庭
ニースから大阪に移住してきた、おばあちゃまとおじいちゃま。2人とも日本のことをめっちゃ大好き。
フランス人なのに、家では毎日、日本のお経をとなえている。
フランスに住んでる時に、日本文化を学ぶ教室みたいなのに2人で通ってたみたいだ。
日本のことをけっこう色々と詳しいみたい。
庭には、日本のビワの木を植えている。
池で、日本の鯉を何匹も泳がせている。
めっちゃきれいな可愛い鯉たち。
2人とも日本食も大好きなので、家でいっしょに食べるご飯も、日本食をつくってくれる。
ボクも美術を好きだけど、2人も美術を好きなので、よく美術館に絵を観に行ったりしている。
2人ともフランスで絵を描いていた。
ボクも、2人のそういうところを受け継いでいるのかも。
美術といえば、なんといっても、やっぱりフランス!っていうところもあるように思う。ボクは美術もフランスも、やっぱりどっちも大好き。
家の庭には、1面に芝生を植えているから、めっちゃ気持ち良い。1面きれいで可愛い緑。
いつも、はだしになって、芝生の上を歩いたり、寝っ転がったりしている。
おばあちゃまもおじいちゃまもニースにいた頃から、お庭をつくるの好きみたいで、大阪の家に来てからも、いつも庭をめっちゃきれいにつくっている。日本の庭園も好きみたいなのだ。フランスの庭とは、また違ってて、どっちも好きらしい。
フランスの庭は、人の手によって造りあげていくけど、日本の庭園は自然の美しさを大切にするらしい。自然の美しさの調和を心がけるらしい。
だからか、2人の造ってるお庭も、自然的だ。なんか、自然の緑や木々を大切にされている。そこも見てて好きだなあ~。
おばあちゃまもおじいちゃまも、ボクのこと好きみたいだから、いっしょに暮らせてめっちゃ喜んでいるみたい。
ママの子ども、つまり、2人の娘の子どものボクは、やっぱり可愛いのかなあ。
おじいちゃまは、魚を料理するの、めっちゃ上手い。
たぶん、ニースの頃から、地中海で捕れた新鮮な魚介類を料理していたんやと思う。
鯉も好きやし、植木も好き。
めっちゃ大阪人みたいなニース人。
おばあちゃまも、中3のボクの腕に手をまわして、よく腕組みをしてくる。
それをめっちゃ自然にするところはフランス人なのかなあ~って思う。
2人とも、日本のアニメや時代劇なんかも好きなので、よく見ている。
フランス人とかも、今や、みんな日本のこと好きで人気あるのは、アニメや漫画やゲームなどもあるけど、日本にめっちゃアイドル多いのも、日本を好きな理由なんやろなって中3のボクは思っている。
日本で、みんなアイドルの誰かを推しているように、フランス人も日本の何かをみんなそれぞれ推しているように思う。
日本人もフランス人も、何か自分の好きなものを推す気質は似てるのかなあ~って。
フランス人に限らず、世界中の人々は、今、日本の推しの文化に、はまっているように思う。
みんな、きっと推すことを好きなのかなあ~って思う。
ボクのママはフランス人だから、ボクはフランスも好きだし、パパはアメリカ人だから、アメリカも好き。
だけど、ママもパパも日本のことをめっちゃ好きなので、ボクも日本のこと、めっちゃ好きなのだ。
大阪でも、アイドルのライブやフェスなどやっているので、楓ちゃんとも、よく観に行っている。
アイドルグループのパラレルワールディのアムピョンのところにも会いに行ってみた。
「あーっ!あやめっち!大阪にも来てくれたのーっ?」
「今、大阪に住んでるんだょー」
「えーっ?そうなんだー!沖縄で、よく会ってたよねー?」
「うんっ!沖縄から大阪の中学に転校して来たの!」
「うわーお!そうなんやあー!」
握手して2ショットチェキを撮った。
アムピョンも中3で、ボクも中3。
だから、2人は、めっちゃ仲良し。
いろいろと中学のこととかも話をしている。
「ボクの家の近くには古墳もあるんだよーっ!」
っていう話をしたら
「えーっ?古墳あるのーっ?すごーい!」
っておどろいていた。
話にのってきてくれるから嬉しい。
「家のちょっと先には、百人一首なんかで知られている伊勢さんの伊勢寺もあるんだよーっ!」
っていう話をしたら
「えーっ?伊勢さんー!あの、なにはがた~の伊勢さんー?えーっ?なにそれー?すごーい!」
ってびっくりしながら話にのってきてくれて嬉しい。
「アムピョン、伊勢さんの、なにはがた~を知ってくれてるなんて、めっちゃ嬉しいー」
って返した。
家には、楓ちゃんも、よく遊びに来てくれる。
中3でも、また美術部に復帰したから、楓ちゃんと家で、いっしょに絵を描いている。
楓ちゃんにモデルになってもらって!
絵を描くために、楓ちゃんをじーっと見つめていると、どうしても紅くなってきてしまう。
夏休みになった。
ある日の夕方、いきなり
「あやめっちーっ!こんにちはだよーっ!会いに来たよーっ!」
って、懐かしい声、玄関で、響きわたっていた。
「えーっ?この声は...まさか!...まさか、あの...」
部屋で、ノートに、えっちな女の子の絵をいっぱい描きまくっていたボクは、飛び上がった!
「えーっ?なんと!ほんまに会いに来たのかーっ?」
ボクは、2Fのボクの部屋のドアを開けて、階段をおりて行った。
「うわーっ!ほんまに来てるーっ!大阪まで来たんやーっ!」
「あやめっち!ひさしぶりだよーっ!」
「うーわっ!まさか、ほんまに大阪に来るなんて...」
「ひとりで来たのー?」
「うんっ!ひとりだよーっ!」
「きゃあああ!マジでかあああ!」
「あやめっちー!会いたかったよおおお!」
って言いながら、ボクに向かってダーッて走ってきて、ピョーンて飛び上がって、ガバーッてボクに抱きついてきた!
「うわーっ!ひとりで大阪まで来ちゃうなんて、すごいなーっ!」
「えへへ!あやめっちー!」
「小学校の5年生以来やもんなーっ!」
「3年と、ちょっとぶりってこと?」
「そうやな!」
「きゃあああ!あやめっち!大きなったなあ!」
「マーリアちゃんも、めっちゃ大きなったなあ!」
「そ~お?そんな、かわらへんのとちゃう~?」
「おっぱい、めっちゃ大きなってるー!びっくりしたーっ!抱きついた時に、ポヨヨ~ンって、なってたーっ!」
「きゃあああ!あやめっちのえっちーっ!」
「なんで、急に、いきなり来たのー?」
「夏休み終わったら、あやめっちといっしょの中学に通えるんだよー!」
「えーっ?ほんまにー?」
「もう手続きも済ませてあるんだよー」
「えーっ?そうなんやー!」
「担任の先生は、沖口優美先生でしょー?」
「えっ?そうだよー!」
「優美先生とは知り合いなんだー!」
「えーっ?マジかあ!」
「だから、優美先生のクラスになったんだよー」
「えーっ?ほんまかあ!」
「今日からよろしくねーっ」
「まさか...この家に住むの?」
「そうだよー!」
「えーっ?マジカルーっ!」
「あやめっちの部屋は2Fなの?」
「そうだよー!」
「じゃあ、わたしの部屋も2Fにするー!」
「えーっ?」
「2Fの部屋、1つあいてるでしょー」
「うんっ!なんで知ってるのー?」
「知ってるのっ!今日から、そこは、わたしの部屋だよー」
「うわーっ!」
「さっき、2Fの部屋で何してたのー?」
「えっ?さっきって?」
「部屋を飛びだしてくる前だよー!」
「えっ?」
「さては、えっちな絵でも描いてたんでしょー」
「うわーっ!」
「やっぱり、そうなんだなー」
「マーリアちゃん、すぐわかっちゃうんだもん...」
「楓ちゃんっていう女の子なんだな?」
「えーっ?なんでわかるのー?」
「えへへ」
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