第3話「え⁉ 告白⁉」
ローマを出て、少し歩いた先。
そこに、一つの小さな村があった。
「小さいですね・・・・・・」
「ああ、そうだな。探すか、“歴史上の特異点”となる人物を」
「はい」
私たちは小さな村に入っていくと、そこもまた、時代が入り混じっていた。
ある住宅は、古代ローマの時。
ある住宅は、中世ヨーロッパの時。
ある住宅は、現代。
時空が歪んでいることを感じつつ、私たちは聞き込みをしていく。
「知りません、そんな人」
女性が言う。
「そうですか、ありがとうございます」
「ありがとうございます」
私たちが女性に礼を述べると、いきなり「そこの君!」と声を掛けられる。
「誰?」
そう思って、声がした方向へ顔を向けると、そこにいたのはある男性だった。
(いや、誰⁉)
その男性はこちらに近づいてくる。
「何か用ですか?」
カエサルが言うが、男は彼を見ず、私を見る。
「俺と、結婚してくれ!」
(え? ちょっと? はぁ⁉ 何言っているのよ、このおじさんは)
口調からして本気の男性を目の前にして、私は内心困惑する。
すると、カエサルが言い放つ。
「あのさ、隣にいるの、彼女なんだけど」
(え?)
「え? で、でも」
「良いから、早く行け」
「えでも」
「とっとと行け‼ でないとお前を処刑するぞ‼」
カエサルが男に怒鳴りつけると、男はビビってどこか行ってしまう。
「行こうか」
彼はそう言い、その先へ歩く。私も、その後を追う。
(あの気持ち・・・・・・。どういうことだろ)
「あ」
カエサルが立ち止まる。
「どうしたの?」
「さっきはごめんな。彼女呼ばわりして」
意外だった。まさか、謝るなんて。
「ううん。でも、意外だな、私の事を彼女と呼んでくれるなんて」
私は彼のことを上目遣いで見ながら言う。
少し、彼が黙ると、話し出す。
「・・・・・・付き合うか?」
「うん!」
そうして、カエサルとは交際関係になった、とさ。
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