5年生

5年生になったら、ボクもめっちゃ女の子みたいになってきた。

パリの小学校でも、いつも女子の友達といっしょにいる。

女子の友達といっしょにいつも行動している。


体育の着替えでも、洗面所を使うのも、ボクはいつでも女子の友達と、女子のほうでしている。


夏休みにはマーリアちゃんといっしょに、またロワール渓谷のロワールの古城に行ってみた。

レオナルド・ダ・ヴィンチさんのお墓も、ロワールの古城の中にあった。


「なんで、レオナルド・ダ・ヴィンチさんってイタリア人なのに、ここロワールの古城にお墓あるんやろ?」

って、マーリアちゃんに聞いてみた。

「レオナルド・ダ・ヴィンチさんは、ロワールの古城に招かれて、そこで暮らしていたからだよ~」

「そうやったのか~それは知らんかったわ~」

古城に来たついでに、マーリアちゃんといっしょに、古城の絵を描いた。

マーリアちゃんも美術を好きなので、いつもスケッチブックを持ち歩いているような女の子だ。

だから、マーリアちゃんにボクも画用紙をもらって、古城の風景画を描きはじめた。


ついでに近くの海に行ってマーリアちゃんといっしょに泳いだ。

ボクも女子用の可愛い水着を着て泳いでいる。だから、まわりで泳いでいる人たちからも、女の子の友達2人だと思われているはずだ。


マーリアちゃんに誘われて、フランス料理の子ども教室に通うことになった。

最初はマーリアちゃんに

「わたし、こんど、フレンチの子ども教室に行くんだよーっ!」

って言われたから

「フレンチって、なにー?」

「フランス料理のことだよー」

「いいなあ!フランス料理食べれて!」

「フランス人の女の子だからねっ!フランス料理はマスターしとこうって思ってね!」

「さすがマーリアちゃん!えらいっ!」

「食べるだけに行くんじゃなくて、自分でもちゃんとフランス料理を作るんだよ!」

「えーっ?そうなのー?」

「そうだよー!食べるだけの教室なんてないよ!」

「そっか!」

「でも、フランス料理を食べながらマナーを学んでいく、子ども教室なら、もしかしたら、ありそうだけど...」

「そうでしょー!...そうじゃなくて、自分でも料理を作る教室なんだねー」

「そうだよ!」

「じゃあ、ボクもマーリアちゃんといっしょに食べに...じゃなくて料理を作りにいこうかな?」

「えーっ?いっしょにいくー?」

「帰ってママに聞いてみるねっ!」

「うんっ!わかった!」


家に帰ってママに

「ねえ、ママー!」

「なに?どないしたの?」

「マーリアちゃんとな!フレンチの子ども教室に行ってもええ?」

「フレンチの子ども教室に行くの?」

「うんっ!そうやねん」

「フレンチの子ども教室ねぇ...」

「ね!ええやろ?」

「フレンチって、なに?」

「えーっ?ママ、もしかして、フレンチ知らんのーっ?」

「フレンチ言うたら、フランス料理のことやんなっ!」

「なんや!知ってるやないの!」

「作ったの家に持って帰ってきてくれる?」

「そんなわけないやろ!教室で自分で食べてくるよっ!」

「えーっ?それやったらなー、あやめっち、美味しいだけやんか」

「じゃあ、教室で習った料理を次の日に、家でも作るから、それやったら行ってもええ?」

「うんっ!習った料理を作ってくれるんやったら、行ってもええよっ!」

「やったあああ!」

「そのかわり、ちゃんと家でも美味しく作れるように、しっかりと習ってくるんやで!」

「うんっ!わかった!」

「美味しくなかったら、習わさへんからなっ!ええかっ?わかった?」

「わかったよー!」

「家で美味しく作るんやで!」

「もう...マーリアちゃんに作りに来てもらってもええ?」

「それやったら、あやめっち、習いに行く意味ないやんか!」

「もう、わかったよ!ちゃんと作れるように習ってくるよっ!」

「ただ作るんやなくて美味しく作るんやで!」

「もう、わかったって!」

「美味しくなかったら...」

「美味しく作ったら、ええんやろ!」

「そうや!」

「美味しく作ったるよー!」


空里も

「あやめっち、どこ行くのー?」

ってママに聞いてきた。

「フレンチの子ども教室なんやて!」

「フレンチって、なにー?」

「フランス料理のこと!」

「えーっ?じゃあ、空里もいっしょに行くー!」


マーリアちゃんと空里とボクの3人で通うことになった。


「ママって、パリに戻ってからも、大阪人みたいやなあ」

って空里に言ってみた。

「最初から、あんな感じやったもんなあ」

「学生の頃、ママは大阪に留学してたからな」

「大阪弁、好きなんやなあ!ママって」

「そうやなあ!だから、空里もボクも、ついつい大阪弁になってまうもんなっ!」

「ほんまやわ...お嫁に行けるやろか?」

「大阪で結婚すればええんちゃう?」

「そやな...そうしよっかな」

「まあ、でも、今は大阪も、世界的に見ても、みんなからも人気のある好かれてる街のナンバー50くらいまでには、もしかしたら入ってるやろうから、大丈夫やで!」

「そうやな...50までには入ってるんちゃう?」

「たぶんな!ベスト100までには入ってるやろ~!ぜったいに」

「そやろな~!もしかしたらベスト5くらいには入ってたりして...」

「けっこう、ベスト2くらいやったりして...」

「ベスト1やったりするのかも」

「大阪弁も世界的にも人気あるんやで!」

「ほんま、それな」


子ども教室では、簡単な料理から教えてくれてるから、家でも空里といっしょに作っている。

ママも

「美味しいやんっ!」

って言って喜んで食べてくれている。


「空里も、いつでも、お嫁さんに行けるなっ!」

ってママも言ってる。

「まだ行かへんよっ!」

「あははは」

「まだ行かんといてねっ!」

「もう...あした行ったろかな...」

「そんな、あほな」


マーリアちゃんと空里と3人でフランス料理の子ども教室に通っていた、ある日のこと。

「あっ!あやめっちと空里ちゃん...なんだか、また6年生から大阪の小学校に転校するみたいだよ」

って言っている。

「えーっ!またなのーっ!」


家に帰ってママとパパに聞いてみても

「いや、まだ、そんな話はないなあ」

って言っている。


でも、まあ、またマーリアちゃん、事前にキャッチしたんやろな~。


だからマーリアちゃんと空里といっしょに3人でモン・サン・ミッシェルにも遊びに行ってみた。

フランスにいる5年生の間に、マーリアちゃんとフランスをまわってみようと。

アルルやアヴィニョンのほうにも行ってみた。

どこに行っても、記念になるように、マーリアちゃんといっしょに、その行った場所で絵を描いた。


ルーブル美術館やオルセー美術館にも3人で何回も行っといた。


ロンドンのさよりんのところにも遊びに行ってみた。

久しぶりのロンドン。

さよりんはもう中学2年生になってて、めっちゃ大きく、そして可愛くなっている。


さよりん、マーリアちゃん、空里、ボクと4人で、ロンドンのミュージカルを観に行った。


さよりんはボクを見るとギュッて抱きしめてくれる。

たぶん赤ちゃんの頃のボクのことを想い出すのかもしれない。


そんな、さよりんとボクとで2人で抱き合ってるところをマーリアちゃんも見ていて、そしたらマーリアちゃんも

「わたしも空里ちゃんのことを...」

って言って、空里のことをギュッと優しく抱きしめてくれている。

「わたしには空里ちゃん~!」

って言いながら、空里のほっぺにチュッチュてしている。


マーリアちゃんは、さよりんに

「あっ!さよりん、沖縄に行くみたいだよ」

って言ってた。


「えーっ!引っ越すのかなーっ?」

って、さよりんもドキドキして、マーリアちゃんの話を聞いている。

「さよりん、沖縄で暮らしてるっ!」

「えーっ?ほんとー?」

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