第3話 電話会議

「アリア、いい方法があるわ。」

「スノー、いい方法?」


 スノーと合流した後、書斎を出て、玄関に向かい、まず、ハーベイさんと、リッチさんの所に行った。2人に公爵様からお預かりした資料を渡し、来客用会議室で説明した

「こんなところですか。」

「ありがとうございました。アリア様。スノーさん。」

「お二人もう少し細かく知りたくない?」

「どう言うことですか?」


 私は、物知り顔で、2人の騎士を見据えた。

「はい。ですがどう言うことですか?」

「いや。最新の魔道具を使うと、帝都、セイレーン、アクアで会話ができるんです。まだ、試作品で、公表されるのはまだ先らしいんですが。」

「え、そんな革新的なこと、どうして貴方がご存知何ですか?」

「そうよ、私も聞いてないわ。」


 騎士達だけでなく、アリアもビックリした表情で、スノーを見た。


「本日、ハイエルンの帝都高等調整官事務所から連絡があって、アレックス君が、ハイエルンで高い功績を上げた感謝の印として、連絡用の最新魔導具を送って、同じものが事務所にあるので、自由に使って欲しいとのことだったの。」

「連絡用魔導具?そんな物が」


 リッチさんが声をあげた。


「まだ、試作品らしいですけど。」

「そうですか、知りませんでした、帝国政府には」

「帝室にはご報告済らしいですわ。流石に安定供給出来る様になるまでは、結構掛かるらしいですし、それまで試験利用らしいですわ。」

「そうですか。」


 リッチさんは、納得した様で


「取り急ぎ、高等調整官事務所に行きましょう。アリア様は、」

「はい。行きます。」

「私も随行させて頂く。」

「ハーベイ様わかりました。リッチ様は?」

「私は連絡役として此処に残りますので、」

「わかりました。では、って、ハーベイ様、高等調整官事務所の場所わかります?」

「は?」


 スノーは、高等調整官事務所の場所をわからなかったが、ハーベイが誘導する馬車で、高等調整官事務所に着いた。スノーが、事務所職員に事情を話すと、快く応接室に通してくれた。

 事務所職員が、通信用の魔導具らしき物を応接室に運びこみ、使い方を教えてくれて、連絡をとってくれた。10分位末と、


「お待たせしました。アレックス様に繋がった様です。私は出ておりますので、このままお話ください。終わったら、向かいの事務室に呼びに来て下さい。」

「ありがとうございます。」


 そう言って、職員が出て行くと、スノーは、魔導具に話しかけた。


「スノーよ、アレックス君聴こえる。」

「スノーさん。アレックスです。」

「アレックス君なの。大変よ。」

「大変でしたね。こちらは何とかって感じですよ。」

「何の話?」


 アレックスのはっきりした声が聞こえた。



「アレックス君。よく聞くのよ。今日のパーティで、アリアが、あの野郎に婚約破棄を言われたわ。バルザック王国の馬鹿野郎と、イフリートの売女を潰すわよ。これは戦争よ。」

「スノー様、戦争はもう始まってますよ。」

「へ?もう始まっている?」

「そうです。セイレーンで反乱が起き、アクアがバルザック王国の襲撃を受けました。セイレーンの、主犯はブラックタイガー、バルザックやイフリートと繋がりの深い商会が次々と捕縛、殲滅され、最終的には、ロドリコ・セイレーン伯爵閣下の捕縛に至りました。アクアは、3隻の戦艦で攻められ、撃退に成功したものの、ほぼ壊滅。複数のバルザック貴族を捕縛し、傭兵として参加した冒険者等も捕まえました。私も戦闘でボロボロになって、ベッドの上です。」

「わかったわ。もう、無茶したんでしょう。無事で良かったわね。」


 と、スノーは、話を聞き心配で、少し涙を浮かべていた。でも、弱さを見せない派のスノーであるからして、瞬間でシャキッと戻り


「帝国軍の方も今いるので、この魔導具を得た経緯から細かく説明してくれる。」

「はい。」


 と、説明を聞き、質問をして、メモをし、まとめていった。


「ありがとう。騎士様もよろしいですか?」

「はい。」

「再来週、第一便が出るので、それまでに体を全快にして、帝都に向かいますので、何か欲しいものが有れば用意しますが。」


 そう言ってくれたので、色々お願いし、小一時間細かい状況確認した後、屋敷に戻り公爵に報告をした。

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