また大阪へ
パリでは、また少年少女合唱団にも入った。
先生もみんなもボクとの再会を喜んでくれている。
先生も
「よしっ!また、あやめっち来てくれたから、ソプラノも、今までよりも、もっともっと良くなるねっ!」
って言ってくれた。
マーリアちゃんは、ボクのいなかった間も、合唱団で、ずっと歌っていた。またいっしょに並んで歌えて嬉しい~。
フランス各地の公会堂とかの定期公演で歌っている。
ベルサイユ宮殿の近くで歌っていたら、先輩は地元の子にラブレターみたいなのをもらっていた。
それを見て、ボクは、その女の子に
「先輩はカッコいいから、ラブレター渡してもいいけど、ボクにもくれてもいいやんかっ!」
って思ったら
「あんたのこと知らないし...」
って思ってたみたい。
「たしかに、ひさびさに合唱団に入ったから、ボクのこと知らないか~」
ピアノ教室にも、また通いはじめた。
また、最初からのクラスになったので、まわりのみんなは前の子たちとは違って、新しい仲間だった。
やっぱりみんな女の子で、なんとなく、みんなもボクのことを応援してくれている感じだ。
パリの子どもたちも、みんな優しい。
ボクの弾いてるところを、いっしょのクラスのみんなも、見守って応援してくれている。
放課後には走り幅跳びもやってる。やっぱり、マーリアちゃんとボクと、2人だけで毎日翔んでいる。
何回か翔んでいたら、ボクも3メートル40は翔べるようになってきた。
マーリアちゃんも、なんだかんだ、3メートル70まで到達している!
空里は子ども水泳教室に入って毎日泳いでいる。
めっちゃ速く、きれいに泳いでいる。
飛び込みも、めっちゃうまいっ!
パリでの5年生も終わりに近づいてきていた頃。ママとパパに
「6年生から、また大阪の小学校に転校することになるわっ」
「えーっ!やっぱりか...」
「ごめんな、たびたび。また大阪でママとパパ、お仕事になってもうたから」
「うん、ええよっ。そうやろなって思ってたし...」
そしたら、ロンドンにいるさよりんから連絡あって、さよりんは来年、沖縄の中学に転校になったらしい。
さよりんのほうも、やっぱ当たってたな~。
マーリアちゃん、凄いわ。
またまたパリの空港から関西国際空港へと向かった。
マーリアちゃん、またお見送りに来てくれた。
空里をギュッと優しく抱きしめている。
「バイバイ~!またね~!マーリアお姉ちゃん」
「空里ちゃん、バイバイ~!またね~」
マーリアちゃんとボクもギュッと抱き合って
「マーリアちゃん、またね」
「あやめっち、またね!大阪行くからね」
「うんっ!待ってるよ」
飛行機は関西国際空港へ飛び立った。
また同じ小学校に転校した。
楓ちゃんと6年生で同じクラスになれた。
またまた陸上部で走り幅跳びをやった。
楓ちゃんは、砂場に座って、ボクの飛ぶのを見ててくれている。
「パリでは3メートル40は飛べてたからなーっ!」
「えーっ?3メートル40は行くようになったんや!」
「でもな、マーリアちゃんて子は、初めていきなり飛んで3メートル50行ったからな...」
「えーっ?マーリアちゃんも凄い子なんやなーっ!」
「うんっ!そうやで!3メートル70まで行ったからなー!マーリアちゃんは何かと凄い子やねんっ!」
「マーリアちゃんのこと好きなん?」
「そやな~。好きやな~」
「へぇ~そうなんや...」
楓ちゃんに見守られながら跳んだら、いきなり3メートル75行った!
「うわーっ!あやめっち、3メートル75行ったやんっ!凄いやんっ!マーリアちゃんも超えたやんかっ!」
「ほんまやなーっ!マーリアちゃんの最高記録の3メートル70も超えたなーっ!」
「やったあああ!あやめっち凄いーっ!」
「ありがとうなーっ!」
マーリアちゃんを超えたことに楓ちゃんも、なぜか、めっちゃ喜んでいる。
今は、4メートル飛ぶのを目標にしている。
週1の必修クラブで、またまた剣道をやっている。ママもボクの剣道着姿をめっちゃ好きみたいだ。嬉しそうに、いつも見ている。
6年生の修学旅行では船に乗って別府温泉に行った。
湯けむりのめっちゃ漂っている独特な風流な街並みだ。
楓ちゃんといっしょに温泉に入った。
女子といっしょに、ワーワー言いながら温泉に入った。
「うーわっ!めっちゃ気持ち良い~!」
「ほんまやあ!温泉って、ええなあ!」
温泉たまごも食べた。楓ちゃんみたいにプリプリしていて、めっちゃ美味しい。
小学校を卒業した。
楓ちゃんといっしょに中学生になった。
中学の先には古墳もある。
阿武山古墳。
なんでも藤原鎌足の埋葬されている古墳なのでは?っていう説にも、なっているらしい。
中学のまわりは、緑に囲まれている。
草木もいっぱいで、色とりどりの花も咲き誇っている。
めっちゃ自然の多い、きれいな場所だ。
だから楓ちゃんも、この中学の周辺も、めっちゃ気に入っている。
ボクも、なんとも日本的な歴史を感じる、この土地のことも好きだ。
楓ちゃんと中学生を過ごしていけば、もっともっと、この土地のことを好きになっていくんやろなあ~って思っている。
楓ちゃんといっしょのクラスになった。
中学の帰りも、楓ちゃんといっしょに帰って、途中の草木の中でチュッてしてから、いつも帰っている。
パパは家で、いつもは英語のロカビリーやロックやジャズの曲をめっちゃ気持ち良さそうに歌っているんだけど、たまに
「みやこのせいほぉく、わせだ~のもりに~」
っていう歌を歌っている。
晩ごはんの時や、お風呂の時、お風呂あがりの時などに歌っている英語の曲の時は、普通に
「あっ!また、いつもの英語の歌を歌っている!」
「好きな曲なんかな?青春の曲なんかな?」
「青春の時の想い出の曲なんかな?」
って空里とも、いつも思ってるんだけど、
「みやこのせいほぉく」
って、たまに歌う時あって、この時には、空里と顔を見合わせて
「あっ!パパの、この曲、また始まった...」
「これ、WASEDA大学の校歌なんやろな~」
「パパ行きたかったのかな?」
って、いつも思っている。
パパは京都にある大学に留学していた。
もしかしたら、WASEDA大学にも行きたかったのかもしれない。
そんな話は、ボクたちには、いっさいしないけども。
パパの好き勝手に歌ってる曲なんやけども。
そして、このWASEDA大学の校歌を9回くらい歌ったら、その次に
「お~お、めいじ~、そのな~ぞ...」
っていう感じの曲を歌っている。
なんとなく、この曲は
「めいじ~」
って歌っているから、MEIJI大学の校歌なのかもな~って、空里と思っている。
だから、パパは、もしかしたら、WASEDA大学か、もしくはMEIJI大学にも行きたかったのかもな~って思っている。
京都の大学に留学していたけれど、WASEDAとかMEIJIとかにも行きたかったのかもしれない。
そういう話は、ボクらには、いっさいしないけども...
パパは、わざとサブリミナル効果をねらって、ボクや空里に、WASEDAやMEIJIの校歌を聞かせてるのか、そんなことは考えず、ただパパ自身、勝手に歌っているのか、どっちなのかは、わからないけども...
自分の京都の大学の歌は、たぶん歌っていないと思う。
いや、待てよ。
そういえば、たまに、英語で校歌っぽい曲を歌ってる時もある。
あれ、もしかしたら、京都の大学の校歌なのかも。パパの留学していた。
パパは日本のこと大好きだから、いろんなところに行きたかったのかもしれない。
まあ、京都の大学に留学したから、大阪に留学していたママとも知り合えたわけやから、京都じゃなかったら、ボクと空里も生まれてなかったかもしれないなあ~。
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