第7話 異世界ゲーセンには、こんな裁判がおこなわれているんです!園児たちが、保育で悪いことをした大人たちに、罰を与えるんです!

 異世界ゲーセンで、園児たちが、大人に言う。

 「これまでの、ほいくでしたわるいおこないを、こくはくしてください」

 その告白にたいして、園児たちが、審判を下す!

 その審判によって、ゲーセンの掛け金や景品が、変わっていくとか?

 「私は、人数確認を忘れて、園児を、スクールバスの中に閉じ込めたままにしてしまいました」

 「あなたは、いけない大人ですね。ゲームを、 100回は遊ぶ刑にします」

 そんな、ある日。

 マキの通う園で、また、園児がいなくなる事故が起きた。

 「どこー?」

 「どこなのー?」

 保育士たちは、園児を探しまわった。保育士のユズハも、泣きそうになっていた。

 探して、探して…。

 が、見つからず。

 悪いことは、続いた。今度は、マキまで、いなくなってしまったのだ。

 「マキちゃーん!」

 「どこー?」

 そのころ、マキは…。

 意外に、のんきだった。

 「あ。マキちゃん!」

 「おひさ!」

 「おそいよう!」

 「ごめん、ごめん」

 「しんぱい、しちゃったよ」

 「うちのほいくえん、ぬけだすのが、むずかしくてさ」

 彼女を出迎えてくれたのは、他の園の子たちだった。

 大人は、園児たちのいく場所を知らない。園児たちのほうは、大人の青くなった顔なんて、知らない。

 「マキちゃん?」

 「なあに?」

 「ステキなけいひんを、つくろうよ!」

 異世界ゲーセンには、たくさんの大人たちが、やってきた。

 その日は、ついに、彼女の通っていたもみのきてんしのはほいくえんの園長まで、やってきてしまった。

 「ようこそ」

 「…あれ?俺は、どうして、こんなところに、きてしまったんだ?園長室に、いたはずなのに?」

 「ようこそ」

 「…おや。マキちゃんじゃ、ないか。夢でも、見ているのかな?」

 「えんちょうせんせい?」

 「な、何かね、マキちゃん?」

 「これは、ゆめです」

 「ああ、やっぱり。そうだったのか」

 「おこまりのよう、ですね」

 「実は…」

 ノワキ園長の裁判が、はじまった。

 「告白します」

 園児のスクールバスで、点呼をしっかりとらなかったこと。園児を、車内に置き去りにしてしまったことが、告白された。

 最後に、ノワキ園長は、涙ながらに付け加えた。

 「私は、子どもたちを守る園の責任者でありながら、園長室の作業ばかりに追われてしまい、園児たちを、細かく見てあげられませんでした」

 異世界ゲーセンの裁判、どうなる?





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