中学生

中学生になって、楓ちゃんと美術部に入った。

テニス部、バスケ部、吹奏楽部、陸上部などなど、どれもやりたくて、めっちゃ迷ったんやけど、結局、美術部にした。


ボク自身も、美術部には、めっちゃ興味もあったけど、楓ちゃんにも

「あやめっち、いっしょに美術部に入って絵を描こうよっ!」

って誘われたから、いっしょに美術部に入った。


放課後は、楓ちゃんと美術部の教室に行って、いつも好きな絵を描いている。


実家、呉服屋さんの楓ちゃんは、呉服のテキスタイルみたいな柄の絵をいつも描いている。

楓ちゃんは、複雑かつ繊細かつ優美な柄の絵を描くの、めっちゃ得意だからなあ。

とても、うまいっ!すごい、きれいっ!

ボクは、可愛い女の子のキャラクターの絵を描いている。

めっちゃ大きなキャンバスに、可愛いキャラの絵を大きく描くの好き。


中1の担任の先生も、ボクのことを女子として考えてくれている。

沖口優美先生っていう、女の可愛い先生。

「体育とかの着替えも女子のほうで女子といっしょにやりなさいね」

って言ってくれている。


美術部で絵を描いていても、みんな、ボクのこと、女子として見てくれている。

毎日、1人づつ、モデルになって、そのモデルの子のことを絵に描くんやけど、ボクのモデルの時も、みんな可愛く描いてくれている。


小学生の時、学校で、ボクのことをいつも追いかけまわしていた、先輩の女子にも、中学生になって、また会えた。

ツインテールをしていると

「うわーっ!あやめっちのツインテールめっちゃ可愛いやんっ!」

って言いながら、ボクに抱きついてくる。


中学生になって、夏休みに楓ちゃんと海に泳ぎに行った。

中学生の楓ちゃんは、水着姿も、小学生の時よりも、めっちゃ可愛くセクシーになっている。

体も成長しているから、おっぱいも大きいし、お尻もプリッとして可愛い。


だから、美術部でも、楓ちゃんを描きたくなる。

楓ちゃんの可愛い体を。

楓ちゃんのちょっとえっちな体を。

ちょっとえっちで可愛い体の楓ちゃんのことをめっちゃ描きたくなるーっ!


小学生の頃はまだまだ子どもやったけど、中学生になったら、なんとなく、だんだん、楓ちゃんのことも、ちょっとづつ、えっちな感じに見るようになってきても~た。

楓ちゃんのことをえっちな感情で見るようになってきてもーた。


特に、中学生になったら、2年生、3年生の上級生の女子たち、上級生のお姉さんたち、みんなえっちやわーっ!

みんなえっちに見えてまう!

みんなえっちな気持ちで見てまうわーっ!


だから、放課後の美術部では、とりあえず、普通のモデルとして、楓ちゃんのことを描きはじめた。

と言っても、特別えっちな感情を絵に表現するわけではなくて...っていうか、そうだとしても、それを表には出さずに、えっちな心の中にしまっておいて、ただただ楓ちゃんの人物画を描いている。


でも普通に楓ちゃんの制服姿を描いていたとしても、心の中では、いつでもちょっとえっちな気持ちで、楓ちゃんのことを見ている。

楓ちゃんの制服を描きながら、頭の中では制服をちょっと脱がしたりだとか...

きゃあああ!あかんあかん!

ちゃんと描かな!

美術として!

美術部として、ちゃんと美術を描かな!


「たまには美術部として、みんなで、ちゃんと絵を描きにいこうーっ!」

っていう話になって、みんなで大阪城まで行った。

みんな、それぞれの好きな場所からの、大阪城を描いていった。


ボクも大阪城の良く見える場所を見つけて、そこからの大阪城の風景画を描いていった。

楓ちゃんもボクの横に座ってくれて、いっしょに仲良く、風景画を描いていた。


と思っていたら、楓ちゃんは大阪城をバックにして、その大阪城を描いているボクのことを絵に描いていた。

「なんだか、めっちゃ斬新な絵やなあ~」

って思った。


まあ、ヨーロッパの絵画にも、画家のアトリエにいる人たちのことを描いた絵もあるみたいやけども...


この時に描いた大阪城の風景画で、ボクは中学生絵画コンクールの金賞を受賞した。

楓ちゃんも同時に受賞したけど、楓ちゃんは銀賞だったから、めっちゃ悔しがっていて

「次なるコンクールでは金賞とりたいでーっ!」

って言っている。

美術の先生も、美術部のみんなも、うちの中学の美術部から、金賞と銀賞でたので、めっちゃ喜んでいる。

美術の授業でも、先生は嬉しそうに報告をして、授業への熱も、より一層強く感じられるようになった。


それからは、放課後、美術教室で描いてる楓ちゃんの絵は、より一層、迫力もあって、優美で繊細で細やかな今までの楓ちゃん独特のタッチに、凄みも加わっていた。


中学生になってからは、ほとんど、いつも楓ちゃんといっしょに絵を描いている。


クリスマスに女子何人かで、楓ちゃんの実家に遊びに行った。

楓ちゃんの実家は呉服屋さん。

商店街の中に、お店ある。

実家は、お店の奥なので、お店の脇を通って裏にまわって、実家にあがった。

キッチンで、楓ちゃんママ特製カレーをみんなで食べた。

めっちゃ美味しかったので、みんなは、もう

「ごちそうさま」

をして、楓ちゃんの部屋に遊びに行ってるのに、ボクだけ、カレーをおかわりして、1人でキッチンテーブルでカレーを食べていた。

そんなボクのことを、楓ちゃんと楓ちゃんママは、2人で顔を見合わせて笑いながら、ずっと嬉しそうに見ている。

ボクは、そんな2人のことは気にせず、美味しいカレーを夢中で食べていた。

そういう夢中で食べているところに、もしかしたら、楓ちゃんも楓ちゃんママも、キュンッてきたのかもしれない。

「可愛いなあ~!カレー夢中で食べてて...」

って思ってくれてたのかも。

でも、本当に美味しかったから、またまたおかわりをしたくなってきて

「3杯目も、おかわりしてもいいですか~?」

って聞いてみた。

「いいわよーっ!どんどん食べてねーっ!」

って楓ちゃんママも言ってくれたので、ボクは3杯目も、楓ちゃんママ特製の美味しいカレーをパクパクと、いただいた。


ボクのママの作ってくれるカレーも、実はめっちゃ美味しいんだけど、楓ちゃんママの作ってくれたカレーも、それと同じく、めっちゃ美味しい!


見た目はぜんぜん違うんだけど。

うちのママの作るカレーは、ジャガイモやニンジンなどの具材も、めっちゃ大きく、ゴロゴロ入ってるカレー。

ボクは、そのカレーめっちゃ好きなんだけど、楓ちゃんママの作ってくれたカレーは、それとは違って、具材をカレーの中に、溶け込ませてあるようなカレー。

でも、めちゃめちゃ美味しい。そして食べやすい。

だから、何杯でも、おかわりできそうな感じやった。


だから、4杯目も、ぜんぜんいけそうな感じだったけど、3杯もいただければ、もう充分なのかなって思って、3杯目で遠慮した。

楓ちゃんママは

「遠慮しないで、どんどん食べてねーっ!」

って言ってくれたから、一瞬、もっと食べようかなって思ったけど

「とても美味しかったですーっ!ごちそうさまでしたーっ!」

って言って、みんなのいる楓ちゃんの部屋に、ボクも行こうって思った。


楓ちゃんも楓ちゃんママも、そんなパクパク食べるボクのことをめっちゃ嬉しそうに見ていた。

楓ちゃんママは

「また、いつでも食べに来てねーっ!」

って言ってくれたから

「ハイッ!」

って答えておいた。


嬉しそうにボクのことを見てくれてる楓ちゃんと楓ちゃんママからは、ボクのことを

「将来、楓ちゃんといっしょになる大切な人なのかも...」

って思ってくれてるような雰囲気を感じてしまっていた...





  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る