第2話
乃木家での暮らしも慣れてきたある日、乃木さんから近くにある公立の高校に通わないかと提案された。話によると、鼎先輩も同じ高校に通っているらしい。以前とは違う学校だが、学業の遅れを防ぐためにもそれを了承し、手続きを諸々済ませ、久々の登校となった。
「皆さん、初めまして。二水烈火といいます。よろしくお願いします」
最初の自己紹介、あまり人と話すのに慣れていないので無難なもので済ませた。担任に促され席に座るや否や、右隣りの席から少年がものすごい勢いで話しかけてきた。
「よう、転校生!烈火だったか?かっこいい名前じゃん!」
「あ、どうも」
「おっと自己紹介が遅れたな!俺は輝良照(きらてる)!よろしくな!」
その勢いに気圧されていると、今度は左隣りの少女も口を開く。
「ごめんね、照は元気すぎるでしょ?あ、私は光(ひかり)、そいつの、、、」
「照の双子の姉、だよね?」
「!?」「!?」
何故か2人は驚いた表情を浮かべる。
「あ、ごめん。何か気に障るようなことでも、、、」
「い、いや、俺たちが姉弟って見抜くなんて、お前只者じゃないな?」
「うん、私たち全然似てないでしょ?よく分かったわね」
その日、僕は輝良姉弟、光と照と親しくなるのだった。
ある日、僕は鼎先輩と共に下校していた。その時、
「君たち!良ければ僕と一緒に高みを目指さないか?」
突然ドヤ顔の見知らぬ青年から声をかけられた。
「先輩、この人怪しいです。警察に、、、」
「凄いよ!この人プロデューサーの翔(かける)さんじゃない?有名人だよ!烈火は知らないの?」
「僕はあまりテレビとか見ないので、、、」
テレビをほとんど見ないのは事実だ。だが、どうしてか、見ようとすると両親が阻止して来たのだ。その時はさほど問題視していなかったのだが、今になると少しおかしいと思える。
「おや、女の子の方は乗り気だね。そっちの男の子もどうだい?すぐに君たちを有名人にして見せるよ!」
鼎先輩が知っているのなら問題はないだろうが、一応連絡先を交換し、別れ、乃木さんに了承を取ることになった。
「問題ないんじゃないか」
の一言で、僕たちは新たなステージに登ることとなった。
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