第8話
ついに空き倉庫に到着した。
「おう、まさか本当に1人で来るとはな」
そこにいたのはカエデさんと、黒ずくめのガタイのいい7人の男、そしてイスに縛りつけられて動けない鼎先輩。口にガムテープが貼られている。
「私にはお前に恨みがある。私の両親の愛を、実の子供である私よりも受けていた。その罪は死に値する!」
「、、やっぱり二水夫婦を殺したのは、、、」
「ああ、私だ。本当はお前を殺すつもりだったんだが、いざ2人を見ると感情が抑えきれずについヤっちまったよ。ああ、それと冥土の土産に教えてやる。私を救ってくれたのは明星透だ。両親は奴とコネがあってね。明星は不倫相手の子供を両親に引き渡し、隠密に処理してもらう。両親は子供をさらう手間が省ける。ギブアンドテイクの関係だったらしい。明星は孤独な私を両親から引き取り、一流の暗殺術を叩き込んだ。全てはお前に復讐するためだ!ここでお前はお終いだ!行け、お前ら!」
黒づくめの男たちが一斉に僕に飛びかかる。僕はとりあえず距離を取ろうと3歩下がる。
「お前ら、こいつはきっと多重人格者だ!私には分かる、結構強いから注意しろよ!」
「、、でも、お嬢。こいつ、弱いっすよ?」
僕はあっという間に捕まり、腹を38発、頭と顔を26発、その他の四肢を69発思いっきり殴られた。
「お前ら、もういい、最後は私がやる」
「はー、はー、、、」
「あー、やっとだ、やっと私の願いが叶う。おい、ダメ息子、いや、ダメ息子もどき。最後に何か言うことはあるか?」
「か、鼎先輩は、か、解放してくれるん、ですか?」
「あー、、殺すよ。っていうか最初からそのつもりだし」
カエデさんはナイフを取り出し四つん這いになっている僕に向けて振り下ろす。
あー、僕の人生はこんなにもあっけないのか。せめて死ぬなら大事な人を助けてから死にたい。
でもこんなボロボロの僕なんかに何ができる?
いや待てよ、一太は僕の潜在能力を引き出すことにより身体能力を高めていた。となると、僕にも同じことができるんじゃないか?
「せー、のっ!」というカエデさんの掛け声が聞こえた次の瞬間、僕は体に無理を言わせて立ち上がり、ナイフを避けた。
「くそ、やっぱり、多重人格、、、」
「いえ、僕はもう1人です!でも、大事な人を守りたいから、あなたたちと戦います!」
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