沖縄

国際通りをさよりんといっしょにブラブラしたあと、那覇のボクたちの住む新しい家に行ってみた。港のすぐ近くにあった。

マンションの6Fやったから、窓からの景色も、めっちゃきれい。

めっちゃ見晴らし良い!

港の大きな船や橋や、それから遠くのほうの公園まで、めっちゃ良く見渡せる。

日当たりも良いし、あたたかな風通しも良い。

めちゃめちゃ開放感にあふれている。


「きゃあああ!すごいーっ!」

空里も、めっちゃ喜んでいる。

「6Fから海に飛び込んだら、あかんで空里!」

「飛び込みたいなあああ」

「むりむり」

「めっちゃきれいな海だ!港だ!」

「ほんまや~」


「さよりんの家は、どんな感じなん?」

「うちの家は、マンションの6Fとかではなくて、一軒家やから、ブルーの鮮やかな木の門に、庭もかなり広くて、家の中もめっちゃ広いなあ!1階建てやけど」

「へぇー!そういう家も沖縄らしくて、ええなあ!」

「そうやな!たしかに沖縄らしい広々とした一軒家やわっ!」

「こんど遊びに行ってもええ?」

「ええよっ!来て来て!」


「あっ!それか、今から行ってみよか?」

「今から来てみる?」


「ねぇ、ママ!」

「なに?」

「今から、ちょこっと、さよりんの家を見に行ってもいい?」

「いいけど、ちゃんと帰ってこれるの?」


「あっ、それやったら、わたし、また、あやめっちのこと、ここまで連れて帰ってきますから!」

「あ、そうなん?そうしてくれるんやったら、行ってきてもええよっ!」

「やったあ!じゃあ行ってきますーっ!」

「あんまり、おそなったらあかんよっ!」

「ハーイ!すぐ帰ってきますー」


それから、さよりんといっしょに、さよりんの家まで行ってみた。

ゆっくり歩いて20分から30分くらいやった。

港から、ずっと海沿いを歩いて行って、さよりんの家も、海からめっちゃ近いところにあった。


「うわーっ!さよりんの家も、めちゃめちゃ海に近いやんっ!」

「そやろ!海すぐそこやで~」

「すぐ泳ぎに行けそうやな!」

「うんっ!すぐ泳ぎに行けるよ」


「一軒家もええなー!」

「そ~お?」

「うんっ!めっちゃ沖縄らしい家やわ!」

「庭も家ん中も、めちゃめちゃ広々としてるで」

「ブルーの木の門も、ええね!」

「そやろ!」

「こんな色鮮やかな木の門って、沖縄やないと、なかなかないもんな」

「そやろな」


「高校は、こっから近いん?」

「そんなに近くはないけど自転車で通ってるよ」

「えーっ?自転車通学なんや!」

「うんっ!沖縄の道を自転車で行くから、めっちゃ快適やな~」

「へぇー!ええなあ!ボクも同じ高校に行こうかな?」

「うんっ!ええ高校やで!」

「やったあ!さよりんといっしょに同じ高校に行けるわ!」

「そやけど、あやめっち高校生になる時は、わたしは、もう卒業してるからねっ」

「えーっ?そうなんやー!」

「いっしょに通いたかったけどねっ」

「ほんまやなー」


さよりんの部屋も、めっちゃ広々としていた。可愛いぬいぐるみもいっぱい置いてあるけど、部屋の中は、まだまだ広く感じる。


部屋の中で、さよりんはボクのことをギュッと優しく抱きしめてくれた。

「あやめっち~!」

「なに?さよりん」

「あやめっちも大きなったら、もう、あんまり、こうやって抱きしめたりも、できなくなっちゃうね」

「そうかな...」

「うんっ!やっぱり、もう、こうやって抱きしめあったりしてるのは恋人どうしやろ」

「ああ、そうかも...」


「なんか、こうやって、ゆっくり部屋の中で、あやめっちのことを抱きしめているのも、めっちゃ久しぶりな気するな~」

「そうやなー」

「ちっちゃい頃のあやめっちは、めっちゃ可愛かったからなー」

「そうなん?」

「うんっ!赤ちゃんの時から、あやめっちのことを見てきたからな」

「そやな」

「赤ちゃんの頃のことって覚えてるの?」

「なんとなくテムズ川のほとりをいっしょに散歩したこととかは覚えてる気するよ」

「あやめっちは、空に鳥さん飛んでるの見ると、めっちゃ喜んでた!」

「あっ!なんとなく覚えてる!いつも鳥さんたち、めっちゃ仲良く飛んでたもんね」

「そやな!」

「あと、鳥さんたち、テムズ川でも、よく泳いでたやろ?」

「そうそう!あやめっちは、鳥さんたち、お空を飛んでるのに、川でも泳いでて、ちょっとびっくりしてたような感じやったよね」

「うんっ!そうだったかもしれへん...」

「びっくりしてたっていうよりも感動してた感じなんかな?」

「そうかも...飛んでるのに、泳いでるわって...」

「あははは...」


「沖縄って、ええとこなん?」

「うんっ!あたたかくて、海もきれいやし、めっちゃ良いところやな~」

「やったあ!そんなええとこで、さよりんの近くにいられるなんて...」

「うちもめっちゃ嬉しいわっ!」


「さよりんって高校では工芸科なん?」

「そやで」

「工芸科って、どんなとこなん?面白い?」

「うんっ!そやな!好きな人にとっては普通科よりも面白いかもね」

「そっかあ!ボクも工芸科に行ってみようかな?」

「うんっ!考えてみれば?まだ2年間あるんやし...」

「そやね~どんなことを学んでるの?」

「沖縄の高校の工芸科やから、沖縄の伝統工芸を中心にして、あとは芸術全般について広く学ぶかな!」

「へぇー!いいなあ!行こかな...」


「今日、うちに泊まる?」

「えーっ?いいのーっ?」

「うちはいいけど、でもあやめっちのママは、あんまり、おそなったらあかんよ!って言ってたしな」

「今日は帰ろうか!」

「そやな!また、いつでも泊まりに来てな」

「うんっ!そのうち泊まりに来るよっ」


そのあと、ちょっとだけ、さよりんの部屋にいて、それから、また、さよりんといっしょに、海沿いの道を手をつないで歩いて、ボクの家まで戻って行った。

家に着いたら

「じゃあ、また遊びに来ますねーっ!」

って言って、さよりんは帰っていった。

「ありがとねー!また来てねー」

ってママも、さよりんにお礼を言ってた。


中学校と小学校は、すぐ近くにあった。だから、初日の朝、空里とボクとママとパパで、いっしょに学校のほうに向かって歩いて行った。

そして、ボクとママは中学校に、空里とパパは小学校に、それぞれ入って行った。


ボクはママといっしょに中学校に入って、担任の先生に転校のあいさつをした。

知念結衣先生っていう可愛い女の先生だ。

「よろしくね」

「よろしくお願いします」


それからママはすぐ中学校を出て、ボク1人になった。


そのまま先生といっしょに教室に行って転校のあいさつをした。


その日は、中2の初日やったから、みんなで学級委員を決めることになった。

先生はボクに

「前の中学では、どうやって学級委員を決めてたの?」

って聞いてきた。

「やりたい人の立候補ですね」

って答えた。


「じゃあ、あやめさんも立候補してた?」

「いえ、してないです...」


しばらく先生は何か考えてるみたいだった。


それから

「じゃあ、あやめさん、学級委員になりなさい」

って先生に言われた。

転校初日から、学級委員になった。


帰る時に、先生に

「あやめさん、ちょっと来てーっ!」

って言われた。

先生のところに行ったら

「葵さんは、あなたの家と近いから、いっしょに帰りなさいね」

って言われて、葵さんを紹介してくれた。


「よろしくね、あやめさん」

「よろしくね、葵さん」

その日、葵さんといっしょに学校から帰った。

なんとなく、いろんなことを話しながら歩いて...

「中1の時は何部だった?」

って聞かれて

「美術部だった」

「えーっ!わたしも美術部だよーっ!いっしょだ!中2でも美術部に入る?」

「うんっ!いいよ」

「やったあ」


家に帰って、ママに

「今日、先生に言われて、学級委員になってもた」

って報告した。

空里は

「えーっ!あやめっち、すごいーっ!」

って驚いている。

「べつに、そんな、すごくもないよーっ!」

って返した。


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る