第3話 「わたし、きょうから、はんこうきにはいります!」園児たちも、怒っています!さて、さて。保育の配置基準って、知っていますか?

 保育は、つらいよ。

 「保育士の免許は、取った」

 「でも、こんなにも忙しい現場じゃ働きたくないよ」

 子どもを預かる人が、集まらないまま。新年早々の、妊娠結婚発表の芸能人じゃないけれど、幸せの基準が違ったりする人には、さけられる仕事だろうなあ。

 「保育士には、人の命を守る責任があります!素晴らしい仕事、です!」

 そういっても、その責任に見合った給与ももらえないんじゃあ、仕事のモチベーションも下がるし。

 かと、いっても…。

 「保育士たちばかりに、責任があるんだろうか?」

 保育士たちの事情も、考えたい。

 人手が足りなければ、保育士 1人 1人の仕事が、パンパンだ。

 バスの運転手からはじまって、保護者からの電話連絡も受けなければならなくなる。本来、やらなければならない保育業務に、集中できなくなっていく…。

 これって、教師に、似ていませんか?

 「学校の先生の仕事、きつい」

→「若い世代に、さけられる」

→「採用試験のハードルを、下げる」

→「レベル落ちっぽい人も、先生になれてしまう。そういう先生が、事件を起こす」

→「学校の先生が、きらわれる」

→「先生のなり手が、いなくなる」

→「人手不足」

→「今いる先生の仕事が、増える」

→「本来の仕事に、集中できなくなる」

 こんな、くり返し。

 ベテラン保育士でも、たくさんの園児を 1度に見ていれば、園児を、見逃してしまいがち。

 小学生になるのを前にした年代の子は、動きが早い。数秒間でも、保育士の視線から離れれば、見つからなくなることがある。

 保育士たちを苦しめるこの問題を、知っていますか?

 「配置基準のルール(が、きつすぎる)」

 意外に、知らない事情。

 保育現場で働く人たちには、「配置基準」っていうルールがある。これが変わらないから、園児の事故も、変わらないんじゃないのかな?

 配置基準というのが、これ。

 「保育士が、 1人あたり見る園児、幼児の数のルール」

 この基準は、戦後まもなくから、あまり変わっていない。

「社会の流れに合わせて、生き方、働き方を変えよう」

 って、できていないでしょ?

 園児も、怒っています!

 今朝、母親と、保育園に出かけるとき。マキちゃんは、不思議なことを言った。

 「わたし、きょうから、はんこうきにはいります!」







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