第10話 高齢者って、何のためにいるの?保護者も、知っておきたい!園児の事故って、バスだけじゃなくって、こんなところでも起こります!

 ぜひ、知っておきたい!

 「園児の事故は、スクールバスの中だけで起こるものじゃないんだよ?」

 園外保育にも、気をつけたい。

空き家が多くなりすぎている日本の今も、危ないんだ。

 その空き家に、園児が、なんとなく近付いていくことでも、事故が起きる。

 保育士は、ちょこまか走り回る園児の動きを、追い切れない。いやな話だけれど、園児が、空き家の廃材の下敷きになっているということもある。

 園外の散歩などから帰った後にも、気を付けなければならない。活発な園児は、どこにいくのか、わからないんだ。

 土曜保育にも、気を付けたい。

 土曜日では、いつもは担任をしてくれる保育士がいない場合がある。

 園児の構成が、平日とずれる。こういう日にも、園児たちを、把握しきれなくなるんだという。

 新年度や休み明けなどにも、注意!

 保護者たちは、気になることがあれば、園に、どんどん、相談しよう。

 ただし、こうは、言わないように。

 「保育士たちは、何をやっているんだ!孫たちの命を守ろうっていう気持ちがあるのかね?わしの、かわいい孫を!」

 じゃあ、あなたたちが、やってみなさい。それもできずに、保育士たちの文句を言うのは、高齢者の悪いところだ。

 孫が大切なら、高齢者も、動け!

 地域や役所と一緒になって、危険な空き家の敷地の入口に、入っちゃダメの柵を置いたりね。

高齢者は、何のためにいるの?

 「…ごめんね、ユズハせんせい?」

 「どうしたの、マキちゃん?」

 「わたし、はんこうきだったの」

 「え、え?」

 「だから、にげちゃったんだ」

 「そっか」

「うん!」

「でも、見つかって、良かった!」

 「…せんせい。ごめんね?」

 「謝らなくて、良いのよ?…ああ、私は、園児たちを守れた。保育士になって良かったなあって、思えて…あ」

 ユズハ先生の、気付き。

 「園児たちは、見つけてくれてありがとうっていう言葉をかけて、保育士に自信をつけさせるために、どこかに、いっちゃっていたんじゃないのかな?」

 ユズハ先生は、そう思うことにした。

 それが、たとえ、大人の思い込みといわれようとも。






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