またパリへ
空里は幼稚園でも、めっちゃ人気者みたい。パリからやって来て、フランス人とアメリカ人のハーフやし、それからめっちゃ可愛いし、そして水泳得意だから。
毎日、幼稚園に通ってても楽しそうだ。
空里は生まれたパリのことも好きだったけど、今は大阪に来て、大阪や関西のことも、なんだかんだ、めっちゃ好きみたい。
空里も、大阪のタコ焼きやお好み焼きも大好きになった。
大阪のミックスジュースもめっちゃ好きだ。
もともと、パリにいた頃から、日本のアニメやアイドルのことをずっと好きだったから、好きな日本の幼稚園に通えてて、めっちゃ嬉しそう。
幼稚園のみんなとも、話も合ってる。
空里もパリにいても、日本のアニメの曲とか、ほとんど知ってたからなあ。
今や、パリで生まれ育ってたとしても、パリにいた、ちっちゃな頃から日本のことも良く知ってたから、大阪の幼稚園に通ってても、みんなとも、めっちゃうまくやれてるみたいだ。
パリにいた頃のお友達も、大阪に行く時に、みんな
「空里ちゃん、大阪に行けていいなあ。空里ちゃんといっしょに行きたいなあ。」
って言ってた。
パリの人も、日本のこと好きだからな。
パリの子どもたちなんて、みんな日本のアニメを見て、育っているから...
だから、みんな日本のことも好きなんだ。
自分のちっちゃい頃から見てきて好きだった日本のアニメを通して、みんな日本のことも好きになっている。
だから、空里も幼稚園で、みんなと同じように歌ったり踊ったりしている。
パリで生まれてパリで育った空里も。
生まれて初めて大阪に来たのに、なんとなく、初めてでもないような感じしてるのかもな。
パリって美術の街だから、アニメもみんな受け入れているのかな。
動く美術みたいな感覚で。
新たな美術のムーブメントみたいに。
パリでも、21世紀の美術界の新たな動きは、日本のアニメ...っていうような感じで。
パリの美術界にはジャポニスムもあったりと、ずっと日本からも影響を受けて、憧れもあったようなので、今は日本のアニメから、日本への憧れの気持ちも持っているのかも。
パリは美術や音楽や料理や服飾や、その他のいろいろな文化を持ってるけど、割と日本の文化にも近いのかもしれない。
感性も、もしかしたら、フランスと日本は似てるのかも。
でも、今はフランスだけじゃなくて、全世界的に日本のアニメは受け入れられて、人気を博している。
どの世界の子どもたちも、日本のアニメを見て育っているから、みんな日本のことも好きになってくれているのかな。
ちっちゃい頃に好きだったものは、もしかしたら、ずっと好きなのかもしれない。
だから、みんな日本のこと、ずっと好きでいるのかも。
ボクも楓ちゃんといっしょに、アイドルの曲も聞いたりしている。
2人でアイドルの真似をして、歌って踊ってる。
振り付けもコピーして覚えている。
そんな大好きな日本で暮らしていたけど、4年生も終わり頃になって、ママとパパから
「またな、パリでお仕事することになったから、5年生からパリの小学校へ転校や!」
「やっぱりか...」
「ごめんな、たびたび、あっち行ったり、こっち行ったりで」
「ええよ...またパリに行くもんやと思ってたから...」
学校で楓ちゃんに
「やっぱりな、パリに戻ることになったわ」
って言ったら
「えーっ!マーリアちゃんっていう子、凄いな~。当たったやんっ!」
って、驚いている。
「そうやねん。凄い霊感の持ち主やからな~マーリアちゃんて子」
「1年間だけやったけど、あやめっちのおかげで4年生もめっちゃ楽しかったで~」
「ボクも楓ちゃんのおかげで楽しかった!走り幅跳びも、いつも楓ちゃん、見てくれてたから3メートルも軽く飛べるようになったし...」
「まだまだ...とりあえず3メートル50を目指さな」
「そやな~!」
「でも、あやめっちは、誰かに見守られてないと、1人ではなかなか飛べないんちゃうの?」
「ほんまに、そうやねんっ!せやからな、パリでもマーリアちゃんに見守ってもらわなあかんなっ!」
「そやな!マーリアちゃんって子に鬼コーチになってもらわななっ!」
「マーリアちゃんは鬼とちゃうよ!めっちゃ優しいんやから!鬼なんは楓ちゃんやんっ!」
「あーっ!やっぱり、うちのこと鬼コーチやと思ってたんやなーっ!ひどーい!」
「あははは、でも楓ちゃん、いつもそばにいてくれてて、ほんまに良かったよ!ありがとうな!」
「うちもやで!ありがとうな!あやめっち!」
「また、こんどは、いつ、大阪に来るのか、わからへんけども、これからもよろしくねっ!」
「うんっ!わかった...あやめっち、また来ることを祈りながら待ってるわっ!」
関西国際空港からパリへと飛び立った。
楓ちゃんもお見送りに来て、手をふってくれてた。
「ありがとう~楓ちゃん!」
「ありがとう~あやめっち~またね~」
「空里ちゃんもバイバ~イ!また会おうねっ!」
「楓ちゃんバイバ~イ!」
空里も楓ちゃんに、めっちゃ手をふっている。
パリの空港に着いたら、マーリアちゃんは1年ぶりの再会をめっちゃ喜んでた。
めっちゃ嬉しそうにダーッと走って来て
「空里ちゃ~ん!!」
って叫びながら、空里をギュッ~と抱きしめて
「空里ちゃんとまた会えて嬉しいわ~」
「空里もマーリアちゃんとまた会えた~」
って空里も喜んでる。
また前と同じパリの小学校に転校した。
5年生をまたマーリアちゃんといっしょに始める。
空里も、ちょうど小学1年生になった!
朝もいっしょに通えて、めっちゃ喜んでいる。
パリの小学校では、またマーリアちゃんといっしょのクラスになれた。
4年生で走り幅跳びを始めたから、パリでも陸上部に入った。
でも、やっぱり走り幅跳びをやってる子いなかった。
だから、ボク1人で、パリの小学校でも砂場に向かって飛んでいる。
今、砂場に座って、飛ぶのを見てくれているのはマーリアちゃん。
「あやめっちは3メートルは飛べるんだから、次は3メートル50を目指すんでしょっ」
って、まるで4年生のボクのことを知っているかのように言っている。
いや、きっとマーリアちゃんなら知っているんやろな~。
マーリアちゃんに見守られながら、3メートル30は飛べるようになった。
「てか、マーリアちゃんも走り幅跳びやったらいいのに!」
ってマーリアちゃんも誘ってみた。
「そうだね~!あやめっちの飛ぶのを見てるだけじゃなくて、自分も飛んでみるか!」
「そうだよ!」
マーリアちゃんも陸上部に入ることになって、放課後は2人で砂場に向かって飛んでいる。
マーリアちゃんは、けっこう飛ぶ素質あるのかもしれない。
ピョーンッて軽く飛んで、3メートル50飛んでた。
「うわっ!マーリアちゃん、いきなり3メートル50飛べるなんて凄いやんっ!」
「えへへへ、そ~う?」
「ボクも飛ぶでーっ!」
空里は小学1年生になったけど、幼稚園の時に大阪にいたから、それでパリでも人気者になってるみたいだ。
ていうか、もともと、空里は、どこに行っても人気者なのかもしれない。
さよりんもロンドンからパリに遊びに来た。
「あやめっちと空里ちゃんに、また会えたーっ!」
空里とボクとを順番にギュッと優しく抱きしめてくれた。
「さよりん、もう中学2年生なん?」
「そうだよー!」
「部活、何かやってるの?」
「美術部だよっ!」
「えーっ?さよりん、絵を描いてるの?」
「そうだよーっ!...あっ、そうだ!あやめっちと空里ちゃんも描いてあげるよ」
って言って、持ってきてたスケッチブックに空里とボクの絵を描きはじめた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます