女子とお風呂
長野の善光寺に行ったあとは、鬼押出し園っていう、きれいな色の湖のようなもののある、なんだか不思議な場所を見学してから、宿泊先に到着した。
楓ちゃん、マーリアちゃんといっしょに、部屋にカバンを置いて、たたみの上で、3人でゴロ~ンと横になって、ゴロンゴロンしていた。
優美先生からも
「マーリアちゃん、楓ちゃん、あやめっちは、3人で同じ部屋にしなさいね~」
って言われた。
「それで、いいでしょ~」
「ハ~イッ!いいで~す!」
「まさか、楓ちゃんとマーリアちゃんと3人で、修学旅行に来て、ごろごろ出来るなんて思ってなかったよ~」
「ほんまやわっ!パリのマーリアちゃんのことは、いつも、あやめっちから聞いてたから知ってたけど、まさか、いっしょの中学で、いっしょに修学旅行に来るなんて思ってなかったょ~」
「あははは、3人って、なんか面白くていいねっ!2人より3人って、なんだか面白いね~」
「小学生の頃から、あやめっちは、マーリアちゃんのことばっかり、しゃべってたんやで~」
「そうだったの~?」
「マーリアちゃんには、あやめっちのことをなんでもわかっちゃう不思議な能力を持ってるだとか、そういう話をいつも、わたしにしてくれていたんやでー!」
「えーっ?ほんとー?」
「走り幅跳びだって、マーリアちゃんは、初めて跳ぶのに、めっちゃ跳んでるって話なんかをいつも、めっちゃ嬉しそうに、わたしにしゃべってくるんやから...」
もう夜になっていたので、みんなで晩ごはんを食べる時間になった。
信州蕎麦も食べた。美味しかった。
楓ちゃんもマーリアちゃんも美味しそうに食べている。
マーリアちゃんは、日本の中学生のみんなといっしょに旅行して、そして大広間で、みんなといっしょに食事をしていることに感動している。
あと、フランスの学生には特に制服みたいなものはないから、日本の中学生の制服にも、マーリアちゃんは、めっちゃ喜んでいる。
食事のあとは、大ホールで、クラス対抗合唱コンクールみたいなのをやった。
この日のために、修学旅行の何日も前から、クラスごとに、みんなで合唱の練習をしてきた。
夜、宿泊先で特に何もやることないとあかんからって思って、先生もクラス対抗合唱コンクールを企画したのかなあ~っ。
パリの小学校の時に、マーリアちゃんと少年少女合唱団に入って、いっしょに歌を歌っていた頃のことを想いだす。
「マーリアちゃんとは小学生の時いっしょに歌ってたんだよねー」
「ねー」
「えーっ?そうやったんやー!いいなー!2人いつも仲良しで...あやめっち、いっつもマーリアちゃんのことをわたしに話してくれるんだよ~っ!」
「えっ?そんなにマーリアちゃんとのことばっかり、しゃべってたっけか?...」
「もうマーリアちゃんとのことばっかり、いつも、しゃべりまくりやんっ!いつでも、あやめっちはマーリアちゃんの話しか、してへんような感じやからなっ!」
「えへへ...そうかもしれへん...」
「あやめっちはマーリアちゃんの話をしてくれてる時は、いつもめちゃめちゃ嬉しそうなんやからー」
「そうかなあ...あはははは...」
「マーリアちゃんのことを話してる時は、いつもパリのほうを見てるんやで!あやめっちは!」
「えーっ?そうやったんや...」
この日はマーリアちゃんと楓ちゃんとに、はさまれて、歌を歌った。2人にはさまれて歌を歌うなんて初めてやから、なんだか、めっちゃ新鮮な雰囲気だ。
合唱コンクールのあとは、部屋に戻って3人で休憩していた。
3人で、また部屋のたたみの上でぴったりくっついて、ごろごろしながら、しゃべったりしている。
体育館みたいなところもあったので、いっしょに行ってみた。
中にバスケット用のコートもあったから、3人でバスケのシュートをしばらくやっていた。
「あやめっち、バスケのシュートめっちゃ上手いねー!」
ってマーリアちゃんも、ほめてくれた。
「中1の時バスケ部に入ろうかと思ってたしねっ」
「いっしょに美術部にしたからなっ!」
って楓ちゃん。
「そうやったよなーっ!楓ちゃんは、あれからずっと美術部やったん?」
「そうやで~。美術部やで!あやめっち沖縄に行ってからもずっと、わたしは美術部一筋」
「ボクも沖縄の中学行っても美術部やったんやで」
「そやな~。あやめっち、また美術部に入ってくれたし」
「まあ、中学の中では、美術いちばん好きやから!」
「もうすぐ、中学も卒業してまうけどもなっ」
「そやな!」
「また、あやめっちといっしょに美術部やから、めっちゃ嬉しいねんっ」
「あっ!そうや!」
「なに?楓ちゃん」
「あやめっち、走り幅跳びは、どうなったん?」
「小学生の時は、大阪では楓ちゃんで、パリではマーリアちゃんに、いつも2人に見守ってもらいながら、走り幅跳びを跳んでたからねー」
「そうそう!」
「パリではマーリアちゃんもボクといっしょに陸上部に入ってくれてて、走り幅跳びをいっしょに跳んでて、ボクよりも跳んでるんやから...マーリアちゃんすごいよー」
「あははは」
「けっきょくマーリアちゃんの話になってまうんやからなあ~マーリアちゃんは、すごいっていう話に」
それから、楓ちゃんとマーリアちゃんと3人でいっしょにお風呂に入ったったーっ。
優美先生からもボクは女子とお風呂入るように言われている。
「小6の修学旅行でも、楓ちゃんといっしょにお風呂入ったなあ!」
「別府温泉に行って、いっしょに温泉に入ったよなあーっ」
「別府温泉めっちゃ気持ち良き温泉やった」
「温泉たまごもめっちゃ美味しかった」
「ほんま、それなー」
「楓ちゃんみたいにぷるんぷるんしてたよな~温泉たまご!」
「あははは」
「プリプリしてた!まさに楓ちゃんみたいに...」
「あははは美味しかった」
「あやめっちの背中、洗ったるよっ!」
「えーっ?ええの?」
「ええよ!修学旅行でいっしょにお風呂に入った想い出にもなるやろっ!」
「そやなっ!ありがとう」
楓ちゃんは
「ゴシゴシ!ゴシゴシ!」
って言いながら、ボクの背中を石鹸いっぱいのタオルできれいに洗ってくれた。
ボクも楓ちゃんの背中を洗ってあげた。
「ゴシゴシ!ゴシゴシ!」
「ありがとう、あやめっち!」
「楓ちゃんの背中めっちゃきれいになったよ~!つるんつるんで、ぷるんぷるんしてる背中になった!」
「わははは」
マーリアちゃんは、そんな楓ちゃんとボクとの、お風呂でのやりとりを優しく笑いながら、見守ってくれてるような感じした。まるで聖母マリア様のように。って言っても聖母マリア様のことなんて、まだまだ、よくわかっていないボクだけども...
「えいっ!」
って言って、マーリアちゃんに向かって、お湯をかけた!
「きゃあああ!あやめっち!何すんのーっ!」
「あははは、マーリアちゃんといっしょにお風呂に入った記念だよーっ」
「じゃあ、わたしも~」
って言ってマーリアちゃんにお湯をザバーッて、かけられた!
「うわーっ!気持ちええーっ!マーリアちゃ~ん!好きやあああ」
「えっ?」
「ん?」
楓ちゃんは、そんなマーリアちゃんとボクのことを優しく笑って見ている。
部屋に戻って、楓ちゃんとマーリアちゃんとの間にふとんを並べて、2人にはさまれて、両手を2人とつないで寝た。
「あやめっちといっしょに同じ高校に行けるとええなーっ!」
「ほんまやなーっ!」
「わたしもーっ!」
「マーリアちゃんも?」
「わたしは日本の女子高生になりたいーっ!」
「えーっ?そうなのー?」
「毎日、日本の女子高生の制服で学校に通いたいんだよーっ!」
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