第6話「誰だお前は⁉」

 「違うのか・・・・・・」

 

 私は道端を歩きながら言う。

 

 「そうだな。てっきり、早く終わるかと」

 

 カエサルが言う。

 

 「そうだ。ここで一休み・・・・・・、誰?」

 

 そう彼が言った瞬間、十字のマークを施した衣装を身につけた怪人らしき人々が道端に現れる。

 

 (なになに⁉ 敵⁉)

 

 そう思っていると、突然、私たちに彼らが襲いかかろうとする。

 

 「下がってろ‼」

 

 カエサルが私を後ろにやると、古代のものとは思えない、ましてや私の知る物ではなさそうな物を腰から取り出す。

 

 ーーバン。

 

 銃声が鳴る度、怪人たちが倒されていく。

 

 「よし、もう大丈夫かな」

 

 そうカエサルが安堵の気持ちに浸っていると、後ろから“何か”が迫って居るのが見える。

 

 「ガイウス‼ 後ろ‼」

 

 そう私は大声で叫ぶと、その“何か”がカエサルに襲いかかる。

 

 私は咄嗟に目を伏せる。

 

 暫し、静かになる。

 

 ーーあれ?

 

 ゆっくりと目を開けると、カエサルの目の前に赤いスーツの男性が立っていた。

 

 ーー誰?

 

 その男はカエサルに襲いかかろうとしていた“何か”を、道端にある柱に蜘蛛の糸らしき糸を出して縛り付ける。

 

 (え? 蜘蛛の糸? ・・・・・・ということは)

 

そう思って見ていると、その男は私たちに向く。

 

 「危なかったな」

 

 「あ、はい。ありがとうございます」

 

 私が礼を述べると、その男が「あれ、やっていいか?」と聞く。

 

 「ええ、まあ」

 

 私がそう曖昧に言うと、男は腰を低くする。

 

 そして、聞き覚えのあるあの音楽が耳にーー。

 

 「地獄からの使者‼ スパイダーマッ‼」

 

 (いや・・・・・・、よりによってなんでこの人・・・・・・)

 

 私は呆れ返りながら、その男が“スパイダーマン”と名乗った光景を見た。

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