中2
ある日、楓ちゃんといっしょに、楓ちゃんの呉服屋さんのお店の中に入ってみた。
楓ちゃんのママも
「あらっ!あやめっち、いらっしゃい~!」
って言って歓迎してくれた。
「あっ!こんにちは~!」
って、大切なお店の中なので、ちょっと緊張しながら、楓ちゃんママにあいさつした。
お店の中を見渡してみたら、お店の中に色んな着物、並んでいた。
「うわーっ!これは、着物のことを本当に詳しく知らないと、やってはいけないかも...」
って思ってしまった。
そんなボクの気持ちに、楓ちゃんママも気付いたのか
「そんなに緊張しなくても大丈夫よっ!ちょっとづつでも、ちゃんと、しっかり学んでいけば良いのだからねっ!」
って、まるで楓ちゃんと、本当にいっしょにやっていくみたいな感じで言われた。
「きゃあああ、これは本当に楓ちゃんといっしょにやっていく人は責任重大だなあ~」
って思った。
でも同時に
「めっちゃきれいな良き着物の数々だっ!」
っていうふうにも感じた。
楓ちゃんママは、そんなボクの気持ちも、わかってくれたみたいに
「着物のことをきれいで好きだって思ってくれる気持ちを持っているのならば大丈夫なのよっ!」
って、ボクに言ってくれた。
楓ちゃんも、そんなボクと楓ちゃんママとのやりとりを嬉しそうに、笑いながら、ずっと見守っている。
それから、また、ある日のこと。
ボクは、ボクのママといっしょに、楓ちゃんのお店に行ってみた。
ていうか、ママといっしょに商店街に買い物で来た時に、近くに楓ちゃんの呉服屋さん、あったから、ちょっと行ってみよう!って言って、ママを誘ってみたのだ。
ママも
「じゃあ、ちょっと楓ちゃんのお店、行ってみようねっ!」
って言ってくれたのだ。
「あらまーっ!あやめっちのママーっ!いらっしゃいませーっ!」
って、楓ちゃんのママも、ちょっと驚きながらも、めっちゃ歓迎してくれている。
うちのママも
「いつも学校で、楓ちゃんに、あやめ、お世話になってますーっ!いつもありがとうございますーっ!」
って、普段は言わないような丁寧な口調で、楓ちゃんママにあいさつしていた。
「いえいえ、こちらこそ、いつも、あやめちゃんには、学校で何かとお世話になってまして...うちの楓も」
って、楓ちゃんママも、なんだか、ちょっと緊張した感じで答えているようにも見えた。
「ちょっと近くまで買い物に来たものですから...」
「あら、ありがとうございますー」
「楓ちゃんのおかあさまのカレーは世界一美味しいって、あやめも絶賛してまして...」
「あははは、あやめちゃん、3杯も、おかわりしてくれたから、嬉しかったですよー」
「素敵なお店ですねー」
「ありがとうございますー」
それから、しばらくママどうしで話をしていた。
「フランス人も、日本のお着物のこと、本当に好きなんですよっ!」
「まあ、それは嬉しいですーっ!フランスも服飾の街ですものねっ!」
「お着物の華やかできれいな柄は、フランス人にとっても憧れなんですよっ!」
「嬉しいですーっ!日本人もフランスのファッションは憧れてますから...」
「おたがいに相思相愛なんですかねっ!日本とフランスっていうのは...」
「パリに着物のお店を出すっていうのも、とても夢のあることですわねっ!」
「本当にそうですよねっ!」
「あやめちゃんと楓って、なかなか似合ってて良いですよねっ!フランスと日本とを結ぶ架け橋みたいで...」
「そうかもしれませんねっ!なんだか嬉しいですねっ!」
「そうですよね~っ!」
それから、中1も終わりに近づいていた頃のこと。ママとパパから
「お仕事でな、沖縄に行くことになってん!」
「えーっ!沖縄にーっ!」
「そやねん!せやから、中2からは沖縄の中学に転校するで~」
「えーっ!ほんまにーっ?」
「ほんまほんま!...ごめんな、たびたび、いろんなとこ、行ってもーて」
「いや!ええよーっ!沖縄やったあああ!」
「沖縄、嬉しいん?」
「そやな~!沖縄行ってみたいし沖縄に住んでみたいし...」
「そやろ!ママとパパも、そうやねん」
「沖縄には、さよりんもいるわあああ」
「あっ!そうや!さよりん、今、沖縄におるんやなあ!そういえば...」
「そやで!さよりんにも、また会えるわあ!やったあああ!」
空里も、沖縄に行けて、きれいな海で泳げることに、めっちゃ喜んでいる。
「やったあ!沖縄のきれいな海で、いっぱい泳げるぞーっ!」
って言っている。
転校することわかってから、ボクは学校で楓ちゃんをモデルにして絵を描きまくっていた。
毎日、学校の帰りには、近くの森みたいなところで、楓ちゃんとチューをしている。
沖縄に行くのはいいんやけど、楓ちゃんと別れるのはさびしい。
大阪の空港に、楓ちゃんはお見送りに来てくれた。
「あやめっち、ええなーっ!沖縄」
「ええやろーっ!」
「沖縄に遊びに行ってもええ?」
「ええよーっ!ぜったい来てなーっ!」
「うんっ!わかった!ぜったい行くーっ!」
「待ってるからなーっ!来てやーっ!」
「ほな、その時まで、バイバイ~!あやめっち」
「バイバイ~!楓ちゃん」
「行ってらっしゃあああい」
「行ってくるわあああ」
飛行機は那覇空港目指して飛び立った!
那覇空港に着いた。
「うわ~!あやめっち~!」
さよりんは、ボクのところにピュ~って、めっちゃ嬉しそうに走ってきて、ガバッとボクを抱きしめた。
「きゃあああ!さよりん~!また会えたね~!」
「また会えたな~!あやめっち~!めっちゃ嬉しい」
「さよりんお姉ちゃん、こんにちはー」
「あっ!空里ちゃん、こんにちはー」
さよりんは空里のことも優しくギュッと抱きしめてくれた。
「空里ちゃん、大きなったなあ!」
「えへへ、そう?」
「こんど何年生になるん?」
「こんど4年生!」
「えーっ!もう4年生なんやーっ!」
「うんっ!」
「はやいなあ」
「そやなあ」
さよりんは、今年高2やから、もう、めっちゃお姉さんになっているっ!
私服姿もめっちゃ可愛くなっている!
高校の工芸科に行って、伝統工芸を中心に、いろんな工芸、芸術を学んでいるらしい!
「めんそ~れ沖縄へ」
那覇空港で、みんなで沖縄そばを食べた。
それから、さよりんといっしょに那覇の街へ向かった。
みんなで国際通りに行ってみた。
「デニム製品の可愛いお店に行こう!」
って、さよりんに誘われて、国際通りから、ちょっと脇道に入ったところにある、服屋さんに行った。
お店の中、ところ狭しと、デニムのいろんな服並べられてある。
「うわーっ!すごい、いっぱいあるねーっ!」
「めっちゃ、いろんなのあるねーっ!」
みんな、それぞれ、デニムの服を選んだ。
空里は可愛いミニスカートを。
ママはロングのスカートを。
さよりんはパンツ。
ボクはデニムのジャンプスーツみたいなの。
そのあと、みんなで国際通りをブラブラと歩いてみた。
レストランに入ったら、空里にだけ、お子様メニューを渡していた。
それを見て、なんか、めっちゃ笑えた。
たしかに空里は、まだお子様なんやけども...
空里のことをめっちゃ笑っていたら、空里も、そのうち開き直って
「お子様ランチにするーっ!」
って言って、空里だけ、お子様メニューからお子様ランチを選べることに対して、みんなにドヤ顔を見せていた。
「みんなは、もう食べたくても、お子様ランチ食べれないやろ~」
って言ってるみたいなドヤ顔やった。
空里は、美味しそうに、お子様ランチを食べていて、ライスに付いてた国旗をクルクル回して、ひとりで遊んでいた。
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