古墳
中学の先には古墳もある。
そして、中学のまわりは、ちっちゃな森みたいに、草木の繁った場所になっている。
だから、帰り道は、マーリアちゃん楓ちゃんといっしょに帰りながら、森の中を歩いて、3人でチュッてしてから、いつも帰っている。
放課後は、美術部で、また、楓ちゃんといっしょに絵を描いている。
音楽や体育も、中学でめっちゃ好きなんだけど、やっぱりいちばん好きなのは美術かもしれない。
音楽や体育も、美術と同じくらい好きなんやけども...
マーリアちゃんも美術部のほうに来るようになってきた。
家のすぐ近くにも、今城塚古墳っていうのある。
継体天皇っていう、生存の確認されている最古の天皇の埋葬されている古墳なのでは...と考えられている古墳らしい...
でも確定ではないからか、古墳を歩けるみたいだ。
それだからか、家のまわりも、めっちゃ歴史的な雰囲気ただよっている。
部屋にいても、なんだか、いつも、何か歴史的な何者かの存在を感じてしまう...つまり、何者かの霊のような存在を。
こんなふうに感じるのって、やっぱり今いるこの場所は、京都にめっちゃ近い大阪の土地やからかなあ~って思う。
電車に乗って2駅も行けば、もう京都府になるこの土地は、近くに、弥生時代の遺跡から、古墳時代の古墳群、そして戦国時代の山崎の戦いのあった山崎や、江戸時代の西国街道などなど、いろんな時代に渡って、歴史的遺産の多い土地柄だ。
平安時代に関係する場所もある。
世界のいろんな場所で暮らしてきていても、こんなに歴史的に奥深い場所も、なかなか他にはないように思う。
だから、家の部屋にも、なにかしら霊の存在を感じてしまったとしても、この場所のことを考えたら、何かいても、それも充分ありえることやなあ~って。
つまり、部屋にも、なにかしら霊も存在していて、おかしくはないなあと。
実際、部屋で寝てると、霊に優しく抱きしめられているのを感じている。
体を優しく抱きしめられて愛撫されているように感じる。顔にもキスされているふうに感じる。
女の子の霊なのかなあ~?って思う。
好きなのかな?ボクのこと...って思う。
そして、部屋にいると、めっちゃ絵を描きたくなってくるから、芸術家の女の子の霊なのかなあ~って。
女流作家とか女流画家とか、そういう女の子の霊のような雰囲気をめっちゃ強く感じている。
ボクは、ちっちゃい頃から、女の子みたいな体だったけど、毎晩、霊の女の子に体を抱きしめられて愛撫されているうちに、もっと女の子っぽい体になってるのを感じる。
優しくて、やわらかくて、めっちゃ曲線的な可愛らしい女の子の体に。
なんとなくだけど、ボクは、ちっちゃい頃から、今と同じように優しく抱きしめられていたのかなあ~って思えてきたりもする。
前から、ずっと、優しく抱きしめられてたのかなあ~って。
ずっとボクのことを優しく抱きしめてくれていたのかなあ~って。
そんな、なんか、めっちゃ懐かしい気持ちにも、なってきたりもしている...
なんとなく、自分の芸術のお師匠さんの女の子の霊に、いつも優しく愛撫されているみたいなのだ。
マーリアちゃんに、夜、ボクの部屋に来てもらった。
マーリアちゃんは
「まだ、あやめっちの部屋にいる子のことは、あやめっちには言わないー」
って言っている。
「なんで~?」
って聞いても
「なんでも~」
としか答えてくれない。
だから秋のある日、楓ちゃんに、ボクの部屋に泊まりに来てもらった。
楓ちゃんは
「あやめっちの部屋には、何かいるんだって~?可愛い女の子でもいるの~?」
って、めっちゃ楽しそうに、ボクの部屋にやって来た。
「そうやねんっ。でもな、なんかな、なんとなくなんやけど、ボクのお師匠さんか何か、そんな人、そういった女の子のような感じをいつもしてんねんな~」
ってボクは説明した。
「あやめっちのお師匠さんか何か?」
「うんっ!お師匠さんか、あるいは、ボクのお姉ちゃんだとか、そういう人、そういう女の子なんちゃうのかな~って...なんとなく、いつも、そんなふうに感じてる...」
「ってことは~、あやめっちは、その女の子のお弟子さんか、弟か、そんな感じなん?」
「そうやなあ~、そんな感じやなあ。ボクのことをめっちゃ好きで会いに来てくれてる感じやねんっ」
「あやめっちも、今、 中3やから、高校受験とかを応援しに来てくれてはるんやろか...その女の子は...」
「どうなんやろな~?でも、毎晩、優しく愛撫してくれて、顔にもチュッてキスしてくれてるのを感じるから、前からボクのことをめっちゃ好きだったのかなあ~って感じはしてる...」
「へぇー?どんな関係なんやろなあ?その女の子とあやめっちとは...」
「う~ん...でも、昔から、その女の子にいつもギュッと優しく抱きしめられていたような気はする...なんとなく、その感じは覚えているような...」
「ええーっ!いったい何時代の女の子なんやろなあ~?」
「ほんまやなあ...」
「その女の子は、芸術家みたいなん?」
「そやねん...なんかな、芸術に対して、もっと高い意識を持ちなさい!って、ボクに言ってくれてるみたいやねん...」
「えーっ!それは、やっぱり、あやめっちのお師匠さんみたいやなあ~」
「そやろっ!ボクもそんな感じ、いつもしてんねんなあ~」
「あやめっちに、芸術に対して高い意識を持つように説いてくれてはるんやな?」
「うんっ!そやねん...なんかな...宇宙へとバァーって広がっていくような高い意識を芸術に持つように!って、毎晩ボクに説いてくれてはるみたいやねんっ、その女の子は...」
「お師匠さんやなあ~、その特徴は...」
「そやろ...なんか、そんな感じやわ!弟子のボクのことをめっちゃ愛してくれてるみたいやねんっ!」
「良きお師匠さんなんやろなあ~きっと...あやめっちにとって...」
「そうなんかなあ~」
「弟子のあやめっちのことを好きで好きでしょうがないんやろな...きっと!」
「お師匠さんのようでもあるし...お姉ちゃんのようでもあるし...そんな感じ」
「その女の子は、きっと、ほんまは、あやめっちにめっちゃ会いたいんとちゃうのかな?」
「そうかな?」
「そうやで!ほんまは、会いたくて会いたくて、ほんまに、あやめっちのことをギュッて抱きしめたくてしょうがないんちゃうかなあ~」
「毎晩あやめっちのところにあらわれて、芸術論を説いてるんやろ?」
「そうやねん!ほんまにそう感じるねん」
「ってことは、その女の子も芸術家なんやろな」
「その女の子と、あやめっちとは、芸術のお師匠さんと弟子とで、前から、つながっているのかもなあ」
「そうかな」
「それか、お姉ちゃんと弟として、前から、つながっているのかもなあ」
「そやろか」
「その女の子は、あやめっちのことをお師匠さんかお姉ちゃんみたいな感じで、毎晩あやめっちのことを想ってくれてるんやろな!」
「そやろなあ」
「なんであやめっちには、女の子ってわかるの?」
「雰囲気的に、毎晩ボクのことを優しく抱きしめて愛撫してくれてて、キスしてくれてるのを感じると、やっぱり女の子なんやろなって思うからな...」
「そっかあ」
「まあ、たぶんあやめっちの話を聞いてると、その子は芸術家なんやろなってことは、はっきりしてるように思うわ...」
「そうなん?やっぱり?」
「あやめっちに対して、毎晩、芸術に対して、もっともっと意識を高く持つようにって説いてくれてるのを感じるってことは、それはもう芸術家なんやろなー!自分でも芸術をやってはる人なんやで」
「うんっ!ボクもそんな感じする」
「そやろ!」
「そして、その子のあらわれた時には、なんとなく甘くて優しい香りに包まれているように感じるから...」
「てことは、やっぱり、優しい女の子なのかもしれへんなっ!きっと...」
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