 ロードシリーズにおいて気絶と大ダウンはどちらも行動不能になるという共通点はあるものの別扱いの状態異常なため。


 気絶をとったことで敵に気絶に対する耐性が出来ても、大ダウンはそのまま問題なくとることが出来る。


 気絶値だけでなく崩し性能も高い岩球吐きに加え、溜め攻撃である縦斬りをもろにくらったデカ斧鼠先生はその場で膝をつき大ダウンをとられた。


 気絶と違い、大ダウンをとられた敵は一定時間防御力を無視した攻撃である「致死の一撃」受け付け待機状態となってしまう。


(白鱗岩とはいえ、致死の一撃であれば― )


「終いだ」


 脳天に突き刺した大斧を血飛沫と共に引き抜けば、事切れたデカ斧鼠先生は力なく地面に転がり。


 そのまま世界の歪みへと消えていった。


(収穫は…なし、か)


 ここまでがワンセット。


 デカ斧鼠先生との戦闘は今ので完全にパターン化出来ることが分かったので後は根気よく周回し続けるだけだ。

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