第7話「休憩からの急発進‼」

 ふぅ・・・・・・。

 

 私は道端にあるベンチに座る。


 (疲れた・・・・・・。ただ道を長々と歩くのはまだ良いものの、舗装されていない道だと・・・・・・)

 

 私は手を伸ばして伸びをする。

 

 そして、「よっこらっせ」と声が聞こえてきたので隣を見る。

 

 「わぁっ‼」

 

 隣に座っていたのは、つい先程の赤いスーツの人だった。

 

 「誰ですか! あなたは」

 

 「え? さっき名乗ったじゃん。またやろっか?」

 

 そう言って、またあの名乗りをやろうとする。

 

 「良いです、良いです」

 

 私は屈んでいる男性を止める。

 

 「ところで、なんで私たちの後を?」

 

 「ああ、俺も仲間に入れて貰えないか?」

 

 「え?」

 

 「だって、俺、君と同じく時間を遡ってきた人だよ?」

 

 (え・・・・・・。まじか)


 内心ショックを受けながらも、「おーい!」とカエサルが私を呼ぶ。

 

 「なんでしょ・・・・・・、えぇっ⁉」

 

 カエサルが持ってきたのは、何と赤いスポーツカーだった。

 

 「う、嘘でしょ⁉ それ、どこから持ってきたの?」

 

 「どこって。この近くの野っ原にあったよ」

 

 そう言って、彼は持ち上げていた車を地面に降ろす。

 

 (どういう腕力しているのさ・・・・・・)

 

 「とりあえず、その様子じゃ無理そうだから、これに乗っていこうぜ」

 

 「え、あ、うん」私は助手席に座り、カエサルの隣になる。

 

 (スポーツカーに、運転手がイケメン・・・・・・‼ これこそ、私が望んでいる状況・・・・・・‼)

 

 私はこの状況にガッツポーズをしていると、カエサルは何かを探している。

 

 「どうしたの?」

 

 「いや・・・・・・、この車を動かすにはどうしたら良いかなって。・・・・・・これかな」

 

 そう言うと、カエサルはシフトノブを思い切り倒す。

 

 すると、身体中に重力がのしかかる。

 

 (ちょっと待って、ちょっと待って~‼)

 

 私とカエサル、自称クモ男を乗せた車が、道を思い切り走った。

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