中3でまた大阪へ

ママのほうのおばあちゃまとおじいちゃまは、フランスのニースで暮らしている。

南仏にある、あたたかな街だ。

ボクも行ったことあるけど、良き景色で、めっちゃ好きな街だ。

2人とも画家だ。フランスの絵描きさんだ。


そして、2人とも日本のことをめっちゃ好き。

フランスの印象派の画家たちも、日本に憧れ、日本のこと好きで、日本に影響を受けてきたけど、2人も、日本にずっと憧れていたらしい。

そして、なんと大阪で暮らすことになった。


そしたら、ママとパパに

「あやめっちは中3から、大阪のおばあちゃまとおじいちゃまの家で暮らして、中学に通いなさいっ!」

って言われた。

「なんで?」

って聞いたら

「ママとパパも、これから世界中をお仕事で、渡り歩いていかなあかんから、あやめっちをいつまでも、いっしょに連れまわすよりも、大阪で落ち着いて暮らして、そこから高校へ通うべきなんちゃうかなあ~って2人で考えてな...」

「へぇー、そうなんや...」

「どうや?あやめっちは、どう思う?」

「う~ん...世界中をいっしょに渡り歩いても良いようにも思うけども、これからの学校のこととかを考えたら、大阪で暮らすべきなんかなあ~って思うかな...」

「そっか...じゃあ、それでええか?」

「うんっ!ええよっ!」


ってなって、中3から大阪の中学に行くことになった。


葵ちゃんに学校で大阪の中学に転校するっていう話をした。

「えーっ?あやめっち、中3から、また大阪の中学に行っちゃうのーっ?」

ってびっくりしている。

「うんっ!フランスのニースにな、ママのほうのおばあちゃまとおじいちゃまいて、2人は大阪で暮らすことになってな!」

「えーっ?」

「それでな、ボクも大阪で2人といっしょに暮らすことになってん!」

「えーっ?なんでー?」

「ママとパパは、今は沖縄におるけど、また世界のどこかに仕事で行くかもしれへんからな」

「うんうん...」

「それで、ボクを連れ回すよりも、ボクは大阪で高校も通うようにって...」

「えーっ?そうなんだ...」

「1年間やったけど葵ちゃんのおかげで、めっちゃ充実してた!」

「わたしも、あやめっちのおかげで、めっちゃ楽しい中2だったょ」

「ありがとう!葵ちゃん!」

「わたしもありがとう!あやめっち!また、いつか会おう!」

「そうだねー!」


結衣先生も

「せっかく、沖縄の中学にも慣れてきたのにねっ!」

「ほんと、そうですよね」

「1年間、学級委員も、ごくろうさんでしたっ!」

「先生~ありがとう~」

「クラスのみんなのために頑張ってくれて、ありがとうねっ!」

「先生のおかげで、今までとは、ちょっとちがう自分にも、なれたような気もします~」

「転校して来てすぐで、たいへんだったのにねっ!」

「うわーんっ!先生のおかげで、いろいろと成長できましたーっ!」

「中3になっても、その調子で、いろいろと頑張ってねっ!」

「うわーんっ!...はいっ!」

「あやめっちなら、できるっ!」

「先生ありがとーっ!」

「留学もしたし...離島の合宿にも行ったし...」

「はいっ!」

「大阪に行っても、また頑張ってねっ!沖縄のことも忘れずに...」

「ハイーッ!うわーっ!結衣先生ーっ!」

「あやめっちーっ!」

「結衣先生ーっ!」

「あやめっちーっ!」

「結衣先生ーっ!」

「あやめっちーっ!」


それから、さよりんの家にも行った。

「さよりん、こんにちは~」

「あやめっち、いらっしゃい~」

って言って、さよりんはボクのことを優しくギュッと抱きしめてくれた。


「今日は、さよりんちに泊まってもええ?」

「ええよーっ!」

「さよりん、何してたん?」

「高校の工芸科の課題をやってた...」

「見せて~!」

「ほらっ!」

って言って画用紙を渡してくれた。


「これ何なん?」

「テキスタイル用の図柄だよっ!」

「うわーっ!独特な色使いに、斬新な柄やなあ」

「あははは、そうやろ?やっぱり、あやめっちは、わかってくれるか!」

「わかるよー!すごいきれい!」

「ありがとうな!」

「なんだか、すぐにでも、沖縄の衣装の素材になりそうな...そんな感じのする図柄だねーっ!」

「ほんまに?」

「ほんまほんま」

「ありがとー」

「大阪の楓ちゃんっていう友達の実家、呉服屋さんやから、楓ちゃん見たら、めっちゃ喜びそうやわ」

「楓ちゃん?」

「そう!楓ちゃんもテキスタイルとかに、めっちゃ興味持ってるからな~」

「へぇー、そうなんや...会ってみたいなあ、楓ちゃんに」

「沖縄にも遊びに来てくれてたんやでー」

「えーっ?ほんまかあ」

「楓ちゃんには、さよりんのこと、言っておいたょ...」

「そっかあ」


「さよりんっ!」

「なに?」

「あんな...」

「うん?」

「ロンドンからパリに行く時に、さよりんに言わないで行ってしまってごめんね...」

「えーとっ?...ロンドンからパリに行く時って...あやめっち、まだ幼稚園になる頃のことちゃうん?」

「そう...あの時な、みんなから、さよりん、めっちゃさびしがるからって...さよりんには引っ越し当日のことは言わないでって...」

「ああー!そうやったなあ!そういえば...」

「ごめんね...さよりん」

「ええよっ!...わたしも、まだ、ちっちゃかったから...」


「それでな...」

「うん...」


「あんな...それで...中3から大阪の中学にまた行くねんっ」

「えーっ?なんやとーっ!そんなん聞いてないでーっ!」

「だって...今、言うたんやもん...」

「えーっ?中2で沖縄に来たばっかりやのにーっ!また行くのーっ?なんでーっ?なあ!なんでなんーっ?なんでなんやーっ?説明してーっ?説明してくれるーっ?」

ボクは、さよりんに転校の説明をしながら、さよりんの横に並んで、その日の晩いっしょに寝た。

さよりんは横で、ずーっとボクの手をギュッと優しく握りしめてくれていた。

さよりんの、あたたかくて、柔らかい手で。


那覇空港に、葵ちゃんも、さよりんも来てくれた!

「またね~」

「また会おうね~」


「おばあちゃま、おじいちゃま、ボンジュール」

って大阪の家に行って、2人にあいさつした。

2人も、いっしょに暮らせて嬉しいみたい。

ただ 中3っていう時季やから高校受験や、その他、思春期とかでも色々大変やろうけども...


でも2人とも、大阪を好きみたいやから、大阪で暮らしていくことは、めっちゃ楽しみにしている。


家は2階建てで、庭もめっちゃ広い。

前、住んでた家の、すぐ近く。


ボクの部屋は2階。

沖縄からの荷物を運び入れて片付けはじめた。


机をめっちゃ大きな良きやつ、買ってもらえたから、それに中学のいろんなものをきれいに並べた。

ギターとかも沖縄から持って来た。


中1の時と同じ中学。

女子みんな優しい。中3っていう微妙な時季なだけに、みんな優しく接してくれている。


楓ちゃんとも、同じクラスになれたから良かった。

そしてなんと!担任の先生も、中1の時と同じ沖口優美先生だーっ!


ボクの部屋のタンスの中には、可愛い下着をいっぱい入れてある。

沖縄から持ってきたものもあるし、大阪に来てから集めたものもある。

部屋では、いつも可愛い下着をつけている。

めっちゃ好きなのだ。

楓ちゃんも家によく遊びに来てくれるから、そういう時に、楓ちゃんに、可愛い下着を見せたりしている。

楓ちゃんと、よく交換したりする。

部屋では楓ちゃんと、いつもチュッてしている。

中3だから、いっしょに部屋で勉強したりしてるけど、その合間には、2人でよくチュッてしている。




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