女子みたいな

ボクは幼稚園に行ってても女の子みたい。

みんなからも女の子のように思われている。

いつもマーリアちゃんといっしょにいるけど、みんな女の子どうしの仲良しのお友達だと思っている。

ピンクを好きなので、ピンクのバックで行っている。

でも、そんなことは、今は普通になってる。

みんな、それぞれの好きな色のバックで幼稚園にも行ってる。

だから、赤っぽい色なのは女の子の色だっていう決まりのようなものは、今のパリでも、もうなくなってる。

好きな色も、みんな、どの子も、それぞれ違うのやから...


ボクは女の子みたいなので、幼稚園でも女の子とばっかり遊んでいる。

砂場ではマーリアちゃんといっしょにフランス風のお城を作って遊んでいる。

たまに砂場に向かって走って、1人で飛んでいる。

マーリアちゃんは、いつもボクの飛ぶところを見てくれている。

あとはマーリアちゃんといっしょに、よく絵を描いている。

2人とも絵を描くの、めっちゃ好きだ。

あとはお歌を歌ったりするのも好き。

踊ったりすることも。


マーリアちゃんは、パリで生まれ育ったからか、絵もめっちゃ上手い。

光と影の使い方もきれい。

色彩も豊か。特にブルー。

マーリアブルーと呼ばれているだけあってマーリアちゃんの描くブルーはめっちゃ美しい。

マーリアブルーと呼んでいるのは今のところは幼稚園でもボクだけなんやけども...

でも、もしかしたら、そのうち、世界的にもマーリアブルーは知られるようになるのかもしれない...


幼稚園のシャーロット先生は、ピアノめっちゃ上手い。

そしてめっちゃ可愛い。

いつものエプロン姿もよく似合ってる。

そしてめっちゃ優しい。


幼稚園の近くの公園に行っても、シャーロット先生は花をめっちゃ好きで、いつもいろんな花を見て喜んでいる。

特にピンクだとか、黄色だとか、紫だとか、白だとか、鮮やかな色とりどりの花の咲き誇っているのを見て、いつも嬉しそう。

そんなシャーロット先生めっちゃ可愛い。

花とシャーロット先生、よく似合う。

ボクも、お花、大好き。

でもシャーロット先生も可愛くて大好き。

公園で、お絵かきになったら、花とシャーロット先生の絵を描いている。

マーリアちゃんのことも、もちろん描く。

あまり先生のことばっかり描いていると、マーリアちゃんのほっぺも、そのうち、プ~ッて、めっちゃふくらんでくるから。


マーリアちゃんと手をつないで歩いていたら、パリの人たちからも、女の子どうしのお友達のように見えてると思う。

マーリアちゃんのママもパパも、どちらもフランス人だけど、2人とも、やっぱり日本のこと好きみたいだ。

2人とも、日本のアニメや文化をめっちゃ好きみたい。

だからマーリアちゃんも日本のこと大好きなのだ。

ボクの家族もみんな日本のこと好きだから、マーリアちゃん家族とも大の仲良し。

みんな日本語しゃべれる。

みんな日本のアニメなどで日本語を覚えたみたいだ。

ボクのフランス人のママと、アメリカ人のパパ。

そしてマーリアちゃんのフランス人のママとパパ。

みんな日本のことも大好きみたいっ!


シャーロット先生と、幼稚園のみんなと、オルセー美術館に行った。

入ったら、学芸員のお姉さん出てきた。

「あっ!マーリアちゃんに、あやめっち!いらっしゃい!今日は幼稚園のみんなといっしょなんですね!」

って言ってくれた。

「シャーロット先生と、みんなといっしょに来たよー」

ってお姉さんに言った。


シャーロット先生とみんなは館内を見学している間に、マーリアちゃんとボクは、学芸員のお姉さんと話をしていた。

「この前、オランダに行って『真珠の耳飾りの少女』の絵を見て来たんだよー」

「えーっ?ほんとー?いいなー!」

「いいでしょー!」

「良かった?」

「めっちゃきれいな雰囲気だったよー」

「わたしも見たいのよー!こんどオランダのデン・ハーグに行かないとねっ!」

「そうだよー!行ってきてね!」


そのあと、マーリアちゃんとボクは『ヴィーナス誕生』の絵のところに行って、しばらく、じーっと2人で見ていた。

「2人とも、この『ヴィーナス誕生』の絵、本当に好きなのねー」

って学芸員のお姉さんにも言われた。

「うんっ!2人ともめっちゃ好きー!」

って答えた。


夏にはシャーロット先生とみんなと、海に行った。

マーリアちゃんとボクは、お揃いの可愛い水着を着て泳いだ。

シャーロット先生も可愛くてセクシーな良き水着を着ている。

「シャーロット先生~!」

って言いながら、マーリアちゃんと2人で、シャーロット先生に抱きついた。

ボクは背泳ぎだけは、めっちゃ得意だから、海に入っても、ひたすら背泳ぎで、行ったり来たり、ずっと泳いでいた。

マーリアちゃんもボクにつきあってくれて、いっしょにずっと背泳ぎで泳いでいた。


海といったら、ボクは、ちょっと前に見た『侵略!イカ娘』っていう日本のアニメを想い出す。

このアニメめっちゃ好き。

イカ娘めっちゃ可愛い。

動作も可愛いし、しゃべり方も可愛くて面白くて好き。


マーリアちゃんはビーチで得意な絵も描いている。

マーリアちゃん特有の、きれいなマーリアブルーを活かした絵だ。

ビーチでうろうろしていたボクのことも、マーリアちゃんは絵に描いていた。

マーリアちゃんの描いてるのを見ていたら、ボクも絵を描きたくなってきた。

マーリアちゃんに画用紙をもらって、ボクも、マーリアちゃんといっしょに海の絵を描いた。

シャーロット先生の可愛い水着姿も描いた。

ていうか、ひたすら、シャーロット先生のことを目で追いかけて、シャーロット先生の可愛い水着姿を画用紙の上に描きまくっていた。


それからボクはシャーロット先生にガバッと抱きついて、いっしょに海で泳いだ。

それをマーリアちゃんは絵に描いていた。

その絵で、マーリアちゃんは、「児童絵画コンクール」の金賞を受賞した。

マーリアちゃん、絵の才能あるんやなあ~。


金賞受賞の記事のコメントに

「めっちゃきれいなブルーですね!」

って書かれてあったから

「ついにマーリアちゃんのマーリアブルーも世の中に知られるようになったのかーっ!」

って思った。


マーリアちゃんは、絵のほうで才能を発揮するようになってからは、あまり霊感を強く感じることはなくなってきたみたいだ。

マーリアちゃんの霊感も、特にさよりんだったから、おたがいの霊感を伸ばしあっていたのかもしれない。


セーヌ川沿いをマーリアちゃんといっしょに手をつないで歩いていた時。

「あっ!さよりんだあああ!」

ってマーリアちゃんは言った。

「えーっ?さよりん?」


「うんっ!きゃあああ、さより~ん!さより~ぬ!」

ってマーリアちゃんは、めっちゃ喜んでいる。


「『あやめっちのところに行って、あやめっちを見たい』って思ってたら、また来れちゃったって、さよりんは言ってるよ」

「さよりん!いっしょにセーヌ川を散歩しよう!」

ってボクは、さよりんに言ってみた。

「さよりんも嬉しそうに歩いてるよっ」

って、マーリアちゃんは教えてくれた。


でも、なんか、なんとなく、ボクも、さよりんの存在を今、感じてるような気している。

近くにさよりんいてくれてて、いっしょに歩いてくれてて、ボクのことをずっと優しく見てくれてるような感じをするようになった気する。


試しに、さよりんに

「あの雲、なんだか、お魚に似てるね~」

って言ってみた。

そしたら

「ほんとだーっ!」

って、さよりんも思ってくれてるのをなんとなく感じるようになった。


さよりんの声までは、はっきりと聞こえるわけではないけど、さよりんのボクに対して答えてくれている言葉を、なんだかボクも感じられるようになってきたみたいなのだ。





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