第6話 思惑
それから僕は祖父に言われた通り、
話しかけられる度に無視して、耶永だけでなく、女子とは話さないよ、という
ただ、学校内の
女生徒達は大人数で揉めて、手を出す事もあったので、その
これじゃまるで、関係の無い僕らが
家を出た時には何ともなかったが、学校の近くになると、急にこめかみの辺りが痛みだし、頭の上には何かが乗っているようにも感じる。
何となく、守護霊が行くな、とでも言っているような気がした。僕だって、行かなくて良いなら、行きたくはない。
途中で少し休んで遅くなってしまった僕は、通学路を1人で歩く。
そして、やっとの思いで学校に着くと、目の前に、真っ黒な高級車が止まった。
———なんで学校に、高級車が来るんだろう……。
僕が車を見つめていると、運転手が降りてきて、後部座席のドアが開かれた。
ドアが開いた瞬間に、なんとなく嫌な予感はしたが、車から降りてきた女生徒は、僕が一番会いたくなかった人物だ。
耶永は、今までの事が何もなかったかのように、明るく微笑みながら僕に話しかける。
「おはよう。どうしたの? 変な顔をして」
ずっと耶永を
「その
「そんな事ないよ、楽しいよ?」
「何が? 最近喧嘩してるのって、お前の取り巻きばっかりじゃないか。あのブレスレットの所為だろ?」
「やっぱり視えてるんだね。あれは、キミみたいな人には効きやすい筈なのに、どうして効かなかったの? ブレスレットを
「関係ないだろ、何がしたいんだよ!」
「別に私は、みんなと一緒に遊んでるだけだよ」
「みんなを使って、遊んでるだけだろ?」
段々と声が大きくなる僕を見て、耶永は楽しそうに笑った。
「本当に面白いね、御門くんは。何ムキになってるの? こんなの、ただの遊びじゃない。視えてるなら、楽しめば?」
「くだらないし、迷惑なんだよ!」
「御門くんが、私と仲良くしないからだよ。仲良くすれば、楽しいのに。そうだ、良いこと教えてあげる。今日、すごく楽しいことが起こるよ」
「はぁ? まだなんかするつもり?」
「まだ何もしてないよ。やっと準備ができたんだ。私が作ったブレスレットは、全部で42本あってね、
「そんなのに、なんの意味があるの?」
「だから、ただみんなで遊んでるだけだよ。あ、早く行かないと遅刻するよ?」
本当に、ただ遊んでいるだけ。そんな感覚で人を呪ったりできるものなのだろうか?
耶永は、何事もなかったかのように、学校の中へ入っていった。
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